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2022.12.06 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
登壇してプレゼンを行った3選手。左から藤田慎之介選手、岩崎立来選手、中村太郎選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
岩渕健輔JOC理事(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は11月17日、味の素ナショナルトレーニングセンターウエストで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに216社/団体355名(2022年11月17日時点)の採用が決まりました。今回の説明会ではJOC主催のもと、9社16名が参加しました。

 最初に主催者を代表して岩渕健輔JOC理事が、アスナビ説明会が開催されることへ感謝の言葉を述べました。続けて、JOCでは選手の強化活動サポートはできている一方、選手個別の生活基盤までは手が回っていないことを伝えて、「個人競技にしてもチーム競技にしても、選手たちは生活基盤や経済基盤など、色々な環境が整うことで最大のパフォーマンスを発揮できますので、ぜひとも皆様にはTEAM JAPANの一員となって、アスリートと一緒に前に進んでいける関係を構築していければ」とアスリートの採用を呼びかけました。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
柴真樹JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクター(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
中上紳一郎・陸上競技部アスリートマネージャー(写真:フォート・キシモト)

 続いて、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターがアスナビの概要ならびに、過去にアスナビを通じて採用されたアスリートと採用企業担当者のコメントや、アスリート採用を呼びかけるメッセージなどをまとめた動画を紹介。さらにスライド資料をもとに、アスナビが無料職業紹介事業であることや登録するトップアスリートの概略、その他、就職実績、雇用条件、採用のポイント、アスリート活用のポイント、カスタマーサポートなどの説明をしました。

 続いて、陸上競技(砲丸投げ)の森下大地選手、陸上競技(十種競技)の奥田啓祐選手、陸上競技(円盤投げ)の川口紅音選手の3名を採用した株式会社ウィザスより、中上紳一郎・陸上競技部アスリートマネージャーが登壇し、アスリート採用の体験談を紹介しました。ウィザスは1976年創業の学習塾など教育事業を主とした会社で、理念には「社会で活躍できる人づくり」を掲げ、「自己成長・他者貢献・ベストを超える」といった求める人物像があり、アスリートの生き様や活躍する姿を近くで見せることで生徒や社員を元気にしたいと考えたことがアスリート採用を始めたきっかけだと語りました。その後、アスリートとの出会いや成長、担当している業務内容、日常の風景、5年間での学び、今後の展望などをスライド資料とともに紹介し、アスリート社員を採用する時のポイントとしては、入社時に新卒社員と合流させて一緒に研修させることで同期の存在や人間関係も構築されて、より環境が充実し、アスリートが真剣に打ち込めるようになることを伝えました。

 その後、就職希望アスリート4名がプレゼンテーションを実施。映像での競技紹介やスピーチで、自身をアピールしました。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
中村太郎選手(写真:フォート・キシモト)
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岩崎立来選手(写真:フォート・キシモト)

■中村太郎選手(フェンシング)

 私は小学3年生の時にフェンシングを始めました。きっかけは、太田雄貴日本フェンシング協会前会長との約束でした。大分の国体で会った時にサインをお願いしたところ「フェンシングを始めるならサインをあげる」という約束を交わし、そこからフェンシングに取り組みました。剣の攻防や技の駆け引きなどの魅力にどんどんはまると、小学4年生の頃には初めての海外遠征も経験し、高校生ではインターハイ個人優勝、大学生では全日本学生選手権個人優勝を果たしました。男子フルーレの種目は日本で最も競技人口が多く、競争力が高いこともあって、オリンピックでメダルを獲得する目標をまだ達成できていませんが、そのための達成欲は今も衰えることなく、今現在もずっと練習に励み続けています。私が企業様に貢献できるポイントは二つあって、一つは世界のトップを常に狙っている向上心、もう一つは責任感を持っていることです。私の頑張る姿で職場の方々へ良い影響を与えられる選手になりたいし、自分も皆様の頑張る姿を見て、さらに頑張りたいと思っています。また、大学の部活動では主将を務めており、自分がナショナルチームで学んだ技術や礼儀作法を還元して、全体の士気を高めることにも取り組んでいます。もしご採用いただけましたら、責任を持って職務を全うすることを約束いたしますので、中村太郎を是非ともよろしくお願いいたします。

■岩崎立来選手(陸上競技/短距離)

