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2023.04.20 キャリア支援

アスリートとして輝き続けるために 「JOCキャリアワークショップ」を実施

アスリートとして輝き続けるために 「JOCキャリアワークショップ」を実施
鈴木統也JOCキャリアアカデミーアシスタントディレクター

 日本オリンピック委員会は3月24日、オンラインで「JOCキャリアワークショップ」を開催しました。本セミナーは現役(引退含む)選手またスタッフを対象に、充実した人生を送るため、人生や競技をする目的等の実現や探求に向かい自ら視野を広げ、結果として覚悟や自信を持って競技に集中するきっかけを作ることを目指して「JOCキャリアアカデミー」が主催。セミナーには現役アスリートと指導者を合わせて24名が参加し、第1部では水鳥JOC理事の講話、第2部では参加者同士で対話し自己理解を深めるためのワークショップが行われました。
 はじめに、進行役を務める鈴木統也JOCキャリアアカデミーアシスタントディレクターがセミナーの概要を説明し、人生100年時代の今、アスリートがキャリアを考えることの意義を説き、ワークショップのゴールを参加者に伝えました。

■第1部 講話~水鳥寿思JOC理事のキャリア観~

 第1部の講話では水鳥寿思JOC理事が登壇し、アスリートとしての経験と指導者としての経験を振り返りながら、自身のキャリア観について講義を行いました。
 はじめに、体操競技を始めたきっかけや、地元を離れて体操の基礎を作った日々を振り返りました。「幼少期に体操競技を始めたものの、なかなか周囲から期待をしてもらえなかった。なんとか見返したいという思いで挑戦し続けたことがモチベーションの原点」と話しました。
 高校三年生の頃に初めてジュニアナショナルに選抜され、大学進学後はレギュラーになるまでに成長したものの、大腿骨骨折の大怪我を機に「なんのために体操をやっているのか」と自問自答する時を経て、その後のリハビリ期間に、「できなかったことができるようになる」喜びと、「体操が出来ることは限りあること」という気付きを得たことで練習の質が上がり、大学三年時のユニバーシアード、アジア大会の代表選出に繋がったと語りました。
 大会後に再び前十字靭帯断裂の大怪我を負った際は、心理学を学び、セルフマネジメントに注力。「オリンピックに出場するために何点取る必要があるか、習得するために必要なことは何かを分析し、試合で最大限の力を発揮するための、自分にとって最適な心構えを持てるようになった」と話しました。

アスリートとして輝き続けるために 「JOCキャリアワークショップ」を実施
水鳥寿思JOC理事

 アテネオリンピックの金メダルから2年後、北京オリンピックまであと2年の時に「大学院に進学することが自分のキャリアにとって大切であり、充実した人生に繋がるのではないか」と感じ大学院に進学することを決断。しかしながら大学院進学後は競技を両立することの大変さを痛感したと語りました。北京オリンピックは直前の怪我などもあって出場できなかったものの、復帰戦のシニア大会で優勝したことで再び自信が生まれ、「怪我も多く、ここからの4年間は大変な期間になるだろうが、もう一度目指してみようという気持ちになった」とロンドンオリンピックを目指したいきさつを話しました。最終的にロンドンオリンピック出場は叶わなかったものの、挑戦してやり切ったので北京オリンピックの時とは違う気持ちで競技人生を終わらせることができたと語りました。
 そして、引退後に代表の監督に抜擢された際には、自身の力不足を感じ、ナショナルコーチアカデミーを受講して指導者としての学びを得たと話しました。
 監督として臨んだリオジャネイロオリンピックでは、男子団体競技等の金メダルを獲得。リオデジャネイロオリンピック以降は強化策を大胆に変更することに舵を切り、「いいものを取り入れて自分たちの伝統や今までのやり方ではないことから吸収していこう」と環境に合わせて変化していった経緯を話しました。また、「国際人養成アカデミーや統括人材育成トライアルで様々なことを学び、競技の普及やスポーツの価値向上に向けてクラブチームを作ったり、教材のアプリケーションを作ったりした」と競技引退後の活動を振り返りました。

 講話の最後には「現役の時は視野を広げる意識ではなく達成したい姿を延長させる意識が大切で、引退後は視野を広げて得意なものと他のものをかけ合わせていくことが大事。計画的な練習も大切だが、自分を高める努力とコミュニケーションが想像を超えた機会に繋がる。最終的なゴールは自分が幸せになることだと思うので、その最終ゴールを軸に考えていってほしい」とまとめ、第1部の講話が終了しました。

■第2部「自己理解を深める~大切にしている価値観は?~」ワークショップ

 第2部では「自己理解を深める~大切にしている価値観は?~」をテーマにワークショップが行われました。

 ここでは生まれてから今日までの出来事で、自身の性格や価値観に影響を与え、ターニングポイントとなったエピソードをワークシートに書き出し、次に75個のキーワードが書き出された一覧から「大切にしている価値観を表す言葉」に当てはまるものを直感で5つ選ぶ時間が設けられました。最後の仕上げとして、それぞれの経験から得られたターニングポイントに関連するキーワードを割り振り、それらをグループ内で発表、共有し、自己理解を深めました。最後に「明日から何をしてみたいですか?」という問いに対し、受講者の意見・感想が共有され、すべてのプログラムが終了しました。

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