Athletes’ Voices【杭州アジア大会インタビュー】
ケガをおして最後まで戦い続けた理由。全てはパリ2024オリンピックのために
張本 智和

この大会とオリンピックを重ね合わせた理由
大会の形式や、シングルス・団体など、ほとんどオリンピックに似たような環境ですし、パリ2024オリンピックの前哨戦だと思って臨んでいました。やはりここでのプレーが、パリ2024オリンピックにも直接的に繋がると僕は思っていました。これがもしオリンピックのシングルスの3位決定戦・準決勝決勝だったときに、立っていられる限りは絶対に自分はプレーを続けると思います。杭州アジア大会だけを見れば棄権して良かったのかもしれませんが、人間として負けたくありませんでした。相手も多分、僕が怪我してやっている中でやりづらいところがあったと思います。そこは本当に申し訳ないと思いますけど、やっぱりそれも含めて卓球だなと思うので。やはり最後に負けたことは悔しいですけど、やり切れたのは最低限良かったのかなと思います。技術・メンタルだけが卓球ではなく、体があってこその卓球なので、全体的に見たときに、今大会は相手よりも体の部分が自分は劣っていたのかなと思います。この大会も大きな経験の一つですし、これがパリ2024オリンピックでのメダルに繋がれば、僕にとっては全然軽いものだと思います。今はこの現実はつらいですが、全てはパリに繋がっていると信じて、本気でシングルス・団体・混合ダブルス全てで、次こそメダルを獲れるように一歩一歩進んでいきたいと思います。

変化してきたオリンピックの意味
最近、少しずつ大人になってきて、よりオリンピックの価値がわかるようになってきました。今まで小・中学生のときに言っていたオリンピックの金メダルと、今目指しているオリンピックの金メダルというのは全く別物だと思います。同じ目標だとしても、それにどれだけの価値があってどれだけ難しいものであるかというのを今はすごく理解しています。だからこそ、より金メダルを獲りたいですし、獲ったときには今まで感じたことないような感覚になると思います。もうその一瞬の喜びだけでもいいので、それを感じるためにこの1年間を過ごしていきたいなと思います。
