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2019.03.05 その他活動

「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催

「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催(写真:フォート・キシモト)
「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
山口香JOC理事・女性スポーツ専門部会長が開会の挨拶(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月26日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)でスポーツ庁女性スポーツ推進事業スポーツ団体における女性役員の育成事業「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催しました。本カンファレンスは、JOC加盟団体(NF)の女性役員及び女性役員候補者等を対象に、スポーツ団体運営に必要な知識やスキルを研修するとともに参加者間の連携強化を図ることを目的に初めて実施。75名(47団体)がグループワーク、パネルディスカッションなどで意見を交換、共有しました。

 はじめに、山口香JOC理事・女性スポーツ専門部会長が開会の挨拶に立ち、「女性役員は増えてきていますが、オリンピックを見るとアスリートの数は男女ほぼ同数。それを考えると、もっともっと女性役員が増えていい。そのためには何をすればいいのか、今回がその取り組みの1つ」と本カンファレンスの趣旨を説明しました。また、内閣府男女共同参画局は「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標」を掲げていますが、スポーツ界の現状はJOCが18.2%、NFの平均が12.6%。今年6月には各団体で改選が行われることから、30%の目標に向けて山口部会長は「現実問題として、皆さんはどうやって女性役員の地位を実現したのか、また、もっとこうすれば良くなるということを各テーブルで話し合っていただければと思います」と呼びかけました。

「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
NPO法人GEWEL副代表理事の小嶋美代子さん(写真:フォート・キシモト)
「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
「女性役員の環境について」をテーマにグループワークが行われた(写真:フォート・キシモト)

 続いて、「女性役員の環境について」をテーマにグループワークが行われました。NPO法人GEWEL副代表理事の小嶋美代子さんがファシリテーターを務め、まず企業を例として、女性が活躍する組織作り・取り組みの変遷を紹介。それらの例を踏まえ、各NFの女性役員を対象とした事前アンケートの結果から浮かび上がった「スポーツ団体の女性を取り巻く環境と課題」と、それを受けて「次の一歩をどうするか」について各グループ内でディスカッションが行われました。各グループからは現状の環境と課題について「外部から女性理事が入り風通しが良くなった」というプラス意見が出る一方、「まだまだ女性理事の割合が少ない。改善されていない」というマイナス意見も。また、次の一歩について「ピンチの時こそ改革のチャンス」「人材の掘り起こし、次世代を育てていくことが大事」「感情でものを言うとダメ。女性目線で組み立ててから意見を言う」など、実際に行われた課題解決策や取り組み、また新たなアイデアが出るなど、活発に議論が交わされました。

「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
三屋裕子日本バスケットボール協会会長(写真:フォート・キシモト)
「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
小谷実可子JOC理事(左)、村松邦子日本プロサッカーリーグ参与(写真:フォート・キシモト)

 情報交換会を兼ねた休憩の後は、グループワークから抽出した5つの課題「役員選挙透明化について」「研修プログラム」「組織全体の意識改革」「地方をどのように巻き込むか」「子育て・介護・本職との両立」をテーマにパネルディスカッションが行われました。山口部会長の進行のもと、村松邦子日本プロサッカーリーグ参与、三屋裕子日本バスケットボール協会会長、小谷実可子JOC理事がパネリストとして参加。それぞれのテーマについて意見を述べました。

 三屋会長はバレーボールのオリンピックメダリスト(1984年ロサンゼルス大会銅メダル)ながら、他競技であるサッカーJリーグ理事、日本バスケットボール協会会長を歴任した経験から、女性役員の登用について「プロセスの可視化、明確な規定を作ることが大事」「小さい委員会、プロジェクトからまずは任せてみること」と強調。一方、シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)のオリンピックメダリスト(1988年ソウル大会銅メダル)で現役引退直後からJOC広報担当アドバイザリースタッフ、国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員を務めてきた小谷JOC理事は、IOC副会長、同理事などを歴任した猪谷千春氏から「黙っているだけの石になるな。どんどん発言しなさい」とアドバイスを受け、その通り実践したことから様々な国際会議に出席できるようになり、人脈が広がっていったエピソードを紹介しました。また、グローバル企業のダイバーシティ推進責任者、広報部長などを務めてきた村松参与は「ネットワーク、横のつながりはとても大事。企業では30年前から女性役員の登用問題について取り組んでおり、色々な知見もたまり、ルールも整っています。新たな人材や勉強会もご紹介できますので、ぜひご活用ください」と呼びかけるなど、5つの課題について三者から様々な経験談、実践例、今後の目指すべき方針などが共有されました。

「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
山口理恵子JOC女性スポーツ専門部会員・ワーキンググループリーダー(写真:フォート・キシモト)
「スポーツ団体女性役員カンファレンス」を開催
今回のカンファレンスはグラフィックレコーディングで記録された(写真:フォート・キシモト)

 まとめとして、山口理恵子JOC女性スポーツ専門部会員・ワーキンググループリーダーが、今後予定しているプロジェクトとして役員人材バンク(仮称)を設置し、女性役員の「見える化」を進めていくことを報告。また、最後に参加者は今回のカンファレンスで学んだことをもとに、今後の目標を「わたしの宣言」として紙に記入し、全員で記念撮影を行いました。

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