日本オリンピック委員会(JOC)は6月16日、オンラインで「第11回アスナビ選手研修会」を開催しました。
アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動を続けることのできる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関などに向けて本活動の説明会を行い、これまでに、219社/団体、368名(2023年6月16日時点)の採用が決まりました。
本研修会はアスナビを通じて採用されたオリンピック・パラリンピックを目指すアスリートを対象に『競技と仕事』をテーマに自己理解・自己成長を考えることや参加した選手同士のネットワークづくりを目的として開催され、当日は16名のアスリートが参加しました。
研修会の冒頭、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターから、「正解を見出しにくいテーマかと思いますが、きっと『よい仕事をしている人は、競技にもよい影響があるに違いない』と思っています。今日の先輩アスリートのお話やその後の議論を通して、皆さんの仕事と競技双方への取り組み方を考える『きっかけ』にしてほしい」と挨拶がありました。
続いて司会進行を務める鈴木統也JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターから、「競技と仕事の関連性について考える」「競技を越えた横のつながり」という研修のゴールや「主体性の大切さ」についての説明のあと、参加した選手16名およびJOCスタッフが一人ずつ簡単な自己紹介を行いました。
今回の研修会は2部構成で実施され、第1部の「先輩アスリート講話」ではアスナビを通じて2014年12月に株式会社デンソー北海道に入社し、2018年に競技を引退し業務に専念している元スキー/ジャンプ選手の竹田歩佳氏が登壇しました。
竹田氏は、アスリートとしての意識の変化を、競技を始めた学生時代から社会人、そしてアスナビで現職に入社するまでの環境の変化に沿って説明しました。次に現職での仕事内容の紹介とともに、仕事が競技に活かされたこととして「集中力を高める時間」「オンオフの切り替え」「カイゼンを通じた視野の広がり」の3つを挙げました。また自分を知ってもらい応援を力にすることや、会社をより深く知り社会人としての基礎知識や会社の業務知識を身につけることの大切さについても話しました。
最後に、「応援される存在になることが大切です。応援してくれる人がいるというのは大きな力になります。そして「集中力を高める時間」「オンオフの切り替え」「カイゼンを通じた視野の広がり」の3つのポイントを意識してみてください。そうすることで今自分がやらなくてはいけないポイントが見えてきて目標にまっすぐ向かっていくことができると思います。このチャンスを存分に生かして、全力で楽しんでチャレンジしてください」とメッセージを送りました。
続く第2部では、「仕事をすることは競技面でどんなメリットがありそうか?」をテーマに柴ディレクターからの『アスナビ意識調査2022』の調査結果の情報提供を間に挟みながら、3グループに分かれてグループ討議が実施されました。
「仕事が競技に対してプラスに働いていることを改めて考え、認識できた」「他競技のアスリートと意見交換や情報交換ができてよかった」などの感想が参加者から寄せられました。
全てのワークショップ終了後、アスリートたちによるアスナビ選手交流会が開催され、研修が終了しました。
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