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JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施

カテゴリ:就職支援
2019.04.04
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
プレゼンを行った5選手。左から伊藤隆太選手、緒方良行選手、佐野義貴選手、橋駿人選手、右代啓欣選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
星野一朗JOC理事(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月12日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに176社/団体271名(2019年3月12日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会には18社24名が参加しました。

 最初に主催者を代表して星野一朗JOC理事が挨拶に立ち、説明会の前に味の素トレセンの施設見学をした参加企業の方へ、2008年に味の素トレセンが設立されるまでの経緯とコンセプト、さらに今年の7月を目標に建設中のNTC(ナショナルトレーニングセンター)拡充棟と呼ばれている新施設の紹介をしました。また、アスナビの制度に関して、「アスリートにとっては、競技を続けていくために企業・団体に経済的なサポートをいただくことだけでなく、皆さんに応援してもらえることも非常に大きな励みになっています」と話し、「過去のオリンピックでも、応援が選手の後押しになり、記録の更新や、今まで勝てなかった選手に勝てるようになったということを何度も見てきました」と、過去に採用されたアスリートの活躍について語りました。最後に参加企業に向けて、「本日は東京2020大会、2022年北京オリンピックでの活躍が期待される選手が登壇します。ぜひ選手たちの声を聞いていただき、お声がけいただければと思います」と、アスリートへの支援を呼びかけました。

 続いて、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、動画を用い、アスナビの概要と、過去にアスナビを通じて採用されたアスリートと採用企業の担当者のコメントを紹介。さらに資料をもとに夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技などを説明しました。また、アスリート採用後に企業が抱える応援体制作りなどの問題に対するJOCアスナビチームのサポート事例が語られました。


JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
2004年アテネオリンピックの女子バレーボールで5位に入賞した大山加奈さんが応援メッセージ(写真:アフロスポーツ)

 次に、2004年アテネオリンピックの女子バレーボールで5位に入賞した大山加奈さんが応援メッセージを送りました。高校卒業後から所属した企業での選手時代について、「当時は大きな工場の敷地内にある寮で暮らし、併設されている体育館で練習していました。寮と体育館の移動の際には、多くの社員の方と挨拶を交わし、また昼食も同じ社員食堂で取っていました」と、社員との交流を紹介。そして応援してくれた社員との思い出を、「社員の皆さんは私たちといつも同じ気持ちで戦ってくれ、どんな時でも応援してくれました。勝てば当たり前のように喜んでくれた社員の皆さんは、私たち選手にとって欠かせないチームメイトのような存在でした。怪我をして試合に出られない時に温かい言葉をかけてもらったことは本当にありがたかったですし、大きな勇気をもらいました」と、振り返りました。また、アスリートによる企業とスポーツの相乗効果について、「企業によってはパワーハラスメントやセクシャルハラスメントを気にするあまり、社員同士のコミュニケーションが希薄になっていると聞きます。それを変える力がスポーツにはあるのではないかと思っています。仲間であるアスリートを応援しようとする社員の皆さんのプラスのエネルギーは会社を活気づけてくれるはずです」と、アスリートと一緒に働くメリットをアピールしました。

 最後に、就職希望アスリート5名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介などで自身をアピールしました。


JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
右代啓欣選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
橋駿人選手(写真:アフロスポーツ)

■右代啓欣選手(陸上競技)
「私は陸上競技の十種競技をやっています。十種競技は2日間で10種目を行うことから、その運動量はフルマラソン約7回分と言われており、約20,000キロカロリーを消費します。そのため、普段から試合を想定して5〜6時間、日々限界を越えるトレーニングをしています。私の目標は日本選手権での優勝、世界選手権、オリンピックへの出場です。この目標を持ったのは日本記録保持者である兄の活躍する姿を見てきたのがきっかけです。今までは兄(右代啓祐選手)の背中を追ってきましたが、今度は自分が活躍する番だと思っています。これまでは大学の陸上部という守られた環境で競技を行ってきましたが、社会人になったら、競技だけでなく社業も両立して、社員の皆さんに応援いただける選手になれるように頑張りますので、採用のご検討よろしくお願いします」

