2023/11/27~2023/12/03
日本オリンピック委員会(JOC)は11月30日、オンラインで「第8回アスナビ選手研修会」を開催しました。
アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動を続けることのできる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに209社/団体、336名(2021年11月30日時点)の採用が決まりました。
本研修会はアスナビを通じて内定が決まっているアスリート2名、パラリンピックを目指すアスリート6名を含む33名の選手を対象に、アスナビ社会人アスリートとしての意識を高め、自分ができること、やるべきことを考えられるようになることに加え、参加した選手同士のネットワークづくりを目的に開催されました。
プログラムの開始に先立ち、司会進行を務めた鈴木統也JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターが、本日の研修の目的について「自ら価値を発揮するきっかけ」「横の繋がり」の2つを挙げた後、参加者全員が横の繋がりを意識した挨拶を行いました。
今回の研修会は2部構成で実施され、第1部では「先輩アスリート講話」として、アスナビを通じて2013年9月に阪神酒販株式会社に入社し、2013年日本陸上競技選手権大会(三段跳)で優勝した実績を持つ梶川洋平さんが登壇。梶川さんはアスナビ選手3名が所属している、アスリート社員で作られた事業部などで活躍しています。競技活動を引退した2016年以降も、元アスリートとして競技への関わりを持ち続け、社業と並行して執筆活動や大学での講義などアスリートの価値を高める活動を行なっています。
梶川さんはアスナビにより採用されたアスリートとして、現役中、引退後ともに「企業に価値を提供する」ことが大事であるとアドバイスしました。また、世界で活躍するといったスポーツの結果以外に、アスナビ社員は「会社内の一体感の醸成や、アスリートの価値を元にした事業を進めていく」といったことで価値を提供できると話し、そのための第一歩として「一般の社員と比べ出勤日数が少なく、コミュニケーションが足りないからこそ、積極的に上司、同期、後輩、他部署の人などと関わることで、自分たちの競技活動や引退後の業務がスムーズにいくことが多いです」と説明しました。
最後に「社内外でアスリートとしての活動があると人生が楽しくなってくるので、積極的に動いて、スポーツと一緒に人生を歩んで、楽しんで、そしてファンを増やしてみてください。そのことが後輩アスリートのためになってくると思います」とエールを送りました。
続く第2部では、参加者がグループに分かれて就職先企業での取組みを含む自己紹介を行った後、「アスナビ社員として企業にどう貢献できるのか? 〜今、何をするべきか? を考える〜」に関するワークショップを実施しました。対話テーマの「なぜ自社の事業を知る必要があるのか?」「なぜ自分や競技を知ってもらう必要があるのか?」「どのように自分や競技を知ってもらうか?」について、グループごとに書記役を変えながら対話を行い、グループで考えたことを全体で共有しました。個人ワークでは、グループワークで話し合ったことを踏まえて、各自が具体的にどんなことに挑戦したいかについて意見をまとめました。
最後に中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが「皆さんの役割は2つあります。業務と職務。業務はそれぞれの役割に応じた仕事。職務は共通に担う役割。この2つをしっかり意識して、アスリートならではの知恵を働かせて頑張っていただきたいと思います」と総括し、研修会を締めくくりました。