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2026.10.14 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:9月11日企業説明会を実施

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登壇してプレゼンを行ったアスリートたち(写真:フォート・キシモト)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は9月11日、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)ウエストで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまで252社/団体460名(2026年9月11日時点)の採用が決まりました。今回の説明会ではJOC主催のもと、7社11名(うち2社2名はオンライン参加)が参加しました。

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柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター(写真:フォート・キシモト)

 はじめに柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがアスナビの概要を、スライド資料をもとに紹介。アスナビが無料職業紹介事業であることや登録するトップアスリートの概略のほか、就職実績、雇用条件、採用のポイント、アスリート活用のポイント、カスタマーサポートなどを説明しました。

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企業採用事例を紹介するあいおいニッセイ同和損害保険株式会社 広報部 コーポレートスポーツ・コミュニケーショングループ 青木智美氏(写真:フォート・キシモト)

 続いて、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 広報部 コーポレートスポーツ・コミュニケーショングループ 青木智美氏による採用事例紹介が行われました。はじめに、自身が競泳日本代表としてアスナビを通じ同社に入社した経験から、みなし勤務制度による練習環境の確保や「職場からの温かい応援が力になった」というアスリート視点での体験を紹介。さらに、同社における20名以上のアスリート社員の雇用事例に触れ、身近な選手の挑戦が社員のエンゲージメント向上や社内活性化をもたらすこと、また全国の支店と自治体との連携による講演やスポーツ体験活動を通じた地域・社会貢献など、企業側にとっても単なる広告効果を超えた価値が生まれている現状を語りました。最後に「企業とアスリートが一緒に価値を作る、Win-Winな関係性こそがアスリート採用の良さである」とまとめ、自身の経験をもとに企業とアスリートが共に成長するための示唆に富むメッセージで締めくくりました。

 その後、就職希望アスリート5名がプレゼンテーションを実施。映像での競技紹介やスピーチで、自身をアピールしました。

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杉本志功選手(写真:フォート・キシモト)

⬛︎杉本志功選手(スキー/スノーボード・パラレル大回転)
「時速80キロ、凍りつく雪面の上を1本の板の上に立ち切り裂き、勝敗を分けるのはわずか0.01秒です。これが私の行っているアルペンスノーボードの世界です。
そして今、この競技には最大の追い風が吹いています。今年7月、フランスアルプス2030冬季大会に向けて男女混合ペアレースが正式種目として追加されることが決定しました。この種目は私が世界ジュニア選手権で日本人として初めて優勝した種目です。次はオリンピックという最高の舞台で初代王者として新たな熱狂を生み出すために、全てをかけて取り組んでいきます。そしてその挑戦をぜひ皆様のチームの一員として達成したいと強く願っています。
私の最大の強みは、スノーボードが大好きだという純粋な情熱です。この情熱のもと、競技生活を通して自力で道を切り開く推進力を培ってきました。
私は生まれてから高校まで日本の夏を経験したことがありません。なぜなら、日本が夏の時期にはニュージーランドの現地校に通い、1年中雪を追いかけ続ける生活をしてきたからです。言語の壁にぶつかる時や文化の違いに戸惑う場面も多くありましたが、この情熱から乗り越えてきました。そして、この経験を通じて語学力はもちろん、どんな環境でも適応する力を身につけてきました。
高校2年生の秋には単身でヨーロッパ遠征に行き、自力で交渉しながら海外選手との練習環境を切り開いてきました。そして、その積み重ねによって、現在は海外のトップ選手と共に練習し、共にワールドカップで戦っています。
皆さまにとって私が世界に挑み続ける姿そのものを日々の活力にしていただくこと、困難に立ち向かう姿から前向きな刺激を生み出し、世界に挑む瞬間には会社全体が一つとなれる、そんな存在として会社の一体感や挑戦する風土作りに全力で貢献します。
世界一への挑戦を、ぜひ御社の皆様もチームの一員として挑戦したい、御社の看板を背負い、共にオリンピックに挑ませてください」

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山名里奈選手(写真:フォート・キシモト)