 大阪体育大学で陸上競技を専門にしている岩崎です。種目は短距離走400mがメインで、今年7月にオレゴンで開催された世界選手権では、混合4×400mリレーの3走として出場させていただきました。私には専任コーチはおらず、日々、自身で技術やトレーニング方法を考えて練習を組んでいますが、その中でうまくいかない時は先輩や後輩、同僚、他大学のコーチや家族など、様々な視点のアドバイスを受け入れて、臨機応変に対応しているところが強みだと考えています。私の競技人生の一つの目標は「過去の自分に負けずに進化し続けること」で、私の競技歴はまだ6年目と短いのですが、その中で毎年ずっと自分の記録を更新しているところも強みです。また、多くの敗北を経験して悔しさを味わってきましたが、その度、次はこうしようとポジティブに考えて、即座に次へつなげられることも強みです。これらの学びは陸上競技だけでなく、社会で生きていくためにも重要だと考えています。入社後は、過去の自分に負けず常に進化を続け、2024年パリオリンピックに出場し、陸上競技で活躍することはもちろん、アスリートとして多くの人たちに感動や勇気を届けたいです。そして、仕事でも陸上競技で培ったことを糧に、課題や問題解決へ主体的に取り組み、企業の一社員として責務をしっかり果たしていきたいです。ぜひご採用の検討をよろしくお願いいたします。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
藤田慎之介選手(写真:フォート・キシモト)
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中山彩理香選手(写真:フォート・キシモト)

■藤田慎之介選手(スキー/ジャンプ)

 私は元スキー選手だった父の影響で三歳からスキーを始めました。小学校低学年の時、町民スキー大会でスキージャンプの体験会に参加し、翌日にはジャンプ少年団に入団。父のいとこが長野オリンピック金メダリストの船木和喜さんだったと知り、それから中学3年生の時に優勝した全国中学スキー大会で世界を意識するようなりました。その時、父が大喜びでハイタッチをしてくれて、父の夢が世界一のスキー選手になることだったと聞き、その夢の続きを叶えたいと思いました。高校はレジェンド葛西紀明さんの母校・東海大学附属札幌高校に進学し、初めてのインターハイで3位入賞。高校3年生ではほとんどの試合で優勝。大学は東海大学に進学し、今年夏のサマージャンプの試合では日本ランキング2位になれました。その後、北京オリンピックでは最終選考メンバーに選ばれましたが代表にはなれませんでした。当初は4年後があるからと思っていましたが、大会直後の祖父の急死を受けて、いつか活躍すればではなく、今活躍している姿を見せなくてはいけないのだと強く感じるようになりました。現在、私の目標は2030年オリンピックの金メダルですが、そのためには海外のトップ選手と競い合えるレベルと経験値が必要だと考えています。そのためには、ジャンプで成績を出せる環境をいち早く手に入れることが大切で、皆様の応援をお願いしたいと思っております。私が皆様の企業にご採用いただけましたら、社員の方々と交流をし、応援していただけるように努めて、活躍している姿をお見せして恩返しできるように頑張っていきたいです。藤田慎之介をよろしくお願いいたします。

■中山彩理香選手(トライアスロン)※ビデオ登壇

 私は中学生の時にトライアスロンに出会い、今のコーチとの出会いを機に、高校一年の時から本格的に競技に取り組み始めました。競技を始めて三か月でアジアジュニア選手権日本代表に選ばれて3位入賞、同年9月に世界ジュニア選手権に出場、その後も着実に結果を残し、今では日本ランキング・アジアランキングのトップクラスにまで成長できました。目標は2024年パリオリンピック、2028年ロサンゼルスオリンピックに出場し、メダルを獲得することです。オリンピックに向けた戦いはすでに始まっており、今は海外遠征をしてオリンピックランキングを上げて、世界のトップと戦うための土台作りとして経験を積んでおります。私の一番の強みは課題解決力で、日々の練習の中で改善策を常に考え、実践し、効率の良いフォームに近づけていくPDCAサイクルを回せるようになったことで、競技力向上につながりました。また、どのような困難に遭遇しても折れない心を持っていることも強みです。皆様の企業にご採用いただけましたら、競技と大学生活の中で培った課題解決力と折れない心を活かし、仕事において問題が起こった際はしっかり正面から立ち向かって解決することに役立てたいです。また私が日々の練習に打ち込み、世界で活躍する姿は社員の皆様に勇気や希望を与え、業務に対するモチベーションアップに貢献できると思っております。是非、トライアスロンの中山彩理香をよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
登壇した就職希望アスリート3名へ質問(写真:フォート・キシモト)

 プレゼンテーション終了後には、会場内の就職希望アスリート3名へインタビューを実施。司会進行を務めた菊地光JOCキャリアアカデミー事業アスナビプランニングディレクターの質問に答える形で、3選手が自らの考えを述べ、最後に自己PRをしました。説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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