日本オリンピック委員会(JOC)は10月27日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、「いつかは競技引退するアスリートのキャリア支援」をテーマに「第28回アスナビ採用企業情報交換会」を行いました。
アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに224社/団体381名(2023年10月27日時点 内定者含む)の採用が決まりました。
今回の情報交換会では、過去にアスリート社員を採用した企業から26社38名が参加しました。
はじめに、JOCキャリアアカデミー事業ディレクターの柴真樹が、アスナビ選手を採用した企業へ感謝を述べた後、「アスリートはどこかのタイミングで必ず競技引退というトランジションを迎えます。今回のテーマは、そこにいたるまでにどういう向き合い方をすればいいのか?企業とアスリートのどういうコミュニケーションがアスリートの良いトランジションを作っていくのかという中長期視点で一緒に考えてほしい」と語りました。
■基調講演(採用企業の事例紹介)
続いて、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 広報部スポーツチーム/経営企画部 特命部長 倉田秀道氏より「アスリート引退のトランジション」をテーマに基調講演がありました。あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、これまでにアスナビでパラ水泳の小野智華子選手や競泳の小堀倭加手など5名を採用、アスナビ以外も含め現在19名のアスリートが所属しています。その豊富な経験から「セカンドキャリアの考え方」「アスリートのキャリアサポート事例」「目標設定と業務付与のポイント」等について発表されました。
■アスリート座談会
次に、既に競技引退し業務に専念している元アスリート3名(大石栞奈氏/フェンシング/山九株式会社、大久保琳太郎氏/競泳/NOK株式会社、鈴木沙織氏/スキー/城北信用金庫)が登壇。キャリアアカデミー事業ディレクター柴がモデレーターを務め、「アスリートの引退」をテーマに座談会が行われました。それぞれの自己紹介の後、現役時代から競技引退を経て現在にいたるまでの経験や取り組んでいきたこと、気持ちの変化、現役時代にやっておけばよかったことなどについて話しました。座談会終了後は、会場からの質問も多く、参加企業の興味関心の高さが伺えました。
■アスリート社員を採用する企業による情報共有分科会
その後、参加者全員で、「アスリートのトランジション期を意識した自社の取り組み」「考え方」などの共有や意見交換と「他社に聞いてみたいこと」をテーマに活発な意見交換が行われました。
分科会終了後は名刺交換と記念撮影を行い、参加企業同士の交流もたっぷりと行われました。終了後には、「実際に引退選手がいる企業の話が大変参考になった」「アスリート目線の話が直接聞けてよかった」「もっと話が聞きたかった」等のお声をたくさんいただきました。
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