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大西卓哉宇宙飛行士が講演 令和元年度JOCインテグリティ教育事業「第1回自由参加型研修プログラム」を開催

カテゴリ:選手強化
2019.08.09
大西卓哉宇宙飛行士が講演 令和元年度JOCインテグリティ教育事業「第1回自由参加型研修プログラム」を開催
大西卓哉宇宙飛行士が講演

 日本オリンピック委員会は7月24日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で令和元年度JOCインテグリティ教育事業「第1回自由参加型研修プログラム」を開催しました。日本を代表する選手・指導者の資質向上を目的に行われ、各競技団体の選手・指導者、スタッフを含め120名が参加しました。

 本プログラムは2部構成で実施され、第1部では「宇宙飛行士のセルフマネジメント」と題し、特別講師に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉宇宙飛行士を招いて講演が行われました。宇宙飛行士とアスリートは、長期間に及ぶトレーニング期間を経て、多くの期待を一身に受けながら極限の状態で最高のパフォーマンスを発揮しないといけないなど、多くの共通点が見られることから今回の講演が実現しました。


大西卓哉宇宙飛行士が講演 令和元年度JOCインテグリティ教育事業「第1回自由参加型研修プログラム」を開催
115日間の宇宙滞在ミッションをはじめ、宇宙における危機管理、宇宙飛行に向けた訓練などをテーマに話した

 大西宇宙飛行士は2016年7月7日に宇宙船ソユーズで宇宙へと出発。国際宇宙ステーション(ISS)に115日間滞在し、数多くのミッションを成功に導きました。今回の講演で語られたのは、その約4カ月間の宇宙滞在ミッションを始め、宇宙における危機管理、宇宙飛行に向けた訓練、宇宙飛行士に求められるスキル。中でもアスリートにとって共感を得るテーマとなったのは、やはり宇宙飛行に向けた訓練でした。

 訓練の話に移る前にまず「宇宙における危機管理」について、安全を担保する上で最後の砦となるのは“人”である、と語った大西宇宙飛行士。しかし、どんなに優秀な人でも必ずミスをするもの、と付け加えると「ミスをする可能性を減らすためには徹底した訓練につきる。極限状態にまで鍛え上げることによってミスをする可能性を減らすことができますし、ミスした場合にも冷静に対処することができる。訓練でそういう力を養うことができます」と話しました。

 そして、「宇宙へ行くんだという1点のため」に7年間に及ぶ様々な訓練、トレーニングをクリア。その中で得た教訓が「訓練でできないことは本番でもできない」ということでした。自身の経験から、本番と同じつもりで臨むことが一番大事であり、真剣に臨んだ訓練ほど効果が高く出たことを述べると、例えミスをしたとしても「そこからどうリカバリーするか。リカバリーも含めて訓練でした」と振り返りました。また、アスリートにとってはライバルにヒントを与えることになり違和感があるかもしれないことを前置きしつつ、大西宇宙飛行士が訓練において一番重要だと感じたことは「失敗を経験し、それを仲間と共有すること」。これをすることで「相手もミスを話してくれるし、他の人の教訓を吸収することができ、自分ができなかった何倍もの経験をすることができる」と、その効果を話しました。


大西卓哉宇宙飛行士が講演 令和元年度JOCインテグリティ教育事業「第1回自由参加型研修プログラム」を開催
講演後、アスリートから多くの質問が寄せられた

 一方、そうした過酷な訓練を7年間耐え抜いた大西宇宙飛行士でしたが、それでも分からなかったことが「打ち上げ時の心境だった」と振り返ります。宇宙船打ち上げ時の自身の心境だけがどうしても想像できず、不安だったとのことですが、実際に当日の打ち上げカウントダウンを迎えると、「落ち着いて座席に座っている自分を見つけた」と大西宇宙飛行士。そうした心境になれたのも積み重ねてきた訓練の賜物であり、「打ち上げ時でも冷静に集中できる自分がいたのは、徹底した訓練のおかげだったと思います。7年間の訓練に感謝しました」と、その重要性を述べました。

 また、宇宙飛行士に求められるスキルの中で最も重要なものとして、「自己管理能力」だと教えられてきたと述べると、最後に「私たち宇宙飛行士も月から火星へのステージを目指して一歩一歩、もっともっと今の実力を高めていく必要がありますが、皆さんも1年後の東京オリンピック、もしくはもっとその先を見据えて今、ひとつひとつ小さな努力を積み重ねていると思います。その努力は必ずいつか結果に結びつくと思っています。私もいち国民として皆さんのご活躍を期待しております」とメッセージを送りました。

 なお、第2部では上田大介JOCインテグリティ教育ディレクターが講師を務め、「選手とソーシャルメディア」をテーマにSNSの活用方法などについて講義が行われました。





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