平和記念日である8月6日、広島県広島市で開催された「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)」に、橋本会長をはじめとするJOC理事が参列しました。
本年は被爆から80年という節目であり、開幕まで半年を迎えるミラノ・コルティナ2026冬季大会を前に、オリンピック・ムーブメントの目的がスポーツを通じた平和でより良い世界の構築であるという本質的価値を見つめ直し、犠牲となられた方々に思いを寄せ、その理念を次世代へどうつないでいくかを考えるため、JOCから橋本会長、渡辺守成副会長、太田雄貴専務理事、星香里常務理事、井上康生常務理事、杉山文野理事が参列しました。
午前8時に開式した平和記念式典では、まず始めに、広島で被爆しこの1年に死亡が確認された方々あわせて4,940名の名前が新たに記された、34万9,246名の原爆死没者名簿が原爆慰霊碑に納められました。続いて、八條範彦広島市議会議長が式辞を述べ、そして原爆が投下された午前8時15分に合わせて参列者全員で黙とうを捧げました。その後、松井一實広島市長による「平和宣言」、こども代表による「平和への誓い」、石破茂内閣総理大臣、湯崎英彦広島県知事、アントニオ・グテーレス国際連合事務総長(中満泉事務次長(軍縮担当上級代表)による代読)の挨拶と続き、最後に「ひろしま平和の歌」が合唱され、8時55分ごろに閉会しました。
平和記念式典終了後、橋本会長をはじめとするJOC理事は献花を行い、その後平和への想いを述べました。
■橋本聖子会長
「多くの犠牲になられた方々、そして今もなお苦しまれている方々に、心より哀悼の意を表しますともに、本日参列する機会をいただきましたことに深く感謝を申し上げます。東京2020大会が開催された4年前の7月、トーマス・バッハIOC前会長が広島を、また、IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長(当時)が長崎を訪れ、それぞれ献花捧げられました。それから4年が経過し、戦後80年という大きな節目を迎えた年に、JOCとして恒久平和への貢献という姿勢を、皆さまにお示しすることができました。国連総会においてオリンピック休戦決議が採択されることもふまえ、IOCは世界の恒久平和を大きな使命としています。IOCとともに歩む私たちJOCも、次世代を担う子どもたちに平和の尊さを伝え、スポーツを通じて豊かな人生を歩んでいただけるよう、世界の平和に貢献していきたい、そのような想いで本日は参列いたしました。本日は、被爆2世でありIOC委員として世界に向けて平和を訴え続けている渡辺守成副会長、またアスリートであり、次世代を担う役員として太田雄貴専務理事、井上常務理事らにも参列いただきました。いかに若い世代へ平和の尊さを伝えていくか、それはJOCにとって大きな意義と存在価値のある取り組みであると感じております。今後もスポーツを通じて平和の尊さを次世代へと受け継いでまいりたいと思います。」
■渡辺守成副会長
「スポーツを通じた平和への貢献は、オリンピック・ムーブメントの“一丁目一番地”とも言える根幹の理念です。ロシアによるウクライナ侵攻以降、IOCをはじめ、各国際競技連盟(IF)では、「スポーツがいかにして平和に貢献できるか」という問いに、継続的に取り組んできました。橋本会長が就任後の最初の理事会において「平和への願いとして広島・長崎の式典に参列したい」と述べられた際には、胸が熱くなり、涙がでるほどに嬉しく、即座に賛同いたしました。日本が唯一の被爆国として、スポーツを通じて平和に貢献するという明確な姿勢を、世界に向けて示すことができたのではないかと感じております。式典の最後には、子どもたちが「ひろしま平和の歌」を歌ってくれました。その姿をみて、私はこのようなJOCのイメージを抱きました。タクトを振るのは橋本会長、オーケストラはJOC、そしてその平和のメロディーを世界に届けていくのがアスリートたちです。JOCが中心となり、スポーツによる平和への貢献というメッセージを、これから世界に向けて力強く示していきたいと思います。」
■太田雄貴専務理事
「80周年という節目の年に、このような場に参列させていただき、言葉では言い表わせられないほどの想いで胸がいっぱいです。昨日の広島平和記念資料館の見学に続き、平和の尊さ、そして私たちがスポーツに打ち込める今の環境が、いかに貴重で素晴らしいものであるかを、改めて深く実感いたしました。いまもなお、世界各地では紛争や戦争が続いています。スポーツにはそれらを直接止める力はないかもしれませんが、スポーツを通じて平和を願い、友情や相互理解を育むことはできると信じています。JOCの専務理事として、世界平和への貢献はもとより、未来を担う世代に向けても、引き続き行動を起こし、スポーツを通して平和の大切さを伝えていきたいと思います。」
■井上康生常務理事
「平和とは何か、またスポーツの価値とは何か、ということを改めて考えました。現在、私はJOCの常務理事として選手強化を担当しておりますが、来年2月にはミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック、そして9月には愛知・名古屋アジア大会が開催されます。こうした大きな大会を見据え、アスリートや指導者の皆さんとともに、競技力の向上はもちろんのこと、それに加えて「スポーツの持つ多様な価値とは何か」を問い続けながら、さまざまな取り組みを進めております。今後も国際交流や平和への貢献という視点を大切にしながら、言葉だけでなく行動として体現していけるよう、引き続き尽力してまいります。」
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