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第22回オリンピック競技大会(2014/ソチ)

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【メダリスト会見】竹内智香選手「アルペンスノーボードを知ってもらえてうれしい」

カテゴリ:オリンピック
2014.02.23
【メダリスト会見】竹内智香選手「アルペンスノーボードを知ってもらえてうれしい」
銀メダルを手にガッツポーズを見せる竹内選手(写真:アフロスポーツ)

 ソチオリンピックのスノーボード・女子パラレル大回転で銀メダルを獲得した竹内智香選手が23日、ジャパンハウスで記者会見を行い、4大会目の挑戦で初めてメダルを手にした心境を語りました。

――試合から少し時間が経ちましたが、改めてメダルを手にした感想を教えて下さい。

竹内選手 4年間ずっとここで勝つことを目標に、それをイメージしながらやってきたのですが、実際にはイメージより1つ下の銀メダルだったので、(はじめは)そこに対しての悔しさと「残念だったな」という気持ちが強かったです。でも、メダルをいただいて、家族をはじめ応援に来てくれた人たちが喜んでいる顔を見て、予想以上にアルペンスノーボードを知ってもらえたということの方が、銀メダルよりも大きな喜びとして感じています。

――4大会連続でオリンピックに出場されて、海外に拠点も移し、いろいろな試行錯誤をしてここにたどり着きました。そこまで竹内さんを突き動かしたもの何だったのでしょうか?

竹内選手 スイスに行って練習させてもらったり、自分でコーチを探して契約したりといったことは、周りから見たら普通ではないかもしれませんが、目標に向けて必要なことだったと思います。将来なりたいもののために進学校に行ったりとか、そういうのと同じなんじゃないかなと思っているので、私にとってはそんなに特別なことという感じはしないです。

――目標というのは世界のトップに立つことだと思いますが、その先には何を見ていますか?

竹内選手 スノーボードを始めたジュニアの頃、「オリンピックに行きたい」「ワールドカップで勝ちたい」とどんなに言っても周りの大人には「日本人には無理だよ」って言われることがほとんどでした。本当にこのアルペン競技が世界に通用しないものなのか、それがすごく不思議で、そういう思いがあってスイスに行きました。スイスやヨーロッパのチームがどういうふうにやっているのかを1つ1つ学んでいく中で、アジア人がハンデを持っているとは思わないですし、持っているハンデと言えば環境だけだと思うので、そういう意味では同じスタートラインに立てたのが今回のオリンピックだと思います。それを通じて次の世代の選手たちが、私よりももっと近道を通って世界のトップに行ってもらえたらうれしいなと考えて過ごしていました。

――銀メダルを取る前と取った後で変わったことはありますか?

竹内選手 私の中では金メダルがほしかったというのが一番の思いでした。その前のワールドカップがずっと2位、2位、2位ときて、今回も同じような失敗をしての2位だったので、負けるなら少なくとも同じ失敗をしないで、ちゃんと最後までゴールをして負けたかったという悔しさが今も残っています。(メダルを)取る前と取った後で、私は変わらないと思うんですが、周りが変わったと思うので、(自分は)変わらずに今まで通り過ごせたらいいなと思います。

――メダルを取ったことに対して、周りの反応はいかがですか?

竹内選手 昔から応援してくれている人たちの「おめでとう」という言葉はすごくうれしいですし、いい時間にスノーボード競技が放送されたことでこの競技を知ってもらえました。まだよく分からないんですが、周りからは「アルペンスノーボードがすごく広まったよ」と言われたので、それが一番変わったのかなと。一番はメディアを通して(アルペンスノーボードが)広まったことが大きいのかなと思います。

――技術とは別に、板制作の苦労や女性に合うボードを作る上での苦労があれば教えて下さい。

竹内選手 この種目は板1本1本によっても質が違いますし、いつの時期に作った芯材なのかとか、そういう性能が違う中で、日本人がいい板をもらえるという環境はここ10年ずっとなかった状態でした。日本に来ている板というのは、トップに比べると劣っているものがあったので、自分で納得のいくものを作って、世界のトップクラスのものを作りたいという思いでやってきたんですが、実際には板を作るというのは未知の世界でした。最初はスイス人のシモンとフィリップと一緒に小さい工場を作って、そこからプレスの機械(を入れて)、板や芯材を切ったり、金型を作ったり、本当に試行錯誤で手作りで1本1本作っていました。

 今は新潟にある工場で板を作ってもらっているんですが、やはり金型を作るにもすごく体力も資金もいります。特にGS(ジャイアントスラローム=大回転)に関しては2007年からずっと開発を続けてきて、今は世界一のボードだと自信を持って言えますし、日本人がそうしたマテリアルがほしいと思えばすぐ手に入る環境になったというのは、アジアにとっても一歩成長することができたんじゃないかなと思います。

――長年スノーボードを引っ張ってきた竹内さんのメダルが、スノーボード界にもたらした意味は何だと思いますか?