⬛︎山名里奈選手(スケート/ショートトラック)
「私が初めて氷の上に立ったのは5歳の時です。氷の上でできることが増えていくことが楽しくて夢中になり、小学校3年生で本格的に競技を始めました。
大きな転機となったのは、高校3年生で出場した世界ジュニア選手権大会です。初めての国際大会でメダルを手にした瞬間、『もっと速くなりたい』と思うようになりました。そこから競技を続けていく中で、ワールドツアーやユニバーシアードなど、たくさんの国際大会を経験させていただきました。
一昨年のワールドツアーでは1500mで4位入賞、日本記録を更新することもできました。世界のトップと競り合う中で、さらなる高みを目指す覚悟も決まりました。現在は、4年後のフランスアルプス2030大会でのメダル獲得を目標として競技を続けています。この目標を達成するために、私は常に映像からライバルの動向や自分のスケーティングの癖を研究し尽くす『分析の徹底』を大切にしています。
私が競技生活の中で一番大切にしていることは、自分の武器を研ぎ澄ますことです。ショートトラックは接触や転倒も多い過酷な競技です。自分の弱みに萎縮せず、強みである粘り強い滑りと冷静なレース運びを信じ抜くことで、逆境を跳ね返してきました。これらの経験から得たものは、分析力、判断力、そして不屈の忍耐力です。これらの力は競技だけでなく、ビジネスというフィールドにおいても、必ず企業の発展に貢献できると信じています。
もしご縁をいただき、御社の一員にお迎えいただきましたら、スポーツを通じて社員の皆さまに活力を届けるだけではなく、アスリートならではの粘り抜く力を発揮し、企業の発展に貢献していきたいと思っております」

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馬場俊輔選手(写真:フォート・キシモト)

⬛︎馬場俊輔選手(フェンシング・フルーレ)
「私がフェンシングに出会ったのは小学1年生の時でした。父の熱心な勧めにより、姉の背中を追う形で競技を始めました。様々なクラブチームや高校での練習を積み重ね、高校1年生の時にJOCジュニアオリンピックカップU17の部門で優勝しました。
しかし、大学入学後は、新型コロナウイルスの影響で環境が変わり、大会でも納得できる成績を残すことができませんでした。競技を始めた時からの夢であるオリンピックでの金メダル獲得が、段々と非現実的なものに思えてきました。そうした中で、ナショナルチームで左利きのスパーリングパートナーが必要ということで、代表合宿に参加する機会をいただきました。その後、全日本学生選手権で優勝したことも評価され、ワールドカップ出場というチャンスを得ることができました。結果は日本人の中でも上位に食い込み、自分の中でもコーチの中でも評価が変わったことを感じました。これをきっかけに、日本代表としての生活が本格的に始まりました。昨年は、自身初の世界選手権の出場も経験しました。夢であったオリンピックでのメダル獲得が、現実的なものに変わっていきました。
パリ2024大会ではスパーリングパートナーとして帯同し、チームメイトの金メダル優勝を現地で見届けました。心から祝福する気持ちの反面、その表彰台に自分がいないことへのやるせない気持ちがありました。次のオリンピックの舞台で金メダルを持っているのは自分だと信じて、ロサンゼルス2028大会、ブリスベン2032大会での金メダル獲得を目標に練習に励んでいます。
私がその目標を達成するために大切にしていることは、課題を発見することです。試合中も常に細かい分析をし続け、次の得点に向けての調整を行っています。私は、現状を客観的な視点から把握し、ミスを未然に防ぐこと、早急に原因対処することを競技で培いました。
ご縁をいただいた際には、アスリートならではの視点から現状の改善案を提示し、競技では他社員の皆さまを活気付けられるように努めます」

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山﨑優風選手(写真:フォート・キシモト)

