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2022.07.12 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
プレゼンを行った5選手と桧野真奈美さん。左上から八角周平選手、宮澤拓夢選手、相原史郎選手、(左下)小林かなえ選手、桧野真奈美さん、成田琉夏選手。(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
岩渕健輔JOC理事(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月24日、味の素ナショナルトレーニングセンターウエストで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに211社/団体343名(2022年6月24日時点)の採用が決まりました。
 今回の説明会ではJOC主催のもと、10社17名が参加しました。

 最初に主催者を代表して岩渕健輔JOC理事が、アスナビ説明会に参加した企業に対する感謝の言葉を述べました。続けて「同じ年度に東京、北京と2回のオリンピックが行われ、ナショナルトレーニングセンターでトレーニングしたアスリートたちが多くのメダルを獲得しました。アスリートがメダルをとるためにはたくさんのサポートが必要ですが、ぜひとも皆様にはTEAM JAPANの一員となってアスリートを支えていただき、日本のスポーツ界の盛り上げの一助になっていただきたいと思います」とアスリートの採用を呼びかけました。

 続いて、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがアスナビの概要ならびに、過去にアスナビを通じて採用されたアスリートと採用企業の担当者のコメントを動画で紹介。さらに、資料をもとに雇用条件、夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技、アスリート活用のポイント、採用後のカスタマーサポート、これからの進め方などを説明しました。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
桧野真奈美さん(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
宮澤拓夢選手(写真:アフロスポーツ)

 次に、オリンピアンからの応援メッセージとして、ボブスレー日本代表として2006年トリノオリンピック、10年バンクーバーオリンピックに出場し、全日本ボブスレー選手権大会で8連覇を記録した桧野真奈美さんが登壇。桧野さんは現役時代に負った大きなけがや、競技を続けるための資金集めに苦労した経験を振り返り、「周りの方に恵まれたおかげで最後まで競技を続けることができました。上手くいかないことが人生の中でもいっぱいあると思いますが、全てが大事な経験になると思います」と語りました。
 また、就職を希望するアスリートと、参加された企業の方々へ向けて「これからスピーチするアスリートの皆さんには一人ひとりのストーリーがあると思います。皆さんには自分の思いに自信を持って伝えていただきたいと思います。また、選手たちは一生懸命お話すると思うので、企業の皆様には思いを受け取っていただけたら嬉しいです」とメッセージを送りました。

 その後、就職希望アスリート5名がプレゼンテーションを実施。映像での競技紹介やスピーチで、自身をアピールしました。

■宮澤拓夢選手(水泳/水球)
「私は高校3年時に第18回アジア競技大会で準優勝、30回ユニバーシアード競技大会で過去最高タイの5位という結果を残すことができました。来年度の世界水泳では、日本代表に選ばれるように自己分析を行なって練習に取り組んでいます。このような自己分析を行っていく中で情報の取捨選択能力が身についたと考えています。また、インターネット上で多くの情報が流通している中、全てを鵜呑みにせず、自分の観点で捉えることができるようになったのではないかと自負しています。
高校3年時と昨年の10月から現在までチームのキャプテンを務めていることからリーダーシップにも自信があります。チームをまとめるために個人面談を行い、選手の長所を気づかせ、伸ばすことで選手やチームのコンビネーションが向上したと考えています。大学を卒業した後もアスリート社員として競技を継続したいと思っています。マネジメント能力、リーダーシップ、情報分析能力を生かして企業様に貢献できるように頑張って参りますので、採用のほどご検討よろしくお願いします」

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
相原史郎選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
成田琉夏選手(写真:アフロスポーツ)

■相原史郎選手(スキー/アルペン)
「私は中学の時にジュニアオリンピックで優勝し、高校ではインターハイ優勝、大学では全日本学生スキー大会で優勝し、各年代でタイトルをとることができました。今後の目標は、ミラノオリンピックでメダルをとることと、招致中である北海道・札幌オリンピックで優勝することです。
私の強みは人を巻き込む力があることです。その強みをお伝えするエピソードが三つあります。一つ目は、W杯に出場するためのチャレンジです。いろいろな方々の協力でスイスの大会では優勝、ドイツの大会で8位となり、世界ランキングを大幅に上げてW杯出場をすることができました。二つ目は、活動資金を集めるための交渉と信頼の獲得です。活動資金を集めるために企業にアポをとり、自分を売り込むことで支援者を増やしてきました。三つ目は、リーダーとしての能力です。大学スキー部主将として、インカレ大学総合優勝を目指し、部員全員が目標に向かっていけるチーム作りをしています。その結果、1人は全日本スキー選手権で優勝、3人はナショナルチームに選出されるなど、全体のレベルを上げることができました。企業の皆様にご採用いただけましたらできることを率先して行動してまいります。そして、世界大会やオリンピックで活躍し、人々に感動や希望を与えられる選手になれるよう努力してまいります」


