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2008.12.02 お知らせ

平成20年度オリンピック有望選手研修会を開催

日本オリンピック委員会(JOC)は、11月29日・30日の両日、東京都北区のナショナルトレーニングセンター(NTC)において、次代を担うオリンピック有望選手61名とその指導者を対象に、「平成20年度オリンピック有望選手研修会」を実施した。今年の研修会には、和歌山県と福岡県が実施している「タレント発掘・育成事業」から、和歌山県の小学5年生、福岡県の中学1年生の選手たち約40名も一部のプログラムに参加。総勢約265名が、スポーツ医・科学分野での自己解決プログラムやオリンピアンを交えたグループワークを体験した。

オープニングメッセージで挨拶した上村春樹JOC理事・選手強化副本部長は、8月に行われた北京オリンピックで、日本は金メダル数が世界で8番目であったことを報告。ロンドン大会では世界で5位以内、東京が開催を立候補している2016年大会には3位以内を目指すと語り、受講選手たちに「皆さんはこの年代を代表する選手たちです。自分の武器は何かを考え、知って欲しい。勝ちにはラッキーがあるが、負けにはアンラッキーではなく理由がある。その理由を追求し、解決して欲しい。目標を持ち、1日1日の練習を課題として取組み、継続し、量をこなし、身に付けることが大切。そして当たり前のことをきちんとこなせるアスリートになって欲しい」と激励した。

平成20年度オリンピック有望選手研修会を開催
研修初日、有望選手として昨年度この研修に参加した内村航平選手が激励に訪れた 写真提供:アフロスポーツ

続いて、国立スポーツ科学センター(JISS)の笠原一也センター長が、JISSの役割紹介とともに、「このあとの自己解決プログラムではJISSの研究員が講師を務める。少しでも皆さんのレベルアップにつながるよう願っている」と挨拶。さらに、昨年度の受講生で、北京オリンピック体操銀メダリストの内村航平選手が練習の合間に激励に訪れ、「昨年度のこの研修では、いろいろな競技のオリンピアンから話を聞いて、とても参考になった。オリンピックで勝つには、他の人と同じことをやっていてはダメ。自分にしか出来ないことを見つけて研究し、いろいろな情報を集めていくことで、オリンピックへの道が見えてくると思う」とエールを送った。

NTC視察を行った後、有望選手、指導者、タレント発掘プログラム受講生に分かれ、それぞれ研修となった。有望選手たちの最初のプログラムは、NTCの共用コートでの「ゲーム&分析」。ほとんどの選手が初めて体験するタグラグビーを通して、初日はチーム作りと基本練習およびルールの理解、2日目はチーム対抗戦が行われ、スポーツの楽しさと、競技の枠を超えたチームワーク作りを体験。互いに顔も名前もわからない選手たちは、最初はぎこちない表情で自己紹介し、遠慮しながらチームフラッグをデザインしていたものの、2日目の対抗戦では、打ち解けて話をする和やかな表情や、円陣を組んで真剣に作戦会議をするチームもあちこちに見られ、真摯にプログラムに取組む姿が見られた。

初日の夜に行われた自己解決プログラムでは、有望選手、指導者、タレント発掘プログラム受講生全員が参加。トレーニング方法やケガへの対処法、メンタルトレーニングなど、8つのテーマから各自で興味のある3テーマを選び、JISS情報・医・科学研究部員によるレクチャーを受けた。選手・指導者とも、貴重な機会を活かそうと真剣なまなざしで聞き入り、メモを取ったり質問をしたりする姿が見られた。また、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によるドーピングコントロールについての講義も行われた。

平成20年度オリンピック有望選手研修会を開催
先輩アスリートとしてアドバイスする太田雄貴選手と武田美保さん 写真提供:アフロスポーツ

2日目は、有望選手とタレント発掘プログラム受講生たちが、オリンピアンを交えてのグループワークに参加。北京オリンピックに出場した太田雄貴選手(フェンシング)、鈴木絵美子選手(シンクロナイズドスイミング)、中山由起枝選手(クレー射撃)など、15名のオリンピアンたちが、アスリートとしての心構えや日常練習での悩みなどについてアドバイス。受講生たちは、オリンピアンの生の声に真剣に耳を傾けていた。

そのほか、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の雑賀真事務次長から、2016年東京オリンピック招致について、開催計画の説明などが行われた。

研修の最後に、荒木田裕子JOC理事・アスリート専門委員会副委員長は、「研修初日の上村理事の話しにあったとおり、オリンピアンからも、毎日の練習の積み重ねが大事であると聞かされたと思う。ロンドンオリンピックや招致している2016年の東京オリンピックは、遠い目標かもしれないが、近い目標を設定してクリアしていくことで、遠くの目標に到達出来る。研修でいろんな話を聞いたと思うが、ぜひそれを引き出しの一つに入れて、たくさんの引き出しを持ち、広い視野で世界を見てほしい。そして皆さんを支えてくれている周りの人への感謝の気持ちを忘れずに、今後もがんばってほしい」と挨拶。2日間の研修を締めくくった

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