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「JOC加盟団体会長会議」を開催

カテゴリ:その他活動
2018.11.13
「JOC加盟団体会長会議」を開催
「JOC加盟団体会長会議」を開催(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は11月7日、「JOC加盟団体会長会議」を開催しました。本会議は、加盟団体の健全かつ適正な組織運営の確保のため、スポーツ界のガバナンス(企業統治)の確立とコンプライアンス(法令遵守)違反の徹底防止を目的に、加盟団体の会長とともに、スポーツ・インテグリティについて考える機会として実施。本会正加盟団体会長、本会役職員など115名が参加しました。


「JOC加盟団体会長会議」を開催
竹田恆和JOC会長(写真:フォート・キシモト)

 最初に開会の挨拶に立った竹田恆和JOC会長は、東京2020大会まで残り2年となった今年、2月の平昌オリンピックの勢いを受けて、8月のジャカルタ・パレンバンアジア大会、10月のブエノスアイレスユースオリンピックといずれも過去最高の成績を収めたことから、「チームジャパンとして、東京2020大会に向けて競技力が間違いなく向上していることを確信しています」と期待感を述べました。しかし一方で、スポーツ界で不祥事が立て続けに起きたことは「大きな問題であり、誠に遺憾なことであると思います」と、本会議開催の目的を説明。そして、「一部の選手、役員の愚かな行動によって全てが否定されかねないほど、スポーツが傷つき、そしてスポーツの価値を失墜させ、どれほどスポーツ界への信頼を裏切ることになったのか、我々は深く、深く反省しなければならない」と、スポーツ界全体としての反省の意を示し、「ガバナンスの確立、コンプライアンスの徹底によって国民に信頼され、開かれたスポーツ界として社会的責任を果たしていかなければいけません。各競技団体におかれましては、東京2020大会に向けて危機感を持って、組織のガバナンスの確立とコンプライアンスの徹底を強くお願い申し上げたいと思います」と呼びかけました。


「JOC加盟団体会長会議」を開催
鈴木大地スポーツ庁長官(写真:フォート・キシモト)

 次に「スポーツ・インテグリティの確保のために」と題し、鈴木大地スポーツ庁長官が講話を行いました。
鈴木長官はまず、インテグリティ(高潔性)の概念をはじめ、今のスポーツ界に問われているのは組織のガバナンスの欠如・不全ではないかという現状認識を共有。その上で、国内競技団体(NF)、JOC・日本スポーツ協会・日本障がい者スポーツ協会などの統括団体、国・日本スポーツ振興センターといった組織が果たすべき役割について説明しました。スポーツ議員連盟など国によるスポーツ団体への関与を強くするべきという議論があることも紹介した鈴木長官は「競技団体、統括団体がインテグリティ確保のためにしっかり取り組んでいただければ、国が出てくる必要はありません。スポーツ界の自治、独立はやはり守られるべきで、極力、国の関与がない方がいいと思っております。統括団体、競技団体の皆さまにはインテグリティの確保を改めましてお願いいたします」と締めくくりました。


「JOC加盟団体会長会議」を開催
山口香JOC理事(写真:フォート・キシモト)

 続いて、山口香JOC理事が「スポーツを取り巻く環境について」をテーマに講話を行いました。
 スポーツ界における組織は、異なる考え・価値観を受け入れにくい土壌があるのではないかという問題に対し、1988年ソウルオリンピックの柔道女子52kg級銅メダリストでもある山口理事は、柔道とともに歩んできた自身の経験を例に挙げて「全日本柔道連盟も大きく改革を迫られましたが、理事、委員に女性が入ってきたことが大きい。それは女性でなくてもいいが、違う意見を言える人、違う価値観を持てる人たちが物を言える環境にならないと、その組織は変わっていかない」と指摘。また、国際競技力が高い柔道ですら、競技人口が年々減少している事実に対し非常に危機感を持っていると述べた山口理事は「普及と強化は別立て。新しいスポーツ界を考えていかなければいけないし、これからは若い人たちに引き継ぐためのスポーツ界にしていかなければいけないと思っています。安心、安全に、そして末永く楽しんで、親しんでいただけるようなスポーツ界にしていくためには何が必要なのかを考えていただきたい」と呼びかけると、各競技団体には覚悟を持って進めてほしいと話し、この講話を締めくくりました。


「JOC加盟団体会長会議」を開催
NF総合支援センター室(ペリージョンソンホールディングス)シニアコンサルタントの高橋睦雄氏(写真:フォート・キシモト)
「JOC加盟団体会長会議」を開催
本会正加盟団体会長、本会役職員など115名が参加(写真:フォート・キシモト)

 次に、「NFが果たすべき社会的責任−ガバナンス・コンプライアンス−」をテーマに、NF総合支援センター室(ペリージョンソンホールディングス)シニアコンサルタントの高橋睦雄氏が講義を行いました。
 ここでは、ある企業が起こした社会的問題の例はスポーツ界にも当てはまるとし、社会的責任を果たせないNFに対して想定されるリスクの種類、法律上における理事・監事・評議員の責任、NFが整備すべきガバナンス7原則、また、営利企業から学ぶ事業の変革などについて説明。それらを踏まえた上で高橋氏は「NFが社会的責任を果たすために、皆さま方が会長職の重要性について自覚と認識を新たにされ、強いリーダーシップとマネジメントを発揮していただき、有効なガバナンス、有効なコンプライアンスを構築されることを祈念いたしております」と伝えました。

 講義の後は情報共有、意見交換が行われ、今年起こったスポーツ界の問題について各NFから様々な情報、意見が寄せられるなど、活発な議論が交わされました。そして、最後に竹田会長が総括として「東京2020大会まで2年を切っている中、スポーツ界でこのような問題が二度と起きないように皆さま方には強いリーダーシップをとって、健全で高潔な選手、指導者を育てていただきたい。ぜひ、ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、資質を高めるための努力を引き続きお願い申し上げます」と述べ、会議を締めくくりました。





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