選手強化

スポーツ科学基金(アクエリアス基金)

2008年度 助成スポーツ科学基金 研究報告概要

オリンピック代表アスリートをターゲットとしたアンチ・ドーピング教育プログラム導入に関する研究〜2009年からの世界規程の大幅な改訂への対応に向けて〜

研究者:財団法人日本アンチ・ドーピング機構 平井千貴
共同研究者:友添秀則、田辺陽子、浅川伸、小野多恵子

欧・米のアンチ・ドーピング活動先進各国における教育啓発プログラムにおいては、競技者と講習会講師との間での双方向コミュニケーションを重視した小規模グループでの講習会が重要視されている。また、スポーツの持つ多様な価値を再認識させることに重点を置いたものや、社会におけるロールモデルとして求められる役割にまで言及するものなど、その内容についても幅広い範囲が提供されている。 2009年1月、世界ドーピング防止規程(World Anti-Doping Code: WADA code)に全面的な改訂が実施され、様々な項目が追加された。この改訂を受けて、各国の国内オリンピック委員会や国内アンチ・ドーピング機関は、教育啓発活動に取り組むことが義務事項として新たに規定された。

現在の我が国の状況については、意図的なドーピング防止規則違反発生件数が少ない状況を踏まえ、「抑止」的なアプローチをもって対応することではなく、寧ろ、クリーンに競技に打ち込んでいる競技者が主対象であることを想定した、「価値教育」を導入することこそが求められていると考える。競技者が若年層から成長する過程において、適切な時期に適切な内容の情報を提供することにより、スポーツの価値をきちんと認識し、スポーツを守るという発想をもった競技者が育つとの観点から、教育啓発活動の重要性が指摘されている。

スポーツの主人公である競技者自身が、スポーツの価値を認識しドーピング防止活動への自発的な関与を促すことを目的とした教育啓発活動を実践する為には、年齢や社会的背景の異なった講師が語り掛けるスタイルでは無く、オリンピアン自らが競技者の目線でスポーツの価値を語りかけるプログラムを展開することが有効であると考えられる。

これらの背景から、諸外国における競技者向けの教育啓発活動の実情を調査し、我が国の現状に即した教育啓発活動プログラムを策定することを目的とした。


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