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1997.09.01 オリンピック

宿泊サービス税導入にホテル・観光業界と市民が激怒

 NSW州は、オリンピック時に観光客がシドニーに殺到すること見越して、「ホテル産業はオリンピックによって大きな利益を得るのだから、それをオリンピックに返すべき」という考えから、宿泊サービス税(通称ベットタックス)なるものを新しく採用し、オリンピックの施設建設費をねん出することを提案していた。しかし地元のホテル・観光業界は部屋代の10%をオリンピック運営のために徴収されることに「海外からの観光客が減る」と猛反対、SOCOGへのオリンピック期間中の部屋の提供を拒否する強行手段に出ていた。

 また国内でもシドニー以外から来る旅行者にもホテル代の高騰という被害が及び、国を挙げてのオリンピック準備にも険悪なムードが漂いかねない雰囲気だった。

 間に挟まれたSOCOGは、この問題が起きてからというもの、宿泊施設確保の契約をホテル側と進めることができなくなったか、オリンピック・スポンサーとの契約交渉を一時中断せざるを得ない状態に追い込まれていた。自身もオリンピック大臣とNSW州政府の一員で難しい立場にたたされているSOCOG会長のマイケル・ナイツ氏は「これまでホテル側はとても協力的だった。SOCOGは税について口出しする立場にはないが、ホテル・観光業界とNSW州政府との間に、早く和解が生まれることを期待したい」と6月20日に声明を発表していた。

 7月15日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙は、宿泊サービス税の税率を当初の計画より引き下げ、まず5%でスタートし、来年4月から7%、同9月から10%にすることで、ホテル・観光業界とNSW州政府との間で妥協したと報じた。

 一応の決着をみたが、まだ予断を許さない状況だ。

 

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