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仁川アジア大会


第17回アジア競技大会(2014/仁川)

「限りなき前進 アジア大会」
(6)仁川大会は韓国で3度目 競泳萩野が最優秀選手
入場行進する日本選手団

入場行進する日本選手団

 9月19日開幕の第17回の仁川大会は2007年4月のアジア・オリンピック評議会(OCA)総会で開催が決定した。韓国での開催は、五輪を2年後に控えた1986年ソウル大会、2002年釜山大会に次いで3度目となった。19日の開会式で幕を開けた大会は、10月4日までの16日間で36競技、439種目の熱戦が繰り広げられた。

 開催地の仁川は韓国北西部に位置し、首都ソウルにも隣接している。人口は約286万人(13年4月現在)でソウル、釜山に次ぐ韓国第3の都市。国際空港や黄海に面した仁川港もあり、交通の要所としての役割を果たしている。北朝鮮も5月に参加を表明し、OCA加盟の45カ国・地域すべてが集う大会となった。

 日本選手団は日本オリンピック委員会(JOC)の青木剛・専務理事を団長に、約720人の選手を派遣。主将は重量挙げ女子の三宅宏実(いちご)、旗手はアーチェリー女子の川中香緒里(ミキハウス)で五輪、アジア大会を通じて初めて主将と旗手ともに女子選手が務めた。

200メートル自由形を制して喜ぶ萩野公介

200メートル自由形を制して喜ぶ萩野公介

 前半戦は競泳陣が躍動した。リレーを含めて7種目に出場した万能スイマーの萩野公介(東洋大)が最初の種目となった男子200メートル自由形でまず金メダルを獲得。五輪で金メダルの実績を持つ孫楊(中国)、朴泰桓(韓国)の強敵をラストスパートで鮮やかに抜き去った。萩野は得意の個人メドレー2種目と800メートルリレーでも金メダルを手にし、全種目で表彰台に立った活躍が評価されて大会の最優秀選手(MVP)に選ばれた。競泳は男子背泳ぎで入江陵介(イトマン東進)が2冠、200メートルバタフライでは瀬戸大也(JSS毛呂山)が優勝し、女子は200メートル平泳ぎを成長株の渡部香生子(JSS立石)が制した。

 体操男子は団体総合で初優勝し、個人総合でも神本裕也(日体大)が日本勢40年ぶりの金メダルを獲得した。五輪王者の内村航平(コナミ)らのトップ選手は世界選手権と開催時期が近いため出場を見送ったが、日本の層の厚さを見せつける活躍ぶりだった。レスリング女子55キロ級の吉田沙保里(ALSOK)、ソフトボールは4連覇を達成し、柔道男子100キロ超級王子谷剛志(東海大)、女子52キロ級の中村美里(三井住友海上)の実力者も頂点に立った。

 陸上は国籍変更選手を抱える中東勢が大きく勢力を伸ばし、男子100メートルはナイジェリア出身のオグノデ(カタール)が9秒93の好タイムで優勝。日本勢は金メダル3個にとどまった。団体球技も苦戦が目立ち、前回アベック優勝のサッカーは女子が銀メダルを手にしたものの、男子は韓国に敗れてメダルを逃した。

 金メダル数は中国が151個でトップとなり、2位は79個の地元韓国。日本は目標とした50個を下回る47個で3位だった。2020年の東京五輪を見据え、五輪で実施される28競技すべてでメダル獲得という目標も達成できなかったが、テニス男子シングルスで19歳の西岡良仁(ヨネックス)、柔道女子57キロ級で20歳の山本杏(国士舘大)が優勝するなど、20年五輪を目指すホープたちの成長もあった。
 次回大会は2018年にインドネシアのジャカルタで開催される。(共同)

 
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