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2019.03.18 選手強化

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催(写真:フォート・キシモト)
平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
星野一朗JOC選手強化副本部長(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月15日、平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。

 日本のスポーツの未来のため、日本のスポーツに携わる人々のインテグリティ(高潔性)向上を目的とした本プログラムには、各競技団体のナショナルコーチ、専任コーチら50名が参加しました。

 最初にオープニングメッセージとして星野一朗JOC選手強化副本部長が登壇。「指導者の役割とは何なのか、スポーツの価値とはどこにあるのかを改めて皆さんと一緒に考える機会になればと思います。そして私たちには何ができるのか、どのように変わっていかなければいけないのかについて、他の参加者と意見を交わしてください」と、本プログラムの趣旨を説明しました。

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
上田大介JOC選手強化本部インテグリティ教育ディレクター(写真:フォート・キシモト)
平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
鈴木大地スポーツ庁長官がビデオメッセージ(写真:フォート・キシモト)

 次に上田大介JOC選手強化本部インテグリティ教育ディレクターが当日の内容について、「今日はインテグリティ教育のうちハラスメントに特化して、深くディスカッションしていきます。ハラスメントと言っても、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、そしてその対象や背景は多岐にわたります。皆さんが抱えている課題、その解決方法を徹底的に話し合えればと思います」と話すと、「皆さまに自覚と責任、そしてチームジャパンに携わる誇りを新たにしていただき、今日から取り組んでいくことは何なのかを落とし込むところまで話し合えれば」と今回のゴールが語られました。

 本ミーティングは3部構成で行われ、第1部では、始めに鈴木大地スポーツ庁長官がビデオメッセージで「今こそスポーツ界が一体となってインテグリティの確保に向け、前例にとらわれず、新しいスポーツ界として立て直すべく、指導者像、アスリート像、スポーツのあるべき姿を、スポーツに携わる皆さんが考えていかなければなりません」と呼びかけると、「指導者として知識、技術の習得はもちろん、課題発見、解決力やコミュニケーション力の向上など人間力を養うことが重要です。スポーツの意義と価値を理解した上で、スポーツとは何か、何のために指導をしているのかを常に自分自身問いかけて、選手はじめ皆さんに範を示してください」と参加者に訴えました。

 次に上田JOCインテグリティ教育ディレクターの進行のもと「スポーツの価値、日本代表が果たすべき役割を再認識し、自分自身の役割、自分自身の"あるべき姿"を考える」をテーマにグループディスカッションが行われました。グループ内で持ち寄った考えが話し合われた後、各グループの代表が全体にその内容を発表しました。

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
牛島総合法律事務所の柳田忍弁護士(写真:フォート・キシモト)
平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
グループ内で話し合われた内容を全体共有する卓球の宮﨑義仁ナショナルコーチ(写真:フォート・キシモト)

 続く2部では、まず牛島総合法律事務所の柳田忍弁護士が、スポーツ界だけではなく、一般企業であった過去の事件を事例に、ハラスメントの起こる背景や対応策を紹介。「スポーツ界の場合だと、一般企業とは違い、職場に居られなくなるだけではなく、競技自体ができなくなる可能性があるので、より注意が必要です」と話すと、加害者にならないため、加害者にされないための留意点を説明しました。
 また、「ハラスメントの最も大きな原因としては相手に対する尊敬の念が欠けてしまったり、相手を一人の人間として尊重できないといったことから起きるのではないかと思います。過去の相談でも、感謝されているか、ねぎらいの言葉をかけられているかが大きな要素になったことがあります。被害者の方がハラスメントでないと思ってくれれば告発されることはありません。皆さん一人一人が尊敬の気持ちを忘れず、相手を尊重する態度をとっていれば、ハラスメントは無くなるのではないかと考えています」と、アドバイスを送りました。
 
 柳田弁護士の講義後に行われたワークショップでは、参加者が経験していること、それぞれの競技団体の中で解決したいと思っている様々な課題について意見交換がされました。その後の全体共有では、「ハラスメントを気にするために以前より厳しく指導できなくなっている現状がある」など、各競技団体での問題がシェアされました。

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
宣言書にまとめた内容をグループ内で共有(写真:フォート・キシモト)

 続いてプログラムを振り返り、日本を代表する指導者・スタッフとしての行動宣言を作成するワークショップが行われました。本会を通じて話し合われたスポーツの価値、日本代表の役割、今後のビジョンについて、自身が中心として何ができるのか、どういう声を上げることができるのか、どういう行動ができるのかを宣言書に記入。その内容をグループ内で共有しました。

平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
JOCアスリート委員会委員長の澤野大地JOC理事より閉会の挨拶(写真:フォート・キシモト)
平成30年度JOCインテグリティ教育事業「第4回ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催
荒木田裕子JOC選手強化本部副本部長より閉会の挨拶(写真:フォート・キシモト)

 最後のクロージングセッションではJOCアスリート委員会委員長の澤野大地JOC理事と荒木田裕子JOC選手強化本部副本部長が閉会の挨拶に立ち、澤野理事は「アスリート委員会と各国内競技団体が協力して、ハラスメントなど諸問題の解決に取り組んで行く必要があるのではと思っています。選手には競技団体の方々と協力し、一人一人が自身で考えて、行動できるように人間力を高めていって欲しいです。それがスポーツの価値をさらに高めることにつながると考えています」と語りました。また、荒木田副本部長が「私自身は今回で3回目の参加になるのですが、毎回たくさんの学びがあります。以前に聞いた話でも改めて聞いて、感じ方が違ったものもあります。ハラスメントに関しても当たり前のように思っている物でも、こんな所までは気がつかなかったという部分がありました」と感想を述べ、本ミーティングを締めくくりました。

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