■橋駿人選手(馬術)
「私は小学校5年生から馬術競技をはじめ、現在まで12年間、競技に没頭してきました。2017年からは国内で行われる国際大会に出場し、優勝が3回、国内の年間ランキングでは1位を取ることができました。2018年度は準優勝が2回あり、2004年以降、学生から出場がなかった全日本シニア選手権にも出場。4位に入りました。また、馬術を続ける中で、生き物が相手ということから予測不能なことが多く、問題に直面した際には即座に解決方法を見つけ、対応していく能力を身につけることができました。今後は国外での活動を希望しています。日本馬術連盟から合宿で派遣されて見てきた本場のヨーロッパでは、大きなレベルの違いを感じ、自分の実力、経験が不足しているのを痛感しました。同時にヨーロッパの環境でトレーニングしたいと思うようになりました。そのために企業の皆さまには採用していただくことで支援してもらえればと思います。大学卒業後は、会社の業務をしっかり行い、オリンピックや世界大会という舞台でも活躍できる日本人を代表する選手になりたいと思っています」


JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
伊藤隆太選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
緒方良行選手(写真:アフロスポーツ)

■伊藤隆太選手(ボブスレー)
「私にとってオリンピック出場は昔からの夢でした。学生時代は陸上競技をやっており、高校では強豪校に進学しました。しかし、思うような結果を残せませんでした。その後、進学した大学で教員免許を取得し、卒業後は小学校で4年間勤務していました。学校では子供たちに、私の体験談を通して、夢を持つこと、目標に向かって努力することの大切さを伝えてきました。そこで長年の夢であるオリンピック出場を叶えることができれば、子供たちに希望を与えられるのではと思い、再び競技にチャレンジする決意をしました。私は学校現場が中心となる社会経験を通じて、全体を把握する力、コミュニケーションスキル、リスク管理などを身につけてきました。加えて、学校現場からは定期的に講演会の依頼もあり、それらの場で企業宣伝をすることで貢献できるのではと思っています。2022年北京オリンピックは3年後に迫っています。私の夢を一緒に追いかけていただけますようよろしくお願いします」

■緒方良行選手(スポーツクライミング)
「私は小学5年生の時にスポーツクライミングに出会いました。難しいコースを登りきった時の達成感に魅せられ夢中になりました。今は東京2020大会出場を目標としてトレーニングしています。オリンピック出場は幼少時代からの目標であり、スポーツクライミングが新競技として採用されたことを非常に嬉しく思っています。競技力向上や大会での活躍を目指す上では、自身のパフォーマンスに集中することが必要不可欠です。私は10年以上の競技生活を通じて、集中力を磨いてきました。練習中や競技中も周りに流されることなく、高い集中力を維持することができます。また競技前には、頭の中でどのように登るか考えなければなりません。そのため思考力や創造性、計画性が重要となります。これら幼少の頃から鍛えてきた長所は、競技だけでなく、業務の中でも生かせると思います。ぜひ私を採用してください。どうぞよろしくお願いします」


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佐野義貴選手(写真:アフロスポーツ)

■佐野義貴選手(パラ・パワーリフティング)
「私は幼い頃から高校生まで甲子園出場とプロ野球を目標に野球一筋でやってきました。しかし、高校3年生の時に交通事故に合い車椅子生活になりました。入院していた時、ある看護師さんから車椅子でもスポーツができると聞いたのをきっかけに、車椅子バスケットボール、車椅子陸上をやっていました。車椅子陸上では砲丸投げで当時の日本記録もマークしたのですが、夢を追いかけたいという気持ちから、パラリンピックを目指す決意をしました。そこで自分に合った競技を探していた結果、学生時代から筋力トレーニングを行っていたこともあり、パラ・パワーリフティングに転向しました。私は50歳ですが、年齢に関係なく記録が伸びる競技なので、体が続く限り頑張りたいと思っています。また現在、競技以外の活動として、小学校の授業の一環で行われている体験授業や、各地域でのイベントに参加しています。これらの活動は採用企業にとってもメリットになると思っています。野球で培った闘争心、精神力、集中力、根性で、仕事と競技を両立する覚悟でいます。ご検討よろしくお願いします」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。





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