■成田琉夏選手(フェンシング)
「私の強みは三つあります。一つ目は勝負強さです。ピンチな状況でも試合の流れを引き寄せ、勝利へ近づくことができます。その勝負強さの根底にあるのは二つ目の分析力であると考えています。試合の中で得点・失点の理由付けを行ない、勝つ確率の高い技を仕掛けることができます。三つ目の強みは、コミュニケーション力です。チームで勝つために相手の立場に立つことや、相手の思考を言語化することを意識しました。その結果、意見を出しあえる環境作りに成功し、関東学生フェンシング大会の団体戦で優勝することができました。
私の目標はパリオリンピックに個人、団体の両方で出場し、メダルを獲得することです。オリンピックという舞台において、私の勝負強さは力になると考えています。三つの強みを生かし、相手の心を読み、瞬時に判断し、力強く戦うということを目標に日々練習に取り組んでいます。皆様の企業にご採用いただけましたら、三つの強みに加え、大学で深く学んだ社会言語学の能力を生かし、業務に取り組みたいと考えています。成田琉夏をどうぞよろしくお願いいたします」

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小林かなえ選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
八角周平選手(写真:アフロスポーツ)

■小林かなえ選手(フェンシング)
「私は中学2年生で初めて出場したサーブルの東日本大会でベスト4に入り、同年の冬には海外遠征に派遣していただきました。昨年末、ナショナルチームのヘッドコーチがフランス人のコーチに変わりました。そのコーチの考えを自分なりに理解し、チームの協力があってこそ勝利が得られると思うようになりました。最近の試合では冷静になると仲間の声が聞こえて、コーチやチームメイトの声から次の作戦を練り、点を取ることができるようになりました。成績も上り調子で、世界ランキングは4月時点で122位から45位まで上がり、アジア選手権、世界選手権の日本代表にも選出していただきました。皆さまの企業にご採用いただけましたら、社員の皆さま、一人ひとりとの対話を大切にし、ムードメーカーとして会社を盛り上げる立場となって活動をしていきたいと考えております。私のプレーを見ていただき、フェンシングを頑張っている姿で、社員の皆さまにも頑張っていただきたいです。そして、社員の皆さまからの応援を受けて、頑張ってまいります。ご静聴ありがとうございました」

■八角周平選手(カヌー/スプリント)
「私の強みは課題解決力です。アピールポイントとしては、困難な課題に積極的に立ち向かう行動力、多くの方から協力を得ていく交渉力、コミュニケーション力だと考えております。私が進学した筑波大学にはカヌー部がなく、一人で競技を管理する必要がありました。しかし、一人で練習する孤独感や、トレーニングに関する専門的な知識不足でスランプに陥ってしまいました。その中でも現状を変えようと思い、解決策を生み出したり、競技レベルの高い日本代表チームや自衛隊、体育学校などに連絡し、一緒に練習する機会をいただいたりしました。その結果、最終的に日本代表レベルの実力と実績を残すことができるようになりました。
企業からご採用いただいた際には、大学で得た知識、行動力、交渉力、課題解決力を生かし、向上心を持って業務に取り組んでまいりたいと思います。また、最後まで諦めず責任を持って取り組むことで、社内外からも広く信頼される社員になっていきたいと思います。そして、競技生活にも誠心誠意取り組み、企業の認知度向上、社員の連帯感や士気の向上に貢献したいと考えております。粘り強く取り組める八角周平をどうぞよろしくお願いいたします」

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
就職希望アスリート5名へ質問(写真:アフロスポーツ)

 プレゼンテーション終了後には、司会進行を務めた早水俊樹JOCキャリアアカデミー事業プランニングディレクターから就職希望アスリート5名へ「壁にぶつかった時の乗り越え方」について質問を実施。その後、アスリートたちによる一言アピールが行われました。
 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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