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2022.02.20 オリンピック

【メダリスト会見】スピードスケート女子チームパシュート「このメンバーで戦えたことを誇りに思う」

【メダリスト会見】スピードスケート女子チームパシュート「このメンバーで戦えたことを誇りに思う」
メダル獲得の心境を語る(左から)髙木菜那選手、髙木美帆選手、佐藤綾乃選手(写真:フォート・キシモト)
【メダリスト会見】スピードスケート女子チームパシュート「このメンバーで戦えたことを誇りに思う」
予選ではオリンピックレコードを記録(写真:フォート・キシモト)

 北京2022冬季大会のスピードスケート女子チームパシュートで銀メダルを獲得した髙木美帆選手、佐藤綾乃選手、髙木菜那選手が20日、記者会見に出席し、メダル獲得の心境を語りました。

■髙木菜那選手「励ましのエールや応援の言葉が心の支えに」

――メダルを獲得した感想をお願いします。

髙木美選手 金メダルを逃してしまったことに対しては、やはり悔しい思いは消えていないですが、チームメイトやコーチ、日本にいる方々の「すごく感動した」、「笑ってほしい」というような言葉を頂いたことによって、少しずつ前を向くことができたなと思っています。いまはこのメンバーで戦えたことを誇りに思うことができていますので、それも皆さんのおかげもあってだなと強く感じています。

佐藤選手 メダルをもらっていろいろな思いもありますが、金メダルを狙っていたので悔しいという気持ちもあるなか、美帆さんも言っていたようにたくさんの方々からの「感動した」「勇気をもらえた」というような言葉をいただいたおかげで、銀メダルではありましたがそれまでの努力が報われた瞬間でもあったのかなと思いました。あとは他の国・地域の選手たちにはできないような私たちの強み、チームワーク、足の揃えるタイミングなど日本人らしい美しいスケーティングを最後の最後まで届けることができたのかなと思っています。

髙木菜選手 私にとって今大会は辛いオリンピックになってしまったなという思いがあり、この銀メダルもすごく悔しい銀メダルになりました。なかなか気持ちの整理がつかず、どうやって前を向けばいいだろうと思っていたなかで、チームメイトの温かさやコーチ方の支え、日本の方々からの励ましのエールや応援の言葉が本当に心の支えになり、最後くじけずにもう一度前を向くことができたのかなと思います。今回の銀メダルは悔しい思いとともに、いろいろなことの大切さを改めて知ることができた銀メダルになったなと思います。

――(金メダルを獲得した)カナダの選手のコメントにもありましたが、日本を追いかけるなかでパシュート全体のレベルが上がっています。そういった存在になれたことに関してどういった思いがあるか教えてください。

髙木美選手 周りの国・地域の選手からそう言っていただけることはすごく光栄に思っています。いまは逆に身が引き締まる思いというか、そういった言葉に恥じぬといいますか、さらに超えていけるような行動をしていかないとと感じています。

佐藤選手 そう思っていただけるような選手になれたことは嬉しく思います。日本にしかできないこと、逆に海外の選手にしかできないことをお互いにリスペクトし合えているなと思っているので、すごく良い関係性でここまで戦ってこられたのかなと思います。

髙木菜選手 私はソチオリンピックのあとからチームパシュートを8年間やってきたのですが、最初の方は全然勝てない時期がありました。そこから作戦を立てて、コーチが来て個人レベルが上がり、佐藤が加わって世界を引っ張れるチームになり、こうやってリスペクトされることを誇りに思います。だからこそこれからもっと強くなるためには、いろんな進化やチャレンジをしていかないと他の国・地域に勝つことは難しくなってくるのではないかという思いもありますし、こうやって切磋琢磨して世界のレベルが上がっていることは改めてすごいことだなと感じています。

――日本に帰ってからの自分へのご褒美、やりたいことがあれば教えてください。

髙木美選手 シーズンが始まってからコロナのことも気になって、ちゃんと美容室に行くことができていないので、一度日本に帰って落ち着いたら行きたいと思っています。

佐藤選手 コロナ禍でなかなか外食もできていないので、テイクアウトでもいいので日本に帰ったらすごく大好きな肉寿司を食べたいと思います。

髙木菜選手 会いたい人にも気軽に会いに行けない状況で、帰ってからもすぐにできるわけではありませんが、コロナ禍が落ち着いたらお世話になった人に会いに行きたいなと思います。あと帰ってすぐやりたいことは、すごくおいしいすき焼きを食べたいです(笑)。

――シーズンほぼ一緒に過ごしてきたと思いますが、髙木美帆選手、髙木菜那選手の2人には佐藤選手の成長について、佐藤選手はどういったことを2人から学んだか教えてください。

髙木菜選手 私は佐藤が社会人になったときから見ていて、もちろんアスリートとしてもすごく成長しているなと感じますが、人としてすごく成長したなと肌で感じています。些細な気遣いだったり、私たちは上下関係がそれほどしっかりしているわけではありませんが、それでも後輩の役割を自分から率先してやってくれたり、本当にすごく成長したなと思います。

