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2019.04.11 選手強化

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
平成30年度は4競技6名が修了を迎えた(写真:フォート・キシモト)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は3月17日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「平成30年度JOCエリートアカデミー修了式」を開催しました。JOCエリートアカデミー(以下、エリートアカデミー)は、オリンピックをはじめとする国際総合競技大会等で活躍できる選手の育成を目標に開校し、今年度で11年目。各競技団体から推薦された有望なジュニア選手を集め、味の素トレセンを拠点にして集中的な指導を行っており、平成30年度は7競技35名の選手が所属しています。

 今年度は4競技6名が修了を迎えました。式には修了生をはじめ、その家族や関係者、JOC、スポーツ庁、競技団体、学校関係者、エリートアカデミー在籍生らが参加。世界での活躍を目指して4月から次のステップへ向かう修了生たちは、温かな拍手で迎えられながら会場に入場しました。

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
平岡英介JOC副会長兼専務理事(写真:フォート・キシモト)
6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
スポーツ庁競技スポーツ課の籾井圭子課長(写真:フォート・キシモト)

 国歌斉唱の後、主催者を代表して平岡英介JOC副会長兼専務理事があいさつを行い、「修了生の皆さん、修了おめでとうございます。皆さんがエリートアカデミーで経験したことは、本当に貴重なことだと自信を持ってください。そして、ぜひともここで学んだことを基礎として、東京2020大会、2024年パリオリンピックを目標に進んでほしいと思いますし、今までの経験を生かして立派に成長した人間になっていただきたいと思います」と修了生を祝福。そして、JOC選手強化本部のスローガンである「人間力なくして競技力向上なし」の意味を改めて説明すると、「フェアプレーの精神、インテグリティの精神をしっかりと身につけて、これからの皆さんの新しい人生に向かって歩いていただきたいと思います」とエールを送りました。

 平野一成エリートアカデミーディレクターによる修了生紹介の後、来賓代表としてスポーツ庁競技スポーツ課の籾井圭子課長があいさつ。修了生たちがこれまでエリートアカデミーで学んできた経験や努力、成果に対してねぎらいの言葉を送ると、「どんなときでも、ここで頑張ってきたことを大切にしつつ、修了生としての自信と誇りを持って、そしてこれまで温かく見守ってくださった保護者の方をはじめ、JOCや各競技団体、学校など多くの方々に支えられてきたことを忘れずに、今後もさらに研鑽を積まれて、世界の舞台へと羽ばたくことを期待します」と祝辞を述べました。

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
平岡副会長兼専務理事から修了証授与(写真:フォート・キシモト)
6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
在籍生を代表して青木洋樹くんが送別の言葉(写真:フォート・キシモト)

 平岡副会長兼専務理事による修了証授与に続き、エリートアカデミー在籍生を代表して青木洋樹くん(ボート)が登壇。「私たちから見た先輩方はとても仲が良く、競技の垣根を越えて毎日生き生きと生活していました。それだけでなく、自分たち後輩にも気を配っていただき、毎日の寮生活を華やかで素晴らしいものにしてくださいました。そんな先輩たちが私たちの憧れでした。先輩が修了してしまうことはとても寂しいですが、これからそれぞれの道に向かって進んで行かれることを、心から応援しています。ひと回りもふた回りも立派になった先輩方に会えることを楽しみにしています」と送別の言葉を述べました。

 最後に修了生が1人ずつ決意表明を行い、アカデミーで過ごした日々を振り返りながら、お世話になった方への感謝と新たな道へと進む意気込みを語りました。

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
榊流斗くん(写真:フォート・キシモト)
6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
淺津碧利くん(写真:フォート・キシモト)

■榊流斗(さかき・りゅうと)
競技:レスリング
出身地:福島県
学校:帝京高等学校
進路:山梨学院大学法学部
主な競技成績:2017年カデット世界選手権大会 男子フリースタイル58kg級優勝など

