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2026.09.01 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:8月20日企業説明会を実施

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登壇してプレゼンを行ったアスリートたち(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は7月23日、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)ウエストで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料就業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまで253社/団体461名(2026年8月20日時点)の採用が決まりました。今回の説明会ではJOC主催のもと、7社12名が参加しました。

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柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター(写真:アフロスポーツ)

 はじめに柴真樹JOCキャリアカデミー事業ディレクターがアスナビの概要を、スライド資料をもとに紹介。アスナビが無料職業紹介事業であることや登録するトップアスリートの概略のほか、就職実績、雇用条件、採用のポイント、アスリート活用のポイント、カスタマーサポートなどを説明しました。

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伊藤華英氏(写真:アフロスポーツ)

 続いて、北京2008大会、ロンドン2012大会に出場した伊藤華英氏(水泳/競泳)によるオリンピアン講話が行われました。はじめに、伊藤氏は、現役時代のデュアルキャリアの実践や、引退後の大学院進学、組織委員会勤務などの経験を振り返りながら、アスリートのキャリア形成や採用のポイントについて語りました。アスリート採用において重要なのは、「一人の社員として育てる」という視点を持つことだと説明。「アスリートにはレジリエンスや自己コントロール力、限界まで努力する強みがあります。これらを仕事の力へ変換できるよう、言うべきことはしっかりと伝え、社内のルールや理念、目標を共有して長期的な視点で育てていくことが大切です。競技生活の間からコミュニケーションを重ね、ご自身にも考えさせる時間を与えることで、引退後に会社の戦力となる人材へと成長します」と語りました。さらに、「アスリートは社員同士をつなぎ、挑戦する文化を作り、将来の企業を支える存在になれる可能性を持っています。アスリートの持つ爽やかなイメージや一生懸命さによる社会的インパクトを感じていただき、企業の成長とアスリートの成長で『ともに幸せ』になれる関係を目指してほしい」と語りかけ、参加企業に対してアスリート採用の可能性と積極的な関わりを呼びかけました。

 その後、就職希望アスリート7名がプレゼンテーションを実施。映像での競技紹介やスピーチで、自身をアピールしました。

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新開誠也選手(写真:アフロスポーツ)

■新開誠也選手(水泳/競泳)
「私は3歳から水泳を始めました。中学時代には全国大会で入賞を重ね、国体優勝を目標に競技に向き合っていました。しかし、高校1年生の時、新型コロナウイルスの影響により、地元・鹿児島で開催予定だった国体が延期となり、大きな喪失感を味わいました。その経験を通して、私はただ結果だけを追うのではなく、『どうすれば成長できるのか』を考えながら競技に向き合うようになりました。
競技のことだけでなく、生活習慣や身体づくりにまで改善を重ね、競技力向上に取り組みました。その結果、高校3年時にはジュニアパンパシフィック選手権の日本代表に選出され、200mバタフライで4位入賞を果たしました。また同年に行われた栃木国体では200mバタフライで優勝し、自身初となる全国大会優勝を果たすことができました。
現在は早稲田大学水泳部で主将を務めています。競泳は個人競技ですが、大学での経験を通して、チームで戦うことの難しさや、人と向き合うことの大切さを強く実感しています。また、大学では、2年次から3年次の終わりまで勧誘担当として、高校生や保護者の方とも積極的にコミュニケーションを取りながら、見学対応や進路相談、受験支援まで幅広く行ってきました。一人ひとりの目標や不安に寄り添うことで、信頼関係を築くことができたと実感しております。
競技人生を通して私は、目標に向かって努力を継続する力だけでなく、相手に寄り添い、信頼関係を築く力を培ってきました。現在の私の最大の目標は、2年後のロサンゼルス2028大会の代表権を獲得することです。決して簡単な挑戦ではありませんが、これまで何度も壁にぶつかりながらも、一つひとつ乗り越えてきました。
だからこそ今後も、競技者としても、人としても成長を続けながら、自分自身の可能性に挑戦し続けたいと考えています」

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木村心春選手(写真:アフロスポーツ)

■木村心春選手(体操/トランポリン)
「私は、大阪府大阪市で生まれ、3歳から地元のクラブチームでトランポリン競技に取り組んでいました。
より良い環境で競技を続け、世界で戦える選手になりたいという思いから、中学生の時に母親と石川県金沢市へ移住し、トランポリン強豪チームである星稜クラブの一員となりました。中学生で慣れた環境を離れて新しい環境で競技に向き合うことは、簡単なことではありませんでしたが、自分で決めた道だからこそ、覚悟を持って日々の生活や練習に取り組んできました。
私は、競技を始めてから18年間、一度も長期離脱となる怪我をしたことがありません。日々の体調管理やコンディション調整を徹底し、小さな変化にも目を向けながら、常に良い状態で競技に取り組んできました。継続して高いレベルの練習を積み重ねた結果、それまで一度も経験したことのなかった国際大会への出場を果たしました。これらの経験から、継続した努力と自己管理が大きな目標の達成につながることを実感しています。
一方で、今年の5月と6月に行われた世界選手権の選考会では、代表枠を獲得することができず、非常に悔しい経験をしました。しかし、悔しさだけで終わるつもりはありません。なぜ代表に届かなかったのかを分析し、本気で自分自身の課題改善に取り組んでいます。結果から目を背けず、失敗や挫折も成長の糧になると考え、前向きに捉えながら次の挑戦に繋げることを大切にしています。
大学卒業後も、世界で戦える選手になり、オリンピック出場という目標を必ず実現するため、挑戦を続けていきます。競技を通じて培った実行力や自己管理能力を社会でも発揮し、組織に貢献できる人材を目指してまいります」

