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2020.03.06 その他活動

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催(写真:フォート・キシモト)
「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
齋藤泰雄JOC顧問・国際専門部会長(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は1月30日、東京都新宿区のJapan Sport Olympic Squareで「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催しました。

 JOC/NF国際フォーラムとは、JOCが推進する国際連携に関する最新情報を各国内競技団体(NF)に提供するとともに、各国際競技団体(IF)において日本に求められる役割を再認識し、2020年以降を見据えた国際スポーツ界における日本の国際力の更なる向上を目指すものです。

 はじめに、齋藤泰雄JOC顧問・国際専門部会長が開会のあいさつに立ち、「東京2020大会まで残り176日となりました。オリンピック開催国という立場となってからは、競技運営面などで日本のIFへの影響力が高まり、果たすべき役割やリーダーシップを発揮する場面も増えています」と日本のプレゼンスが高まりつつあることに触れ、「国際力強化についても、大会を通じて目指すべき目標です。2020年がゴールでなく、その先にいかに国際力の強化を推進し、日本のプレゼンスを高めていくかを意識して考える必要があります。本日のフォーラムをNFの皆様相互の連携や、情報交換の一助としていただきたいです」と述べました。

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
国際体操連盟会長で国際オリンピック委員会(IOC)の渡辺守成委員(写真:フォート・キシモト)

 次に、国際体操連盟会長で国際オリンピック委員会(IOC)の渡辺守成委員が、「東京2020大会後、NFの国際力の強化に向けて何を残すのか」をテーマに、基調講演を行いました。世界50カ国を訪問した昨年の活動や、自身の体験談を紹介。世界での体操の普及活動の経験から国際力の向上ついて、「あくまで手段であり、ゴールではありません」、「なぜ国際力が必要なのか」と強調し、国際力の向上の先に何があるのかを考え、それを明確にすることの重要性を述べました。
 さらに、「日本人は真面目で責任感が強い。さらに、これまで大きなスポーツイベントをやってきた実績もあります。世界のスポーツ界にビジョン、目標、そしてアクションプランを持って参加して欲しい」と参加者に対して呼びかけました。
 また、人口問題について「少子高齢化に伴う社会保障費の増加が問題となっています。そして日本は最も高齢化が進んでいます。介護期間を短くし、健康寿命を延ばしていくことが課題です」と見解を述べ、「スポーツこそが世界の高齢化社会を救うことができる。スポーツを切り口にして、さまざまな産業とのコラボレーションができる」とスポーツにはまだまだ無限の可能性があることを語りました。

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
「日本人が国際的に活躍するために〜既存のモデルケースを例に具体的な行動を考える〜」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。(写真:フォート・キシモト)

 続いて、JOC国際部専門部会員でIOCマーケティング委員会の田中ウルヴェ京委員がファシリテーターを務め、「日本人が国際的に活躍するために〜既存のモデルケースを例に具体的な行動を考える〜」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。パネリストとして、国際体操連盟会長でJOC国際専門部会員の渡辺IOC委員、国際トライアスロン連合副会長でJOC国際専門部会員の大塚眞一郎JOC理事、IOCスポーツと活力のある社会委員会委員でJOC国際専⾨部会の有森裕⼦部会員、国際フェンシング連盟副会長で日本フェンシング協会会長の太田雄貴JOCオリンピックムーブメント専門部会副部会長の4名が登壇。IOC委員やIOC専門委員会委員、IF副会長などの国際的な役職に就いて活躍しているパネリストが、国際的な場で求められる人材について議論が交わされました。
 パネルディスカッションの締めくくりの「国際的な場で活躍している人たちが考える、パートナーとして一緒に活動したい人物とは」という問いに対し、有森部会員はご自身の状況を踏まえ「全てを1人ではできないので、役割分担が重要だと思います。自身に足らない物を持っている人、ロジックを立てて、冷静に物事を進めることができる人物がいてほしい」と述べました。太田副部会長は東京2020大会の招致活動を振り返り、「いろんな個性があって、チームや組織ができている。東京2020大会の招致が成功した要因は、個性は違えども、各個人それぞれが強みを持った人がチームとなって活動したからこそだと考えている。個人で行うよりもチームで行うから、より高い成果を出すことができる。自身の役割を理解して、どのように組織に貢献できるかを考えて行動できる人が必要だと思います」と、理想の人物像を語りました。そして、他の登壇者の話を受け、大塚理事が「これからグローバル化が進む日本のスポーツ界の中で、自ら行動したい人、やれる人が出てきて欲しいです。ただし、その人がオリジナリティーを持って、どんな場面でも対応できる力を持っていることが求められています」と話すと、「ビジョン、目的を持って国際戦略を作り、提案していくことが、NFの国際力の向上につながるのではと考えます」とまとめました。

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
令和元年度JOC国際人養成アカデミー修了式(写真:フォート・キシモト)
「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
日本卓球協会スポーツ医・科学委員会の星野泰延氏(左)、日本卓球協会常務理事で国際卓球連盟スポーツ医科学委員会の松尾史朗氏(写真:フォート・キシモト)

 次に、令和元年度JOC国際人養成アカデミーの修了式が行われました。各NFから推薦を受けてアカデミーを受講し、本年度修了した35名(うち出席者26名)に、齋藤顧問から修了証が贈られました。

 続いて、修了生を代表して、日本卓球協会スポーツ医・科学委員会の星野泰延氏がアカデミーでの24日間の内容を報告し、今後の目標について「将来的には国際卓球連盟(ITTF)のスポーツ医・科学委員を目指していきたいです」と語りました。
 次に、日本卓球協会常務理事でITTFのスポーツ医・科学委員会の松尾史朗氏が、星野氏のパーキンソン病の研究に触れ、「ITTFが取り組んでいる卓球をパーキンソン病の治療に用いて行こうという活動に、星野氏はまさに適した人材です。日本卓球協会は、この卓球療法の普及をサポートしていきます」と話し、「これからも国際的な卓球の医学的な研究を推進していってもらえればと思います」と、エールを送りました。

「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
ドイルド社副社長のEssar Gabriel氏(写真:フォート・キシモト)
「令和元年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
小谷実可子JOC理事・国際専門部会副部会長(写真:フォート・キシモト)

 次に、ドイルド社副社長のEssar Gabriel氏が「コンサルタントから見たNFの国際化に向けた展望と課題」をテーマにプレゼンテーションを行いました。世界における日本の立場について「競技力で世界の上位10カ国に入るスポーツ大国の1つで、オリンピック、パラリンピックを開催できるレベルにあり、世界も期待しています」と説明。その上で国際レベルでの情報収集について「世界は常に変化しています。その動向に耳を傾ける必要があります」と話すと、「IFレベルでの決定事項の場にいるべきですし、そのような場に戦略を持って臨むことが必要です」と語りました。

 全てのプログラム終了後、小谷実可子JOC理事・国際専門部会副部会長が閉会のあいさつに立ち、登壇者ならびに参加者に感謝の言葉を述べるとともに、1998年の長野オリンピック後に世界中の多くの方から素晴らしいオリンピックだったと言われた経験にも触れ、「国際舞台に近いところで活躍されている皆さまには東京2020大会を機会に、世界の人々とつながってもらえればと思います」と呼びかけて、フォーラムを締めくくりました。

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