日本オリンピック委員会(JOC)は6月15日、オンラインで「第9回アスナビ選手研修会」を開催しました。
アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動を続けることのできる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに、211社/団体、343名(2022年6月15日時点)の採用が決まりました。
本研修会はアスナビを通じて、パラリンピックを目指すアスリート2名を含む27名の選手を対象に、「なぜ自分や競技を知ってもらうことが必要なのか?」「どのように自分や競技を知ってもらうか?」「どんなことに取り組んでいきたいか?」等を考えること、また参加した選手同士のネットワークづくりを目的として開催されました。
プログラムの開始に先立ち、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターと中長期戦略プロジェクト担当の水鳥寿思JOC理事が挨拶をし、選手同士の繋がりや企業が選手に抱く思いなどを話しました。そして、司会進行を務める鈴木統也JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターは本日の研修会のテーマに「主体性」を掲げて、「自ら価値を発揮するきっかけ」と「横の繋がり」の2つを本日のゴールにと説明した後、JOCスタッフおよび参加した選手たちが一人ずつ簡単な自己紹介を行いました。
今回の研修会は2部構成で実施され、第1部では「先輩アスリート講話」として、アスナビを通じて2017年2月にあいおいニッセイ同和損害保険株式会社に入社し、2021年4月に競技引退をした元競泳選手の小林奈央さんが登壇。自己紹介の後は、社外活動の紹介や企業に所属するアスリートとして、企業側のメリット、引退して感じたこと、引退後のキャリアなどを語りました。
小林さんは企業に所属するアスリートとして応援される選手になるためには、自分自身の競技を知ってもらうことや社員の方とコミュニケーション、そして社業も練習も全力で取り組み、感謝の気持ちを持つことが大事だと、自身の体験談を交えながら説明しました。
引退してからの振り返りとして、「競技に集中して取り組める環境は当たり前ではないし、競技で培った力は今後にも役立つ」と伝え、「何事にも向上心をもって取り組んでほしい」とエールを送りました。その後、参加者の質問には「会社で求められるのは自ら行動する主体性を持った社員であること。受け身ではなくて、自ら何をしなくてはいけないのか、会社のために自分が貢献できることを常に頭に入れて頑張ってほしい」と答えました。
続く第2部では、参加者が5グループに分かれて、ワークショップを実施しました「なぜ自分や競技のことを知ってもらうことが必要なのか」「どのように自分や競技のことを知ってもらうか?」のテーマのもと各グループで話し合い、全体で発表しました。どのグループにおいても企業内でのコミュニケーションはとても重要であり、また社内報やSNSなど色んなツール・手段で自発的に情報を広めていくことの大事さなど、意見交換を交わしました。その後、アクション策定を決める時間では「社内で自競技や自分自身を知ってもらうためにどんなことに挑戦したいか?」を考えて、選手たちがそれぞれの意見を共有しました。
全てのワークショップ終了後、鈴木統也JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターは「まずはやってみましょう。やらないと何も始まらないですし、すべては行動から始まります。社員は皆さんの行動を見てくれていますし、失敗しても、そこから学ぶこともいっぱいあります」と総括し、最後は、参加者全員で記念撮影をして、研修会を締めくくりました。
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