第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)のトランポリン競技は27日、名古屋市総合体育館(レインボーホール)で男女個人の予選、決勝(8名による1本勝負)、スーパーファイナル(決勝上位4名による1本勝負)が行われ、女子で森ひかるが56.88点を叩き出して金メダルを獲得。宇山芽紅が56.58点で銀メダルに輝き、日本勢初となるアジア大会でのワンツーフィニッシュを成し遂げた。
決勝の上位4名で争うスーパーファイナルで、森は「それまでの3本は固くなって楽しめていなかったが、最後の1本は自分納得のいく心構えで攻め切れた」と話し、高い滞空時間と切れ味鋭い技の完成度で首位に浮上。最終演技者として登場した宇山も「直前の森選手の好演技に乗っかる気持ちで自分に集中した」と渾身の演技を披露し、見事にワンツーフィニッシュを決めた。競技終了後、結果が表示されると二人は抱き合い、日本国旗をともに掲げて満開の笑顔で客席の手を振りながら会場を一周。詰めかけた満員の観客から惜しみない拍手と大歓声が送られた。
イギリスに拠点を移し「笑顔で楽しむことの大切さ」を学んだ森は、「日本史上初となる金メダルの響きがすごく嬉しい。大観衆の応援が大きな力になった」と喜びを口にした。一方、これまで主要国際大会で4位や5位に甘んじることが多かった宇山も、「やっと壁を突破できた。昔からシンクロを組んできた森選手と一緒に表彰台に立てて最高」と晴れやかな表情を見せた。
また、男子では松本悠生が予選・決勝を突破してスーパーファイナルに進出。決勝直前のアップで両ふくらはぎが強烈に攣るアクシデントに見舞われ、35.51点での4位となり悔し涙をのんだが「会場の応援が力になった」と前を向いた。岸大貴も予選で巧みに構成を落として決勝進出を果たし、55.66点で6位入賞。日本代表4選手全員が8位以内入賞を果たす快挙となった。
■試合後のコメント(ミックスゾーンより)
森ひかる
「(日本勢初となる金メダル獲得に)素直に嬉しい。最初の3本(予選2本、決勝1本)はプレッシャーから固くなって自分のペースを掴めていなかったが、最後のスーパーファイナルでは『このまま終わりたくない、自分の納得のいく演技をしよう』と集中できた。イギリスで『笑顔で楽しむこと』を学び、自分らしく飛べたことが結果に繋がった。2019年の世界選手権で味わった超満員の歓声を、この自国開催の舞台で最後にもう一度見ることができて本当に幸せだった」
宇山芽紅
「スーパーファイナルでは直前の森選手が良い演技をしたのが分かったので、その勢いに乗っかる気持ちでとにかく自分に集中した。決勝では力みすぎてタイミングがずれて焦る場面もあったが、どんな状況でも10本通せる強みが活きた。今までワールドカップやオリンピック、アジア大会など国際大会の個人では4位や5位が多く、なかなかメダルの壁を越えられなかったので、ここで一つ殻を破れたのが嬉しい。シンクロも一緒に組んできた森選手とワンツーをとれて、一緒に国旗を持って回れたのはすごく感慨深かった」
松本悠生
「金メダルを目指してきたので最後力を出し切れず本当に悔しい。8月に頭から落下する事故をして脳震盪になり、なかなか思い通り体が戻らなかったが、多くの方の支えでこの舞台に立てた。絶好調で挑んだが、決勝直前のアップで両ふくらはぎが激しく攣ってしまい、最後(スーパーファイナル)は攣ったまま落ちてしまった。全力を出し切れなかった悔しさは残るが、会場からの大声援は直接自分のパワーになった」
岸大貴
「油断なく最後まで気を引き締めて挑んだが、目標にしていた納得のいく演技を家族や仲間、所属の方々に見せることができず悔しい気持ちでいっぱい。東京2020オリンピックのときは無観客だったが、今回は自国開催でたくさんの人が見にきてくれて大きな声援をくれた。その中で演技ができたことは競技者として本当に幸せだった」
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