選手強化

スポーツ科学基金(アクエリアス基金)

2008年度 助成スポーツ科学基金 研究報告概要

暑熱環境下におけるウルトラマラソン中の生理応答〜脱水が鼓膜温及びR-R間隔に与える影響〜

研究者:平成国際大学 スポーツ科学研究所 仙石泰雄
共同研究者:戸苅晴彦、久保潤二郎(平成国際大学)、安松幹展(立教大学)、中村和照(筑波大学大学院)

本研究は、暑熱環境下におけるウルトラマラソン走行中の鼓膜温および心拍変動を分析することを目的とした。11名のランナーが本研究の対象レース(鶴沼ウルトラマラソン52km:5.2 km×10周回)に参加した。レースは気温30度、湿度60%の環境で実施された。走パフォーマンスは、レースペース変動とレースペース低下率で評価した。赤外線式体温計を用いて鼓膜温を測定し、レース中の心拍応答を分析した。その結果、レースを通して4.3±2.0 %の脱水が観察された。レース中の平均走速度とレースペース低下率との間に有意な相関関係が認められた(r=-.885, p<.01)。また、レースペース低下率はレース前半の鼓膜温の上昇度と有意な相関を示した (r=.690, p<.05)。以上の結果より、暑熱環境下のウルトラマラソンにおける高いパフォーマンスはペース変動の小さいことに特徴され、レース前半の体温上昇を抑えることでレースペースの低下を抑制することが明らかとなった。しかしながら、本研究においてウルトラマラソン走行中の心拍変動とパフォーマンスとの関係は明らかにされなかった。


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