竹内選手 今回銀メダルを取ったことでアルペンスノーボード競技を知ってもらえたことが一番の進歩だと思います。でも、それ以上に一過性の話題で終わるのではなく、継続してワールドカップに注目してもらえたりとか、まだまだここで満足したらすごく危険というか、また逆戻りしてしまうような気がするので、少しでも長く競技に興味を持ってもらえたらという、そのきっかけを作れたならすごくうれしいと思っています。


【メダリスト会見】竹内智香選手「アルペンスノーボードを知ってもらえてうれしい」
パイオニアとして今後の競技発展についても真剣に考えている(写真:アフロスポーツ)

――今回のメダル獲得を受けて、どんな未来を思い描いていますか?

竹内選手 私としてはスノーボードが好きですし、スノーボードに育ててもらっているので、スノーボードに還元したいという気持ちが一番あります。1日でも長く競技を続けたいという思いもあるんですが、今回勝ちにいくために準備した4年間の環境作りや、気持ちの持ち方というのは決して簡単なものではありませんでした。

次の4年を目指すのであれば、同じかそれ以上の気持ちと環境をもって取り組めるのなら、また目指してやっていきたいです。競技者としてやるなら自分に一番集中して、ジュニアの選手に何か還元できることがあるならそれをやっていきたいと考えています。

――アジア人としてハンデがあるのは環境だけだと先ほどおっしゃいましたが、国や競技団体に、サポート面での希望はありますか?

竹内選手 日本には日本のルールがあって、日本の文化や考え方があります。でも、私たちが戦っている場所は国際スキー連盟(FIS)であって、外国人の中、ヨーロッパ文化の中で戦っていくので、ときには日本の文化や考え方を捨てて、ヨーロッパの考え方に沿ってやっていかなければ通用しない部分も多くあると思います。

 環境だけを求めるのであれば、お金さえ積めばヨーロッパに行っていい練習をする環境が手に入ると思いますが、私が今回一番成長できたのは、スイスチームに行ってスイスの選手やスタッフに育ててもらったからだと思います。トレーニングパートナーというのがすごく大事なポイントになってきて、私がほかのチームで練習したかったら、すごく簡単に、オーストリア、スイス、イタリアなど強いチームにいつでも受け入れてもらえるのですが、そこに「日本人をあと2〜3人連れて行ってもいい?」と聞いた瞬間、「1人ならいいけど2人3人と増えるのはだめ」と言われてしまいます。

 やはり第1シード選手がひとつの目安になっていて、トップ16、トップ8に入って、一緒に練習させてもらう代わりに、その選手がその国に何か還元できなければ、まず練習パートナーとして入れてもらうことはできません。まだまだ日本が強くなるには課題が山のように残っていると思うので、まずはヨーロッパカップチームだったりFISの各下部のカテゴリーで強くなって、ワールドカップに這い上がってこられるような選手を育てることが最優先だと思います。

――そのために競技団体や国が力になれることはありますか?

竹内選手 私は良くも悪くもわがままを言って、そのわがままを聞いてもらってここまで来ることができたと思うのですが、競技団体がもっと勇気を持ってもっと大きな改革をしていくことが大事だと思います。組織の中で従うのではなく、時には正しいと思うことを突き通すことも大切だと思いますし、そういうスタッフが1人、2人と増えていって、ボランティアではなく、それを1つのプロフェッショナルな仕事としてやっていくスタッフが1人でも増えること。それが日本人が強くなる(のに必要な)ことかなと思います。

 やっぱりほかの国のシステムを見ていると、コーチはコーチとして純粋な仕事で、スキー連盟の中でもそれだけで生活している人たちがほとんどですが、日本はその仕事だけで生活できるようなスタッフの環境は整っていません。まずはスタッフもプロとしてその仕事でやっていけること、そのあとに選手も仕事でやっていけることがこの先大事になってくるような気がします。

――地元の旭川や所属先の広島のみなさんにメッセージはありますか?

竹内選手 今までずっと、競技を始めてから結果が出ない、見えない投資への応援だったと思うので、これだけ長い間信じて待っていてくれたこと、期待してくれたことに感謝をしています。今回の銀メダルによって少しでも喜んでくれて、恩返しができたのならうれしく思っています。応援ありがとうございました。




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