■17階建てのマンションが31棟
リオデジャネイロオリンピック開幕を3日後に控えた現地時間2日、選手村を報道陣に公開するメディアツアーが行われました。競泳、体操競技、柔道、テニス、ウエイトリフティングなど、日本選手のメダル獲得が期待される競技が数多く行われるオリンピックパークから程近い場所に選手村はあります。そこには17階建てのマンションが31棟並び、部屋数は3604室。各国の選手・役員が最大で約1万8000人宿泊できるとのことです。
通常では入ることができない選手村へと“入村”してみると、そこは「村」というよりも巨大な「街」のような印象。高層マンションが建ち並びながらも窮屈な印象はなく、自転車専用レーンが設けられているなど道も広々。端から端までくまなく選手村を散策しようと思ったら、半日以上かかるのではと思うほどの広大さです。
各棟の間には公園や大きな池があり緑や水も豊か。公園内のオリンピックシンボルのモニュメントは人気スポットのようで、各国選手が代わる代わる記念撮影をしていました。また、公園の隣にはハードとクレーのテニスコート、バスケットコートなども併設されており、選手たちが自由に使用できます。
■メニューが豊富にそろう巨大な食堂
選手村へと入るメインエントランスから北へ向かって突き当たりに食堂、トレーニング施設、メディカル施設などが並ぶエリア。そして日の丸が掲げられた日本代表選手団の宿泊棟「コルコバード」は、食堂から目と鼻の先にあります。各試合会場へとつながるシャトルバスの停留所も近くにあるので、立地場所としては非常に便利なようです。
まず、今回の選手村取材の目玉の1つである食堂へ。ジャンボジェット機がすっぽり納まるとも紹介されていましたが、その通りとにかく広い建物です。24時間オープンしており、席数はおよそ5000、1日につき約200トンの食事が供給されるのだと、ボランティアスタッフが教えてくれました。メニューは地元ブラジル料理をはじめ、ピザ、パスタ、アジア料理のほか、サラダ、スープ、フルーツ、ドリンクなどの各種バー、そしてアーチェリーの川中香緒里選手が目を輝かせて「美味しかった!」と絶賛したアイスなど、豊富なメニューはいずれも無料。日本食はありませんでしたが、池江璃花子選手が「栄養がしっかり摂れるので調子もいいです」と話していたように、この食堂を含め選手村では60種類もの栄養素を摂取することができるということです。
■オリンピアンのトレーニングに圧倒
隣にあるトレーニング施設では、2000平方メートルの建物内にトレッドミル、フリーウェイトをはじめ最新のトレーニング機器が備わっており、奥原希望選手らバドミントン日本代表選手や各国のオリンピアンたちが黙々とトレーニングに集中。そこは世界で一番ハイレベルな選手たちが集まるトレーニングジムと化しており、これから世界最高峰の舞台へと準備するアスリートたちの鬼気迫る姿にはただ、ただ圧倒されてしまいます。なお、このトレーニング施設も24時間オープンしており、選手村で生活する全ての選手、コーチ、スタッフが利用できるとのことです。
■日本選手団からの評判は上々
これら施設のほか、女子選手には嬉しいビューティサロン、ゲームなどが楽しめるレジャー施設、ファストフードが食べられるカジュアルダイニング、各宗教に応じた礼拝施設、スーパーマーケット、銀行、郵便局など、生活に必要なものはすべてそろっている選手村。実際にこの場所を歩いて感じるのは、オリンピックだからといって高揚した雰囲気ではなく、とても静かで落ち着いているということです。
オープン当初はさまざまな報道もありましたが、「思っていたよりも部屋はきれいで過ごしやすいです」(林勇気選手/アーチェリー)、「食事もおいしくて生活もしやすいので、良い結果が出るのではないかなと思います」(渡辺一平選手/水泳・競泳)と、日本代表選手団からの評判は上々。選手の皆さんにはぜひこの選手村でも充実した時間を過ごし、試合本番でベストパフォーマンスを発揮することを願ってやみません。
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