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「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催、99名がオリンピックの価値を学ぶ

カテゴリ:その他活動
2018.04.02
「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催、99名がオリンピックの価値を学ぶ
「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月17日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「JOCオリンピアン研修会」を開催しました。

 この研修会はJOCアスリート委員会が中心となって行っているもので、オリンピアン自身がオリンピズムやオリンピックの価値をあらためて学び、アスリート間のネットワーク構築を進めることにより、オリンピック・ムーブメント事業への積極的な参加を促すとともにアスリート自身の今後の活躍に役立てることを目的としています。昨年6月の仙台、同12月の大阪に続き、今年度最後の開催となった東京会場には、オリンピアン、パラリンピアン、加盟団体推薦枠合わせて99名が参加しました。


「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催、99名がオリンピックの価値を学ぶ
寺尾悟JOCアスリート委員が参加者を代表してあいさつ(写真:フォート・キシモト)
「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催、99名がオリンピックの価値を学ぶ
オリンピアン研修会の意義について講演した兼松由香さん(写真:フォート・キシモト)

■オリンピアン研修会の意義

 千田健太JOCアスリート委員の司会のもと、最初に参加者を代表してJOCアスリート委員会の寺尾悟委員が「次は2020年の東京、2022年の北京と、アジアでのオリンピック・パラリンピックが続いていきます。これは皆さんにとっても大きなキャリアのチャンスだと思います。今は東京2020大会に向けて追い風だと思いますが、これが定着していけば、オリンピック・ムーブメントはスタンダードになっていくと思いますので、ぜひ皆さんにご協力いただきたいと思います」とあいさつ。そして、「2020年に向けて自分が何ができるかということを皆さんで一緒に考えていき、我々が成功させるという強い気持ちで取り組んでいきたいと思います」と述べました。

 出席者同士の自己紹介に続いて、2016年リオデジャネイロオリンピックに出場したラグビーフットボール女子の元日本代表、兼松由香さんがオリンピアン研修会の意義について講演を行いました。
 16年12月に名古屋で行われたオリンピアン研修会に参加し「すごく人生が変わった」という兼松さん。リオ大会で初めてオリンピックに出場したラグビー女子日本代表でしたが、その当時は「金メダルのことだけを考えており、オリンピックの意義は全く考えていませんでした」と振り返りました。しかし、小学校の講師に戻った後、子供たちにオリンピックまでの道のりを題材に授業をしたことをきっかけに「私は国語や算数では教えられない貴重な体験をさせてもらった。結果は10位だったけど、子供たちに伝えられることは他にもあるのではないか」と気づき、オリンピアン研修会に参加。研修会でオリンピックの意義、価値などを教わった兼松さんは、オリンピックに関してさらに深く学ぶために大学院に進学し、現在はスポーツ史、日本女子ラグビーの歴史などを研究しているとのことです。
 最後に兼松さんは自身の経験から、オリンピアン研修会の意義として「オリンピアンがオリンピアンになるために」「オリンピアンがオリンピアンであるために」「オリンピアンがオリンピアンを育むために」の3つを挙げました。


「平成29年度第3回JOCオリンピアン研修会」を開催、99名がオリンピックの価値を学ぶ
中京大学の來田享子教授(写真:フォート・キシモト)
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フェリス女学院大学の和田浩一教授(上)、JOCアスリート委員会オブザーバーの田口亜希さん(写真:フォート・キシモト)

■オリンピック・アジェンダ2020について

 次に、研修会に初めて参加したアスリートと、複数回参加のアスリートに分かれ、それぞれ講義が行われました。

 複数回参加のアスリートに向けては、中京大学の來田享子教授が「オリンピック・アジェンダ2020について」をテーマに講義。最新のオリンピック・ムーブメントの方針について知識を得て、オリンピアンの社会的役割を考えることをねらいとし、「近代オリンピックの父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタンの意図や、国際オリンピック委員会(IOC)が提唱するオリンピックの価値、オリンピック憲章の憲法的性格、アジェンダ2020の全体像から理解できるオリンピック・ムーブメントの方針などを、スライドや映像などをもとに解説しました。
 これらの内容を踏まえ、來田教授は「今、IOCはアスリートによる社会貢献活動にものすごく注目しています。それは世界だけじゃなくて、日本でもそうです。私が情報提供させていただいたことを、自分の経験と混ぜ合わせながら生かせるような形を考えていただけたらと思います。知識だけでは役に立ちません。自分の言葉にすること、それが一番大事だと思います」とアドバイスを送りました。