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西内悠人選手(写真:アフロスポーツ)

■西内悠人選手(レスリング)
「私は5歳でレスリングをはじめ、約16年間レスリングとともに人生を歩んできました。その競技生活の中で培った強みは、失敗から学び改善する力と、物事を論理的に組み立てて考える力です。
私は小さい頃からとにかく負けず嫌いでした。それは、私がここまで強くなれた要因でもありますが、中学生の頃は、練習中も上手くできない自分が悔しくて、感情的でただがむしゃらなだけの目的のない練習に陥ってしまうことがありました。
そこで取り入れたのがセルフトークです。自分の中のもう一人の自分と対話をすることで、状況をリフレーミングし、良かった部分と次に改善する部分を考えることができるようになりました。さらに、技術練習などでは自分の技術や考えを説明する際にできるだけ分かりやすく言語化できるように、自分の技の解像度を上げるようにしています。そうした日々の取り組みから、論理的かつ計画的に考える力が身につきました。
これらの取り組みの成果として、U20世界選手権では日本男子最年少優勝を果たし、インカレ、国スポでも2連覇という成績を収めることができました。
ご縁があり、入社させていただいた際には、自分に何ができるかを考え、会社のミッションやバリューを体現できるアスリートになるとともに、失敗を恐れず前向きに社業にも取り組んでいくことをお約束いたします。
競技者としての目標はロサンゼルス2028大会とブリスベン2032大会での優勝ではありますが、競技と仕事の両方で成長できるよう働いてまいりたいと思います」

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倉田紗優加選手(写真:アフロスポーツ)

■倉田紗優加選手(陸上競技)
「私の競技人生は、挑戦と試行錯誤の連続でした。私は専門の指導者をつけず、競技未経験の母と二人三脚で世界を目指してきました。そのため、他校の指導者に教えを乞いに行ったり、思いつく練習を全て試したりする日々が始まりました。
やり投げ界において、160cmという私の体格は非常に小柄です。そのため他者の模倣ではなく、『自分の身体的特徴と強みを活かす投法』を愚直に追求し続けてきました。
しかし、我流を極める道は、何度も様々な困難にぶつかることでもありました。1日7時間以上投げ続けても成果が出ない時期や、スランプに陥るなど厳しさに直面してきました。うまくいかない今こそが次に飛躍するための最大の伸びしろであると考えています。それは『現状維持は退化なり』という言葉が根底にあるからです。
どんな逆境もポジティブに捉えることで、中学・高校・大学すべてのカテゴリーで日本一を達成することができました。また、昨年には、日本歴代10位、学生歴代5位、世界トップ50に入る記録を打ち出すことができました。 失敗を恐れず挑戦し続けた先にしか、本当の成長はないと考えています。
私の目標は、ブリスベン2032大会でメダルを獲得することです。そして、これまで支えてくださったたくさんの方に結果で恩返ししたいと考えています。どんな困難に対しても泥臭く立ち向かってきた成長力を社会へ還元し、新たな価値を創造し続ける存在として貢献してまいります」

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清田堅心選手(写真:アフロスポーツ)

■清田堅心選手(スキー/スノーボード)
「私がスノーボード競技に出会ったのは中学1年生の時でした。周囲の選手より始める時期が遅く、最初はビリからのスタートでした。しかし、スノーボードが心から好きだった私は『どうすればもっと上手くなれるのか』を常に考え、成長できる環境へ飛び込み、挑戦するステージを変えながら競技力を高めてきました。
中学時代は毎週、学校が終わると千葉県から新潟県のスノーボードスクールまで1人で新幹線に乗っていき、練習に励みました。高校では、多くのオリンピアンを輩出した開志国際高等学校へ進学。地元千葉県を離れて3年間寮生活を送りました。そして高校2年生でJAPANチームに入り、日本代表として海外遠征に参加するだけでなく、海外のプライベートチームにも所属し、世界に挑戦してきました。そして、大学2年生でワールドカップや世界選手権の参加基準を突破し、オリンピックへの挑戦の舞台に立つことができました。
しかしながら2025年2月、練習中に全治6か月の怪我を負ってしまい、目標としていたミラノ・コルティナ2026冬季大会への挑戦は叶いませんでした。同時に、自分の実力不足と世界トップとの差を痛感し、さらに努力を積み重ねなければ夢は実現できないと強く感じました。
私がここまで世界へ挑戦し続けてこられたのは、好きという気持ちや家族の支えだけではなく、多くの方々からの応援とサポートがあったからこそと考えています。中学3年生では地元企業様、高校3年生では隣の県の企業様と、応援してくださる方々とのご縁がどんどん広がっていきました。
私は競技力だけでなく、人として素直さ、正直さ、行動力、そして最後までやりきる姿勢を大切にしてきました。その姿勢が多くの方々からの応援につながり、いただいた温かい応援の言葉が、さらに私が努力を続ける力の源になっています。
今後は、フランスアルプス2030冬季大会出場、そしてユタ2034冬季大会でメダル獲得という大きな目標に向かって挑戦を続けてまいります。そしてアスリート社員として、オリンピックという高い目標に挑戦する姿を通して、社員の皆様へ勇気や活力を届け、一体感の醸成に貢献します」

