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2018.06.29 キャリア支援

冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催

冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
「第3回アスナビ選手研修会」を開催(写真:アフロスポーツ)
冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月20日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「第3回アスナビ選手研修会」を開催しました。アスナビを通じて採用されたトップアスリートを対象にした今回の研修会は、平昌オリンピック後ということもあり、冬季競技の選手が初めて参加。平昌オリンピックに出場したアイスホッケー女子日本代表など冬季競技の選手を中心に、夏季競技、パラリンピック競技合わせて26名が出席しました。なお、2部構成で行われた本研修会では「アスナビ選手として自覚を持つ」、「アスナビ選手同士のネットワークの構築」をゴールに設定。第1部の先輩社会人アスリート講話、第2部のグループワークを通じて、企業の一員として自身に求められる役割を果たすために何が必要かを考える場となりました。

 鈴木統也JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターの進行のもと、プログラムに先立ち、初対面の選手同士が自己紹介。続けて、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが登壇し、1990年〜2010年に及んだ日本経済の“失われた20年”により企業スポーツが激減したこと、それを受けてアスリートの就職を支援するためにアスナビが生まれた経緯を説明しました。この背景を踏まえ「去年1年間で38社に63名が採用されました。この新しい流れを絶やしてはいけないですし、アスリート社員が企業に貢献することで、さらに多くの企業がアスリートを採用していただくようになることが大事です」と強調。また、アスナビの目的の1つが「企業とアスリートがWin-Winの関係を築く」ことにも触れ、「企業にとってのWinをどのように実現していくかを考えてください。そして、アスナビのブランドとして自覚し、企業に貢献してほしいと思います」と呼びかけました。

冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
夏見円さん(写真:アフロスポーツ)
冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
上田春佳さん(写真:アフロスポーツ)

■先輩アスリート社員からのアドバイス

 プログラムの第1部では「先輩講話」として、2人の先輩社会人アスリートがそれぞれの体験談を語りました。1人目は、2002年ソルトレークシティー大会、2006年トリノ大会、2010年バンクーバー大会と3大会連続で冬季オリンピックに出場し、現在は全日本スキー連盟の理事を務めるスキー・クロスカントリーの夏見円さん。「経験から伝えられること」をテーマに講話し、現役時代は2つの企業に所属した経緯から、まず重要なこととして「あいさつ」「社員とのコミュニケーション」を挙げました。そして、応援してもらう選手になり、企業の中で自分の居場所を作るためには「会社内のことは自分のこととして積極的に関わること」、さらに「会社内での自分の役割、自分にしかできないことを考えることがヒントになります」とアドバイスを送りました。

 2人目は、アスナビ1期生として2011年4月にキッコーマン株式会社に入社し、2012年ロンドンオリンピック競泳女子4×100mメドレーリレーで銅メダルを獲得した上田春佳さん。恩師でもある日本水泳連盟の平井伯昌競泳委員長から勧められてアスナビにエントリーしたこと、入社後の仕事内容や大会での企業の応援の力、引退後の業務などを説明しました。夏見さんと同じく、応援してもらう選手になるためには社員へのあいさつ、コミュニケーションが重要だと挙げた上田さんは、後輩に送るアドバイスとして「企業がアスリートに求めているのは社内の一体感です。結果が全てではなく、選手の頑張りが大事。ぜひ皆さん、競技に頑張って社内を盛り上げてください」と述べました。

 また、講話の最後には質疑応答の時間が設けられ、選手たちは現在抱えている疑問や不安点などに関して夏見さん、上田さんと活発に意見交換しました。

冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
参加選手同士によるワークショップを実施(写真:アフロスポーツ)
冬季競技選手が初めて参加「第3回アスナビ選手研修会」を開催
「アスナビ選手に求められる意識やふるまいは?」をテーマに意見を出し合った(写真:アフロスポーツ)

■アスナビ選手に求められる意識、ふるまいとは?

 第2部は、参加選手同士によるワークショップが行われました。テーマは「アスナビ選手に求められる意識やふるまいは?」。選手たちは6グループに分かれ、まず事前準備として、アスナビ選手を求める人のイメージ、アスナビ選手の周囲にはどのような人たちが関係しているかを書き出し、それを念頭に「アスナビ選手に求められる意識、ふるまい」を各選手が付箋に記入していきました。そして、書き出された意見をもとに各選手がグループ内でディスカッションをして共有。さらに、グループ内でまとめた意見を今度は他のグループとも共有しました。

 これら第1部で行われた先輩アスリートの講話、第2部のワークショップで得た気づき、感想を話し合った選手たちは、今回の研修会で学んだことを踏まえて「今後、自分は企業内で何をしていくか」について考え、実際にアスナビ選手が所属企業で行っている発信事例をもとにディスカッション。そして、最後に目標設定として「どのようなアスナビ選手になりたいか?」「そのために具体的にやってみたいことは?」をそれぞれノートに書き込み、研修会の全プログラムを終了。研修会後には選手同士、また夏見さん、上田さんと名刺交換をし、意見を交し合うなど、最初にゴールとして設定した「アスナビ選手同士のネットワークの構築」を進め、選手としてだけでなく社会人としての交流も深めました。

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