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2012.08.12 オリンピック

【メダリスト会見】湯元進一選手「家族の言葉で吹っ切れた」

【メダリスト会見】湯元進一選手「家族の言葉で吹っ切れた」
レスリング男子フリースタイル55キロ級で銅メダルを獲得した湯元進一選手

 ロンドンオリンピックのレスリング男子フリースタイル55キロ級で銅メダルを獲得した湯元進一選手が11日、ロンドン中心部のジャパンハウスで会見を行い、メダル獲得後の心境を語りました。

――今の心境は?

湯元選手 率直な感想としてはこの4年間、金メダルを目指して頑張って練習に励んできて、準決勝で負けて気分も落ち込んだのですが、3位決定戦の前に日本を代表して戦っている誇りを持つためにはメダルを持ち帰って応援してくれている関係者に見せてあげたいという気持ちで戦って、今は悔しさと達成感の半々の気持ちがあります。

――小原選手など、自衛隊体育学校の選手が好成績をあげていますが?

湯元選手 僕は自衛隊に入って6年目なので過去のことは分からないですが、僕が思うのは周りのサポートがすごく充実していること(が要因)だと思います。トレーナーさんだったり、映像分析の方だったり、ほかのチームにはないようなサポートをしてくれるのが自衛隊体育学校の強さじゃないかなと思います。

――試合の疲れは取れましたか?

湯元選手 今は全身筋肉痛で首が固まって動かないですが、(気分は)すっきりしています。

――朝起きて最初にされたことは?

湯元選手 宿舎が2人部屋で兄貴と一緒で、今日試合でピリピリしていたのでにこやかにはしていられないというのもあったので、うれしい表情だけは出さないようにして押し殺していました。

――昨日は両親へのメダルの報告は?

湯元選手 まだ両親にはできてないです。準決勝の試合が終わって家族に会いに行った時に檄を飛ばされて、そこで話したぐらいです。

――どんなことを言われましたか?

湯元選手 親父からは「あんな内容ではダメだ。何してんのや」と怒られて、全力でやっていたので反発しましたけど、それでも一人になった時に冷静になって「なんでああいうことを言われたのかな」と考えて、それで自分で理解できてもう一度頑張らないとと、気持ちが吹っ切れて決定戦に臨めました。

――ご両親にはどんなふうに報告をしたいですか?

湯元選手 親父はレスリングの恩師でもあるので「この道に進めてくれてありがとう」と言いたいですし、母親は支えになってくれたので「ありがとう」と一言いいたいです。

――昨晩、お兄さんの健一選手とはどんなやりとりをされましたか?

湯元選手 向こうから「会場の雰囲気どうだった?」とか「試合前の調整はどうだったか?」と聞かれて、(朝は)僕の方が先に出てきたので握手して「おまえは絶対、勝てるから」と言って出てきました。

【メダリスト会見】湯元進一選手「家族の言葉で吹っ切れた」
「今は悔しさと達成感の半々」と語る湯元進一選手

――昨日の試合を振り返っていかがでしたか?

湯元選手 減量もうまくいって、やるべきことをやって試合に臨めたので100パーセントを出せたと思います。欲を言えばきりがないですが、それでも力を出し切れたかなと思います。(準決勝は)自分の得意技である片足タックルに偏りすぎてしまった部分もありますし、最後のラウンドは自分が攻める前に相手に触られてしまって、時間を稼がれてしまいそのまま終わってしまったのですが、相手よりもっと先に行けるとよかったなと。そこが敗因だったかなと思います。

――3位決定戦までにどう気持ちを切り替えましたか?

湯元選手 一人で落ち着いて考えて、親の言葉も借りて、健一とも話して、健一は北京オリンピックで決定戦を経験しているわけですし、「やるしかない。信じてやれば勝てる。お前の得意技は何だ」と言われて、信じて行こう、これで取れなかったらしょうがないと戦いました。

――メダルを取った時はどんな気持ちでしたか?

湯元選手 うれしさよりも、金メダルを目指していたので心から「よっしゃー」って感じではなかったわけですが、日本から駆け付けて応援してくれた人たちもいたので、その人たちの顔を見た瞬間、取れてよかったとうれしさが出てきました。

――今日のお兄さんの応援は家族と一緒に?

湯元選手 そうですね。まだ両親と話せていないので近くにいければと思っています。まだメダルも見せてないし、親父になんて言われるか分からないですけど(会場・笑)、とりあえず(メダルを)かけさせようかなと。

――今後のキャリアはいかがでしょうか?

湯元選手 今はロンドンオリンピックに全力を捧げてきたので、まずはゆっくりしたいという気持ちが正直な感想です。まだ28歳で体も動くので、まずゆっくりして続けることができれば、体が動くと思えば続けます。(招致活動をしている)20年の東京オリンピックの時はさすがに指導者になっているかもしれないですね。

――次を目指すにあたり、今後生かしたい点があれば教えてください。

湯元選手 やはり自信ですかね。まだまだ僕も不安な部分があったなと。タックルを取るには取るだけの技術の自信がなければいけない。それだけの経験を積めてなかったのかなと感じました。

――今回で経験が積めた感触はありますか?

湯元選手 タックルも取れましたし、それが得意技だったので、ほかの部分でひとつでも多く自信がある技が増えていれば、金メダルに近づけたのではないかと思います。

――レスリング界の今後について。

湯元選手 僕自身もそうですけど、金メダルを狙える選手が増えて、次のオリンピックを狙うのであれば本当に必死にやらないと代表になれないという層の厚さなので、レベルは上がっていると思います。

――レスリングの魅力はどんなところに?

湯元選手 同じ体重、一対一、しかも道着を着ていない、それでタックルで相手を倒すという戦いなので、そこに魅力を感じます。

――帰国までロンドンで楽しみたいことは?

湯元選手 昨日試合が終わって、まだ選手村のご飯も食べてないので、今日の夜ぐらいは選手村でゆっくり食べようかなと。レスリングの選手はお酒の好きな選手が多いので、みんなで行ければいいかなと思っています。

――お兄さんにはどんな試合をしてほしい?

湯元選手 僕から言えるのは(健一選手は)攻めれば強いので攻めることですね。弱気にならない姿勢を見せていれば、金メダルを間違いなく取ると思います。北京オリンピックのメダリストなので、僕よりも経験値があるので金メダルを取ると思います。

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