 一方、研修会初参加のアスリートには、フェリス女学院大学の和田浩一教授がオリンピアンの誇り、オリンピックについての基本的な考え方について講義し、続けて、JOCアスリート委員会オブザーバーの田口亜希さんがパラリンピックの基礎知識などを紹介しました。


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オリンピック・ムーブメントアンバサダーの伊藤華英さんがJOCのオリンピック・ムーブメント事業を紹介(写真:フォート・キシモト)
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東京2020組織委員会の小倉大地雄さん(写真:フォート・キシモト)

■東京2020組織委員会の取り組み

 午後の最初のプログラムでは、オリンピック・ムーブメントアンバサダーの伊藤華英さんが、オリンピックデーラン、オリンピック教室などの「ハローオリンピズム事業」や、オリンピックコンサート、スポーツ祭り、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ! ニッポン!」プロジェクトの一環として実施している「オリンピックデー・フェスタ」など、JOCが行っているオリンピック・ムーブメント事業の活動内容を紹介。続いて、オリンピック・ムーブメントの発信拠点となり、ムーブメントの持続可能性を追求する施設として2019年9月にオープンが予定されている「日本オリンピックミュージアム」の概要、発信する情報、展示物などについて、JOCオリンピック・ムーブメント推進部の柳谷直哉部長が説明しました。

 次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)が、同委員会の取り組みを紹介。東京2020組織委員会の職員でもある伊藤さんが引き続き登壇し、東京2020大会のビジョン『スポーツには世界と未来を変える力がある』をもとに、大会の概要、飲食・セキュリティ・輸送をはじめとした準備状況などを解説。それらを踏まえ、伊藤さんは「ぜひ皆さんで東京2020大会、それ以降のオリンピック、パラリンピックも作っていけるようなアスリートのチームワークで頑張っていきたいと思います」と述べました。
 続いて、同委員会広報局の井戸愛さんが東京2020大会のマスコットについて、公募や投票の経緯を説明。また、同委員会国際局の奥山小百合さん、川ア麻衣子さんは、東京2020大会の約5000個の金・銀・銅メダルを全国各地から集めた小型家電・リサイクル金属で作る国民参画型プロジェクト『都市鉱山から作る!みんなのメダルプロジェクト』の概要を解説しました。
 そして、同委員会からのまとめとして広報局の小倉大地雄さんは「アスリートの皆さんには当事者として、今得られた情報を活用して東京2020大会がどういうものになるのかを、地元の子供たちや様々な講演の機会でぜひ伝えていただけると嬉しいです」と参加者に呼びかけました。


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各班が東京2020大会成功に向けてのアイデアを発表(写真:フォート・キシモト)
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中村知春JOCアスリート委員が閉会のあいさつ(写真:フォート・キシモト)

■東京2020大会成功に向けて何ができるか

 最後に、この日の研修会で学んだことの総括として「東京2020大会成功に向けてオリンピアンができること」をテーマにグループディスカッションを実施。中村知春JOCアスリート委員がコーディネーターを務め、参加者たちは10班に分かれて「競技」「企業」「会場」「メディア」「イベント」「テクノロジー」「自治体」をキーワードに、オリンピアン・パラリピアンとして何ができるかを活発に議論しました。
 発表では、「復興オリンピック」「地域活性化」「365日オリンピアン・パラリンピアン」「体験できるオリンピック」など、自身の経験を反映した様々な意見・アイデアが紹介され、その中でも「地域・地方」「アスリートを身近に感じる距離感」「オリンピアン・パラリピアン同士のつながり」をテーマにしたアイデアが各班から多く挙がりました。

 全プログラム修了後、中村委員が閉会のあいさつに立ち、「東京2020大会に向けて、皆さんがぜひ行動に移していただいて、オリンピック・ムーブメントを地方へ繋げる、伝える架け橋になっていただければと思います」と述べ、今年度最後のオリンピアン研修会を締めくくりました。





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