日本オリンピック委員会(JOC)は6月9日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「令和7年度JOCナショナルコーチアカデミー開講式」を行いました。
JOCナショナルコーチアカデミーは、オリンピックで活躍できるアスリートを育成・指導するワールドクラスのコーチ及びスタッフの養成を目的に、JOCが認定するナショナルヘッドコーチ及びナショナルチームコーチを対象に実施。令和4年に策定された「第3期スポーツ基本計画」に明示され、JOCの長期的国際競技力向上計画の一環として位置づけられており、今年度は各競技団体から新たにXX名の指導者が正規コースを受講します。
はじめに、主催者を代表して尾縣貢JOC専務理事が登壇し、スポーツ庁や日本スポーツ振興センター(JSC)への感謝とともに、今回のセミナー参加者が多様な競技やポジションから集まっていることに喜びを示しました。また、東京2020大会、パリ2024大会で日本が世界3位の金メダル数を獲得したことに触れ、これは支えてきた人々の誇りであると述べ、2001年のJOCゴールドプランに基づき、味の素トレセンの設立やJOCエリートアカデミーなどの事業を展開したことが、スポーツ界の飛躍的発展に繋がったと説明しました。特にJOCエリートアカデミーの卒業生が東京2020大会で5つ、パリ2024大会で7つのメダルを獲得し、TEAM JAPANの中核を担っていることを紹介し、彼らを支えるスタッフの重要性を述べました。最後に、「自覚とプライド、責任感を持って指導・サポートに当たってほしい。このアカデミーを出たコーチスタッフの皆さんは、スポーツ界をリードしてくれています。皆さんもぜひその仲間入りをしていただきたいと思います。本当に大変な講習になりますが、素晴らしい緑があると思いますので、しっかりと学んでいただきたい」と挨拶しました。
続いて、来賓を代表して、スポーツ庁の田中秀和競技スポーツ課長がパリ2024大会での選手の活躍、ならびに監督、コーチ、スタッフによる長期の尽力に感謝の意を伝えると共に「今大会での素晴らしい成績を一過性のものとしないよう、ミラノ・コルティナ2026冬季大会、愛知・名古屋アジア大会、ロサンゼルス2028大会に向けて、引き続き関係者と一丸となって、国際競争力向上に支援してまいりたいと思っております。本アカデミーに参加される皆様は今日から8週間という受講期間の中で、自身のコーチング能力を磨かれることはもとより、ぜひこの機会に競技の枠を越えた交流、連携を図っていただきまして、TEAM JAPANの絆を深めていただきたいと思います」と述べました。
次に、伊藤リナJOCナショナルコーチアカデミー事業ディレクターが本アカデミーの概要説明を行い、その目的や位置づけ、創設の経緯といった基本的な情報に加え、目指すべき人物像、プログラムのポリシーおよびコンセプト、どのようなカリキュラムが用意されているか、また、過去の受講者の声などを紹介。最後に、伊藤ディレクターが第1回の受講生から伝えている言葉として「指導者が学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」と話し、「いろいろな責任や立場があると思いますが、選手のため、自分のために学ぶことをチャレンジしてほしい。このアカデミーがさらなる挑戦や気づきの機会になることを強く期待しています」と呼びかけて、開講式を締めくくりました。
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