「2013年の春、私はここエリートアカデミーに入校しました。今日までこのアカデミーのキャプテンを務めさせていただいている私ですが、6年前、当時12歳だった私は敬語もまともにしゃべることもできず、上下関係などさっぱり分かっていない中学生でした。それでも今、こうしてこの場に立てているのは、中学校入学から高校卒業までのとても貴重な時間の中でたくさんの素敵な人たちと出会うことができたからだと、私は感じています。苦しくも楽しい、そして競技者としても人としても成長できた6年間だったと思います。私は春から大学生になりますが、大学でさらにレスリングに磨きをかけ、東京オリンピックを目指します。まだまだ未熟ですが、私をここまで成長させてくださった全ての方々に感謝したいと思います。本当にありがとうございました」

■淺津碧利(あさづ・あおと)
競技:卓球
出身地:島根県
学校:帝京高等学校
進路:中央大学文学部
主な競技成績:2018年ITTFスウェーデンジュニアオープン 男子ダブルス優勝など

「私にとってエリートアカデミーとは、嬉しいことや楽しいことよりも、うまく行かなかったことやつらかったことの方が多かったと思います。私が6年間で一番つらかった時期は、高校2年生からの2年間です。1つ年上の先輩がおられなかったので、私が2年間、卓球男子のキャプテンになりました。先輩がいなくなってから、こんなにも最高学年ということが大変なんだと感じました。これからは大学生になります。これまでとは違い、自分次第でこれからの人生が変わってくると思います。この6年間で学んだことを生かして、大学生活を有意義に過ごしていきたいと思っています。また、社会に出て、エリートアカデミー修了生はしっかりしていると言われるような人間になりたいと思います」

■張本智和(はりもと・ともかず)
競技:卓球
出身地:宮城県
学校:北区立稲付中学校
進路:日本大学高等学校
主な競技成績:2018年ITTFグランドファイナル 男子シングルス優勝など

※大会出場のため、修了式は欠席

6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
月野敬子さん(写真:フォート・キシモト)
6名が新たな門出 平成30年度JOCエリートアカデミー修了式レポート
?田多聞くん(写真:フォート・キシモト)

■月野敬子(つきの・きょうこ)
競技:フェンシング
出身地:福岡県
学校:帝京高等学校
進路:法政大学国際文化学部
主な競技成績:2018年JOCジュニアオリンピックカップフェンシング大会 ジュニア女子サーブル優勝など

「エリートアカデミーの生活ではこの1年間、キャプテンとして色々な人とコミュニケーションをとることを心がけてきました。競技や年齢に関係なく、エリートアカデミーのチームとして仲良く、切磋琢磨することができていたのではないかと思います。この5年間を通して多くのことを経験し、学んで、成長することができました。4月からは法政大学国際文化学部に進学します。異文化や語学について学び、フェンシングにつなげていきたいと思っています。そして、今まで学んできたことを生かして、ナショナルチームに入って成績を残せるように、日々練習に励みたいと思っています。これからも精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」

■?田多聞(よしだ・たもん)
競技:フェンシング
出身地:長崎県
学校:帝京高等学校
進路:法政大学経営学部
主な競技成績:2018年JOCジュニアオリンピックカップフェンシング大会 ジュニア男子サーブル2位など

「私はこの4年間でたくさんの経験をし、成長することができました。エリートアカデミーでの出会いや刺激は、誰もが簡単に経験できるものではありません。なので私は、ここでの生活を誇りに思っています。最後まで自分の思うような結果を残すことはできませんでしたが、アカデミー生活を私の人生の中での貴重な財産だと思っています。4月から私は法政大学経営学部に入学します。また、一人暮らしを始め、今まで支えてもらっていた環境から離れ、自分を律し、さらなる飛躍をしていきたいと思います。ここで学んだ人間力、生活力、競技力を生かし、私の目標であるオリンピックに向かって進んでいきたいと思います」

■井浦一希(いうら・いつき)
競技:ライフル射撃
出身地:福岡県
学校:東京都立足立新田高
進路:医療法人社団如水会今村病院(佐賀県鳥栖市)
主な競技成績:2017年国民体育大会 ビームライフル少年女子立射60発2位など

※大会出場のため、修了式は欠席

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