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山崎佳蓮選手(写真:アフロスポーツ)

■山崎佳蓮選手(水泳/飛込)
「私が競技を始めたきっかけは、体験教室でのトランポリンでした。日常では味わえない、ジェットコースターに乗った時のように内臓が浮く感覚に楽しさを感じ、この競技に惹かれました。
私は競技を通じて、『自分と向き合い続けること』の大切さを学びました。競技生活の中で、私は決して自信に満ちた選手ではなく、自分より上手な選手を見ては落ち込み、自分の実力に自信を持てないことの方が多かったと思います。
現在もオリンピック出場を目標に競技に取り組む中で、『まだ足りない』と感じることも何度もありますが、そこで諦めるのではなく、『どうしたら近づけるのか』を考えるようにしてきました。練習の振り返りや、自分に足りない部分、結果が出なかった原因を分析するほか、本番になると緊張して実力を発揮できない課題に対しても、ルーティンを作り、セルフトークなどをしながら、ベストな状態で挑戦できるよう工夫してきました。その結果、日本選手権や国民スポーツ大会で準優勝、ワールドユニバーシティゲームズでは決勝進出を果たすなど、安定して力を発揮できるようになりました。
私は、成長とは才能の差を埋めることではなく、昨日の自分を少しずつ超えていくことだと考えています。だからこそ、結果が出ない時期でも立ち止まることなく、自分と向き合い、改善し続けることができました。
私が競技を続ける理由は、単に記録を伸ばしたり、結果を残したりするためだけではありません。自分自身の可能性を広げたい。自分が挑戦し続ける姿を通して、周囲の人にとって『自分も何かを頑張ってみよう』と思えるきっかけの1つになりたいと思うからです。
私はまだ完成された選手ではありませんが、これからどんな選択をし、どんな環境で、どこまで成長できるのか、変化の中でも自分を見失わず改善し続ける力は、企業活動においても価値を発揮できると考えています。
私の強みである努力を惜しまない姿勢や素直さを活かし、日々の積み重ねを通して、技術の安定性向上や自己記録の更新といった成果にもつなげていきます。また、自分の挑戦を言葉や行動で発信しながら、社会人としても選手としても周囲を巻き込み、企業とともに成長や変化を生み出し続けられる存在になりたいと考えています」

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大島愛実選手(写真:アフロスポーツ)

■大島愛実選手(フェンシング・サーブル)
「私がフェンシングを始めたきっかけは、埼玉県の育成プログラム『プラチナキッズ』に合格したことによって始まりました。緻密な駆け引きや、一瞬の判断で決まる競技性に惹かれました。
私は中学2年生の時に、初めての海外遠征でU17の大会に出場したところ、その大会で優勝を果たし、努力を結果に繋げる喜びを知りました。また、その後も中学生の時には多くの大会で表彰台に登り、高校生の時にはアジア大会団体3位という成績、大学3年生の時には国内のシニア大会で3位という成績も残すことができました。
私が目標達成するために大切にしてきたことは2つあります。1つ目は、過去や未来にとらわれるのではなく、今の自分に集中するということです。これまでの競技人生の中で、物事をマイナスに考えてしまうことが多く、1歩を踏み出すことが非常に苦手で、試合も嫌いという時期がありました。しかし、その中でも現状の課題と成果を瞬時に判断し、やるべきことを明確にするということが得意だということにも気づきました。2つ目は、『楽しむ』ということです。『どんな状況でも楽しむ』ということを、競技生活でのモットーとして過ごしてきました。この考え方に至ったことで、体の力が抜けて、楽しむことが競技で成績を残すことも繋がるということを知りました。
私は今年の5月に前十字靭帯を断裂しました。その時は非常に悔しい気持ちになりましたが、この困難な状況でも、1つずつ積み重ねるということを大切にしてきました。現在はリハビリに全力で取り組み、競技復帰を目指しております。
私の目標はブリスベン2032大会に出場することです。ご縁がありました際には、現状を分析し、課題を解決していく力で企業様に貢献していきたいと考えています」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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