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2020.03.13 その他活動

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催(写真:アフロスポーツ)
「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
松丸喜一郎JOC副会長(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は1月26日、「JOMクーベルタンフォーラム2020」を東京都新宿区のJapan Sport Olympic Squareで開催しました。

 本会は日本オリンピックミュージアム(JOM)にて開催している企画展「オリンピズムの原点を紐解く−クーベルタンのことばと思い−」の関連イベントとして行われました。
 
 はじめに、松丸喜一郎JOC副会長があいさつに立ち「JOCでは選手を派遣するだけでなく、オリンピックムーブメントの推進も大きな役割の1つと考えています」と述べると、「本日はピエール・ド・クーベルタンがどうしてオリンピズムを作ったのか、また普及させるために、なぜオリンピック大会を行なったかについて聞いていただければと思います」と参加者に呼びかけました。

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
国際ピエール・ド・クーベルタンユースフォーラムに参加した生徒たちと学校法人自由学園の山田恵子先生がプログラムの内容を報告(写真:アフロスポーツ)

 続いて、国際ピエール・ド・クーベルタンユースフォーラムに参加した高校生6名と引率教員である学校法人自由学園の山田恵子先生が登壇。「高校生が出合い、体験した世界とオリンピズム」をテーマに、フォーラムの参加報告を行いました。2019年の8月24日〜31日に開催されたフォーラムには、23か国から120名が参加。高校生たちは、オリンピック、パラリンピックの競技体験や、オリンピズムを学ぶための文化プログラムなどの内容を紹介すると、「性別、国籍、人種、文化の違いを乗り越えて、多くの人と友だちになることができました。とても良い経験になりました」と感想を述べました。
 また、山田先生は「このような機会をいただけたことを感謝すると同時に、学んだことを様々な場所で発信できるようにと思っています」と語りました。

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
国際ピエール・ド・クーベルタン委員会のステファン・ヴァッソング会長(写真:アフロスポーツ)

 次に国際ピエール・ド・クーベルタン委員会のステファン・ヴァッソング会長が登壇。2部に分かれて行われた講演では、先ず1部で「Pierre de Couberrtin and the Athlete at the Heart of the Olympic Movement」をテーマに、国際クーベルタン委員会の設立目的や活動について説明があり、クーベルタンのアスリートファーストの思想を紹介しました。そして、さらなるオリンピックムーブメントの推進に向けて、2018年のアスリート宣言や、2019年のアスリートフォーラムに触れ、「これからもアスリートをオリンピックムーブメントの中心として考え、支持していきたいと思います」と述べました。

 続く2部では「A Contemporary Appliciation of Pierre de Coubertin's ideas for the Olympic Movement」と題して、講演しました。クーベルタンのオリンピックへの思い、ヴィジョン、そして近代オリンピックの広がりについて言及し、クーベルタンがオリンピックをスポーツの祭典としてだけではなく、世界平和を目的としたイベントにすることを思い描いていたと語りました。また今後について、「現在とクーベルタンがオリンピズムを考えていた当時とでは時代が異なっています。彼の理念を現代的な解釈で慎重に読み解き、研究していければと考えています」と語りました。

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
国際ピエール・ド・クーベルタン委員会の田原淳子副会長(写真:アフロスポーツ)

 続いて、国際ピエール・ド・クーベルタン委員会の田原淳子副会長が登壇。「クーベルタン賞の日本での創設の可能性−海外事例紹介−」をテーマに、講演を行いました。クーベルタン賞の概要や、オーストラリアやドイツなどの事例を共有すると、日本でのクーベルタン賞の創設について、「競技結果ではなく、オリンピックの本来の目的であるオリンピズムの普及について、特に小学生、中学生など子どもたちに伝える必要があると考えます。クーベルタン賞を用いることで、学校の生徒や先生、また、その地域に住んでいる方々へ思想を広めていきたいです」と、見解を述べました。

「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
筑波大学体育系助教の大林太朗さん(左)、日本体育大学大学院博士後期課程の時田瞳さん(写真:アフロスポーツ)
「JOMクーベルタンフォーラム2020」を開催
国士館大学大学院博士後期課程の青柳秀幸さん(左)、中京大学大学院博士後期課程の石原康平さん(写真:アフロスポーツ)

 最後に、若手研究者発表として4名が登壇。筑波大学体育系助教の大林太朗さんが「金栗四三はオリンピックの教育的意義をどのように論じたか」、日本体育大学大学院博士後期課程の時田瞳さんが「オリンピック競技大会におけるメディア表彰に関する研究‐2018年第23回オリンピック冬季競技大会(平昌)を事例として‐」、国士館大学大学院博士後期課程の青柳秀幸さんが「1964年東京オリンピックに関した教育活動について‐クーベルタンとオリンピズムに着目して‐」、中京大学大学院博士後期課程の石原康平さんが「中京大学スポーツミュージアムを活用した‐オリンピックに関する教育実践の報告‐」をテーマに、自身の研究を発表しました。4人の報告を聞いたヴァッソング会長は「これからを担う若い研究者の皆さんがオリンピックに関心を持ってくれていることを嬉しく思います。オリンピズムが教育的にどのような効果があるか、また哲学的な側面からどのような意味があるのかというのを、今後も伝えていってください」とエールを送りました。

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