選手強化

スポーツ科学基金(アクエリアス基金)

2008年度 助成スポーツ科学基金 研究報告概要

レスリング選手におけるコンディショニングの評価に関する研究

研究者:環太平洋大学 体育学部 講師 嘉戸洋
共同研究者:久木留毅(専修大学)、和田貴広(国士館大学)、相澤勝治(東京大学)、増島篤(東芝病院)

レスリング競技は、体重階級制の競技であるため試合に向けて減量を行う選手が多い。このため、普段の体重コントロールを含めたコンディショニングが重要である。しかし、選手に対して適切な減量方法を指導するためには脱水の程度を客観的に評価する指標を用いることが有効と考えられるが、レスラーの急速脱水時のコンディション指標に関するエビデンスは少ない。そこで本研究では、減量時コンディションの客観的指標として尿中マーカーを用いてその有用性について検討することを目的とした。

対象は全日本レスリング選手権に出場した男子上位選手6名とした。測定は通常体重時(通常期)および減量後(減量期)の2回の測定をクロスオーバー方式で行った。減量は7日間で通常体重の4%を減量するよう被験者に指示した。

約4%程度の1週間の急速減量により尿中浸透圧が増大し、脱水時ストレス応答を反映している可能性が示された。また、尿中電解質であるカリウムおよびナトリウムも脱水により変動することから、脱水を伴う急速減量は、浸透圧、電解質バランスに影響を及ぼすことが示された。

4%の急速減量により浸透圧の上昇がみられたことから、尿中マーカーのモニタリングはレスラーの減量時コンディション評価として有益となり得ると考えられる。


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