⬛︎山﨑優風選手(スキー/クロスカントリー)
「私がクロスカントリースキーに出会ったのは5歳で、姉が始めたことをきっかけに、私もスキーの世界に飛び込みました。そして今日まで、クロスカントリースキーによって様々な感情に触れてきました。
中学3年生で出場した全国大会では、緊張して『心臓が口から飛び出しそう』という言葉の意味を実感しました。そして、その中でも優勝することができたのは私にとって忘れられない経験になりました。
高校2年生で初めて、ノルウェーで開催されたジュニア世界選手権大会に出場した際には、思うような結果を出すことができず、世界との差を痛感しました。しかし、『同じ人間なのだから私にだってできるはずだ』と思い直し、この大会をきっかけに、私も世界で活躍する選手になりたいという気持ちが定まりました。
また、高校3年生のインターハイでは、リレーのアンカーを任せていただき、6連覇する瞬間をゴールで待ち続けてくれたチームメイトの姿を見たとき、『今まで頑張ってきて本当に良かった』と心の底から感じました。
今、私は大好きなクロスカントリースキーで、世界で活躍する選手になるために、最後までやり抜くことを大切にしています。練習日誌を書くこと、掃除をすること、ストレッチをすること、これらは私が幼い頃から毎日続けてきたことです。どんなに小さなことでも毎日積み重ねることによって、自分にとっての大きな自信へとつなげてきました。
自身の強みを最大限に発揮した結果、大学2年生ではアジア大会のリレーで銅メダル獲得、そして昨シーズンは3年ぶりとなるU23世界選手権大会に出場することができました。しかし、ここに来るまでの過程で、怪我も、成績が振るわないこともありました。ここまで続けてくることができたのは、たくさん応援してくださる方々がいたからです。
『諦めずに頑張っていれば、必ずいいことがある』ということを私がオリンピックに行って証明したいです。そして、競技で培った継続力を社会でも活かし、応援してくださる方々へ感謝の気持ちを結果で示すとともに、選手としても社会人としても成長していきたいです」

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福田光選手(写真:フォート・キシモト)

⬛︎福田光選手(バイアスロン)
「これまで9年間、自衛隊体育学校に所属し競技に取り組んでまいりました。今年度よりフランスアルプス2030冬季大会出場を目標に、新たな環境で挑戦するため、自衛隊を退職しフリーの選手として活動することを決断いたしました。
バイアスロンはクロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた特殊な競技です。ライフルと実弾を扱うという特殊性から日本のトップアスリートは自衛隊に所属しています。個人で第一線の選手として活動してきた選手は、前例がありません。しかし、一度きりの人生、前例がないからと諦めるのではなく、自分自身で道を切り開き、挑戦を続けていきたいと思い決断いたしました。
これまで9年間、第一線で競技を続ける中で、思うように結果が出ない時期や、苦しい状況に何度も直面してきました。その中でも課題を明確にし、自分自身と向き合いながら一つ一つ課題を克服してきました。苦しい状況でも冷静に判断し、最後までやり抜く力を身につけることができたと思います。
また、競技活動だけでなく自衛官としての教育も受け、規律の厳しい環境で業務に従事してきました。今後はアスリートとして結果を残すことはもちろん、これまで培ってきた経験を活かし企業の力になれるよう努力してまいります。また、未経験の分野にも積極的に挑戦し、競技を通してだけでなく社会に貢献できるような人材に成長したいです。競技と業務を両立しながらではありますが新しいことを柔軟に吸収し、頂いた業務を責任もって遂行することお約束をいたします。
バイアスロンは競技人口が少なく知名度は未だ低いですが、これまで公務員という立場では難しかったSNSでの発信などにも積極的に取り組み、私が第一線の選手として活動することで、魅力に溢れた競技だということをより多くの方々に知っていただくきっかけになればと思っております。どんな形であっても、応援していただけることが私にとって大きな力となります。皆さまからいただいたご支援や、ご縁を力に変えて『福田光を応援してよかった』と思ってもらえる選手になりたいです」

 プレゼンテーション終了後、登壇した就職希望アスリートによる座談会を実施。柴JOCキャリアアカデミー事業ディレクターの進行のもと、周囲から見た自身の印象や、参加企業の方々を自身の競技観戦に誘うデモンストレーションなどが行われました。説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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