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2019.02.07 キャリア支援

「第4回アスナビ選手研修会」を開催

「第4回アスナビ選手研修会」を開催
「第4回アスナビ選手研修会」を開催(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は1月28日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、「第4回アスナビ選手研修会」を開催しました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに171社/団体261名(2019年1月24日時点)の採用が決まりました。

 本研修会はアスナビを通じて採用された2019年度の就職内定選手14名を含む37名の選手を対象に、「プロから学ぶ伝え方 応援される選手になるために」をテーマに企業の一員として必要とされる人材になるためには何が必要かを考える場となりました。

「第4回アスナビ選手研修会」を開催
上田春佳さん(写真:フォート・キシモト)

 この日の研修会は2部構成で実施され、第1部では、最初に参加者同士で挨拶を兼ね就職先企業の紹介を行った後、「先輩講話」として、アスナビを通じて2011年4月にキッコーマン株式会社に入社した、ロンドンオリンピック競泳女子4×100mメドレーリレーで銅メダルを獲得した上田春佳さんが登壇。同社のコーポレートコミュニケーション部に所属し、ロンドンオリンピック後に現役を引退した上田さんは、結婚と出産を経た現在も同社で働いています。
 本研修会では「学生と社会人の違い」をテーマに、ご自身の経験から参加者にメッセージを送りました。まず、社会人になったことによる大きな違いとして、「お給料をもらって競技をやることができますし、学生時代と比べて競技に集中できる時間が増えました。また他の社員が働いている中で、競技をやらせてもらっていることで覚悟が決まりました」と気持ちの変化があったことを紹介。入社直後、日本新記録をマークし優勝した日本選手権を振り返り、「実は体調を崩して思うような調整ができていなかったのですが、社会人一発目のレースでどうしても結果を残す必要があるとプレッシャーを感じていました。レース後、自分のことをまだよく知らない社員の方々がとても盛り上がっているの見て、このレースはすごく大事だったんだとあらためて思いました」と、覚悟を持って競技に臨むようにと訴えました。
 また上田さんは、「1人でも多くの社員から応援をしてもらうために笑顔であいさつをして、同僚に積極的に声をかけるようにしましょう」と会社で自分から積極的に行動するようにとアドバイス。さらに、現役時代に会社のWebサイト用にブログ記事を書いていたことや、昨年から担当しているキッコーマンライブキッチン東京でのアスリートを招いてのトークショーを例に、「アスリート社員だからこそできる仕事を考え、提案していきましょう」と助言を送りました。

「第4回アスナビ選手研修会」を開催
外池大亮さん(写真:フォート・キシモト)
「第4回アスナビ選手研修会」を開催
外池大亮さんの講話に耳を傾ける参加者(写真:フォート・キシモト)

 第2部は「プロから学ぶ『伝え方』」がテーマ。はじめに、元Jリーグの選手で、現在はスカパーJSAT株式会社コンテンツ事業本部に籍を置きながら、早稲田大学ア式蹴球部の監督を務める外池大亮さんが講話を行いました。現役時代に複数のチームに所属した経験に加え、サッカーに関わるメディア企業などのインターンシップにも参加していた外池さん。いかに応援される存在になるかについて、「自分達にできることを探し、何かに取り込むことで、必ずきっかけが生まれるはずです。経験、知識、人脈など、自身が持っている価値を把握し、社会に発信、共有していくことにより、色々な方から共感や共鳴をもらえるようになります。その中で、どのように協力者が得られるかを考えましょう」とアドバイスを送りました。さらに、「この一連の行動により、世間との温度感や違和感などが見えてきます。この温度感を知ることは大事です。その感覚を磨いていくことで、社会で生きていくバランス感覚が磨かれます」と、経験を通じて社会人としての成長があると語りました。
 また様々な業種に携わってきた過去の体験から、「1つの物を極めるだけでなく、自分の軸足をどこか違うところに持つことで、見えてくる物があると思います」と幅広い枠組みで物事を見る大切さを呼びかけました。

「第4回アスナビ選手研修会」を開催
森裕喜子さん(写真:フォート・キシモト)
「第4回アスナビ選手研修会」を開催
参加選手同士によるワークショップを実施(写真:フォート・キシモト)

 続いて、ボイスイメージコンサルタントの森裕喜子さんが、ビジネスメールの書き方と報告時のスピーチに関するワークショップを実施。メール作成に関して、「発信する時には相手がいますから、必ず受け取る人のことを考えてください。社内の人に送る際には、自分のファンになってくれる可能性がある人ということを忘れないようにしましょう」と話すと、「ビジネスメールは重要書類だと考え、ずっと残ると思って対応する必要があります」と、注意点を語りました。また、実際にメールを書く実践トレーニングでは、「メールを送る相手への感謝や敬意の気持ちを入れ、見てすぐ分かる、分かりやすい文章で簡潔なレイアウトが大事です」と重要事項を紹介しました。
 次に、上司への大会結果の報告を例に、スピーチのレクチャーが行われました。メールと同様、最初に用件をしっかり伝えることが大切とし、どのように結果を報告、今後の決意を伝えるかについての説明がありました。その後、本番を想定して参加者同士が練習。その様子を見た森さんは、「話すというのは書くのと違い、姿勢など全部見えてしまいます。話す姿勢、声の大きさ、スピードを意識し、そして自分の思いを伝えられるように事前の準備をしましょう」と、アドバイスしました。

 最後に森さんはアスナビアスリートに求められていることして、「企業はあなたの存在が会社を1つにすることを求めています。そういう存在になれるように頑張ってください」と参加者にエールを送り、本研修会を締めくくりました。

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