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2018.08.21 キャリア支援

アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催

アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催
第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は7月20日、「JOCキャリアアカデミー 独立・起業セミナー」を味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。

 このセミナーは、トップアスリートのセカンドキャリア支援「アスナビNEXT」の一環として実施。アスリートの競技引退後の選択肢の一つ「独立・起業」をテーマに、ノウハウを提供、実例を紹介し、キャリアデザインの参考としてもらうために行われています。5回目となる今回は、将来の独立・起業を目指す現役選手、指導者ら6名が参加しました。

 最初に、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがあいさつし、過去4回のセミナーで講師を務めた先輩アスリートの独立・起業の例を紹介。それら実例を踏まえ、「色々なアスリートが色々な思いを持って独立・起業されています。そういった思いを今日は皆さんに持ち帰っていただき、自分なりのアレンジをして将来に向けての糧にしていただければと思います」と呼びかけました。

■「自分の価値は何か? できることは何か?」

 この日のセミナーは2部に分けて行われ、第1部では、ゲストスピーカーとしてNPO法人ニッポンランナーズの理事長を務める金哲彦さんが登壇。「本当に好きなことを仕事にする」をテーマに講演を行いました。

アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催
NPO法人ニッポンランナーズの理事長を務める金哲彦さんが講師を務めた(写真:アフロスポーツ)
アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催
金理事長の話に受講者たちは熱心に耳を傾けた(写真:アフロスポーツ)

 金理事長は、早稲田大学在籍時代は箱根駅伝2連覇に貢献し、リクルート入社後はランニングクラブを創設し1987年別府大分毎日マラソン3位、1989年東京国際マラソン3位など活躍。現役を引退後は小出義雄監督率いる同クラブのコーチとして有森裕子さんなど数々のオリンピック選手を指導してきました。日本経済界を襲った不況の影響から2001年に同クラブが廃部となりましたが、金理事長は当時では珍しい地域密着型のランニングクラブ「ニッポンランナーズ」を創設。現在では国内屈指の人気を誇るランニングクラブに成長し、金理事長自身もコーチのみならず、テレビやラジオの駅伝・マラソン解説者としても活躍しています。

 金理事長は「多くのアスリートがスポーツでメシを食えるようになってほしい」「アスリートがスポーツで培ったことを、もっといろんな人の役に立ててほしい」という思いのもと、自身のこれまで歩んできた経歴や、アスリートから現在のビジネスに至る経験を紹介。「競技をやってきたことが人生を台無しにしてしまうことはあってはならない。スポーツに打ち込んできた努力は絶対に生かされるべき」と強調し、金理事長が考えるビジネスの基本、スポーツ選手の価値と職業人としての価値などを共有しました。
 その中で、ビジネスで成功するには「新たな市場の創造」が重要であると語った金理事長。「自分の価値は何か? できることは何か? という可能性を探ることが大事。まだ気付いていないリソースを生かすことができれば、もっともっとできることはたくさんあると思います」と述べると、自身が経験した価値の創造――すなわち、ニッポンランナーズ創設当時はプロのランニングコーチが地域密着型で市民ランナーを教えるという形態はなく、そうしたビジネスに陸上関係者からも疑問の声が寄せられたものの、結果は大成功。「自分が今までやってきたことを少し変えることによって、そこに今までなかった商品の価値が生まれました」という実例を挙げました。
 そして、講演の最後に金理事長は「ぜひ、皆さんの専門の競技で新しい価値を生み出していただければと思います」とメッセージを送りました。

アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催
第2では「新たな市場創りのアイディア出し」をテーマにワークショップを実施(写真:アフロスポーツ)
アスナビNEXT:「スポーツでメシを食う!」をテーマに第5回JOCキャリアアカデミー独立・起業セミナーを開催
受講者が挙げた自身の競技が抱える課題、ビジネスのアイディアなどについてディスカッション(写真:アフロスポーツ)

■新たな市場創りへアイディア、課題を共有

 第2部では、金理事長がそのまま講師を務め、「新たな市場創りのアイディア出し」のワークショップが行われました。
 ここでは、第1部の講演で金理事長が共有した経験やビジネスの基本、スポーツ選手の価値などを踏まえ、受講者は自身の競技に対して感じている課題、またはその競技や自分がアスリートであることをベースに起業する上でのアイディアなどを付箋に記入。金理事長はそれら1つの1つのアイディアや課題について受講者といっしょに掘り下げ、意見を出し合うなどディスカッションを行いました。積極的に意見やアイデア、質問が交わされる中、新たなビジネスの価値を生む着目点として金理事長は「人と接点を持つこと、コミュニケーションをとることが非常に大事。これからお客さんになる可能性がある人が何を求めているか、それに対して自分は何ができるかということを考えました」とアドバイスを送りました。

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