髙木美選手 スケーターとしての点で言うと、ここ2年間、直接スケートのことを話さなくても佐藤自身が質の高い考え方をするようになったなと、肌ですごく感じました。特に昨シーズンはコロナ禍で海外遠征に行けなくなって、今シーズンは久しぶりの海外シーズンになりましたが、取り組みに対する思考の質が変わったのかなと感じています。

佐藤選手 普段こんなに褒めてもらえることはないので嬉しいです(笑)。確かに自分でもスケーターとしても人としても成長したなと感じる部分はありますが、自分だけで成長できたとは思っていなくて、6年間ずっと一緒に過ごしてきた菜那さん、美帆さん、押切さんはじめたくさんの先輩方の行動を見て真似て、大きく成長することができたなと思っています。スケーターとして学ぶことも本当に多くて、私が持っていない技術だったり、スケートに対する想いだったりがあって、自分は今まで何をしていたんだろうと思うこともありましたし、日頃から支えてくれたおかげで強くなれたのかなと思っています。

【メダリスト会見】スピードスケート女子チームパシュート「このメンバーで戦えたことを誇りに思う」
悔し涙を見せながらも表彰台に立った(写真:フォート・キシモト)

■佐藤綾乃選手「今まで以上に誰かのために頑張りたいと強く思った大会」

――このオリンピックを通じて得たもの、今後の目標などあれば教えてください。

髙木美選手 スピードスケートは昨日で全日程を終えて、私も無事に完走することができたのですが、いま落ち着いて思い返してみても、オリンピックというのは私にとって“本気”を味わえる場所だなと強く感じています。また、それを周りの人たちと共有できるというのもオリンピックならではなのかなと思います。本気の舞台で戦えることは本当に幸せなことですし、しんどい、辛い期間もあったのですが、楽しかったなとすごく感じています。今後の目標は、まずはまだシーズンが終わっていないので、世界選手権で長距離に挑戦する形になります。またゼロからの戦いだと思っているので、新しい気持ちで挑みにいきたいなと思っていますし、この大会で皆さんからのエールの力をすごく感じたので、それをつなげてシーズン最後まで走り切れるようにしたいなと思っています。

佐藤選手 チームパシュートで銀メダルを獲得できましたが、今まで以上に誰かのために頑張りたい、結果を残したいと強く思った大会だったなと思います。チームパシュートに関しては菜那さん、美帆さん、押切さんのために、もちろん自分も含めてですが、金メダルをとりたいという思いがすごく強かったですし、1500mもサポートしてくださった方への感謝の気持ちが大きかったので、滑ったあとに満足感を得られたのかなと思います。あとは日本のチーム力、チームワークの良さも改めて感じました。今後はまだW杯、世界選手権がありますし、世界に近づいている実感があるのでどこまでいけるのか、一つひとつ種目を楽しみながら最後まで戦っていきたいと思います。

髙木菜選手 辛い形で終わってしまったオリンピックではありましたが、この4年間いろいろな思いを感じながら、自分なりに一番時間をかけてスケートに取り組んできたと思っています。良い形で終わることはできませんでしたが、それ以上に大切なことに気づかせてもらったオリンピックだったと思いますので、この経験がこれからの人生の糧になっていけたらいいなと思えるように、ちゃんと前を向いて歩んでいけたらいいなと思いました。私もまだ今シーズンあと2戦残っていますので、最後まで良い形で終われるように全力で頑張っていきたいです。

――チームパシュートは集大成のレースだったと思いますが、これまでのなかで印象的なレースはありますか?

髙木菜選手 平昌オリンピックで金メダルをとった時はすごく嬉しかったですが、世界記録を出したときもすごく嬉しかったです。また、今回と(W杯の)ソルトレークでは転んでしまったんですけど、このままいけばどんなタイムが出ていたんだろうというレースでもあったので、なかなか絞り切れないほど思い出深いレースはたくさんあるなと思いました。

佐藤選手 嬉しいと思ったのはやはり平昌オリンピックと世界記録を出したときになりますが、私がナショナルチームに最初に入った年は、何度か走りましたがあまりメインの一員ではなく、翌年の平昌オリンピックのシーズンのW杯第1戦でこのチームで行くというときに自分の名前が上がったんですが、そのレースで離されてゴールしたのがすごく記憶に残っています。そのレースがあったからこそ、オリンピックで優勝したいとか、どうやったら強くなれるか、自分の役割は何なのかなど、よりチームパシュートに興味を持ちました。そのオランダのヘーレンフェーンで行われたレースが、嬉しいではないですけどすごく記憶に残っています。

髙木美選手 姉が述べたようにチームパシュートのレースは思い出深い、感情の詰まったレースが多かったなと改めて感じています。私のなかで変わるきっかけになったレースでいうと、印象に残っている割にいつだったかな、どこだったかなと思っているんですけど(笑)、同じメンバーではなかったですが初めて世界距離別でオランダに勝てたレースで、私たちのなかでチームパシュートで行くんだ、私たちでも勝てるんだと思ったのはあの瞬間だったなとすごく覚えています。あの時も選手間で誰がどういくのがベストなのかという話し合いをした記憶があって、そこが始まりだったのかなと今でも心の中に残っている瞬間です。

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