OLYMPIAN2025
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それだけたくさんの練習をするにもちろん最初は体力が持たなも、体力が必要でしょうし、ケガもしやすくなるといった問題にもつながりそうですよね。坂本 かったので、練習が終わったらすぐに寝てしまうくらいすべての体力をスケートに奪われていました。ただ、だんだんやっていくうちに少しずつ慣れてきて、以前まできつくてできなかったことが今はできるとか、前よりはちょっと成長できたといったように、積み重ねることで少しずつできることが増えていきました。また自分自身、身体は強い方だと思っています。一度だけ大きなケガをしたことはあるのですが、それ以外は大きなケガもなく、やれるところまでやってしまおうと競技に向き合ってきました。ちなみに、当時、宮原選手とのコミュニケーションはとられたのでしょうか。坂本 初めて見たスケートアメリカの時は、本当に大先輩でしたし、おしゃべりするなんて考えられませんでした。でもそれから数カ月後、平昌2018冬季オリンピックに出場することになり、同部屋になったことでやっと打ち解けて、「練習って毎日あんな感じでしているの?」といった感じでお話を聞くことができました。そうして得たものはまた大きかったのでしょうか。坂本 はい、とても大きかったです。今後は坂本選手にとっての宮原選手と同様に、坂本選手が後輩選手たちの憧れの対象という立場になりそうですね。坂本 どちらかというと私は先生から言われてやらされてきたタイプだと思うのですが、今のジュニアの選手たちを見ていると、決してやらされているのではなく一人一人自分から取り組んでいる選手が多いと感じています。本当に意識の高い選手が多くて、逆にこちらの方が学ぶことばかりかもしれません。います。いよいよ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックまで、1年を切りました。改めて、大会に向けての意気込みを聞かせてください。坂本 オリンピックに向けた最終選考が12月の全日本選手権となります。そこまでの成績も大事になってくるので、どの試合も自分のベストな演技をして、オリンピックに出場できる条件を揃えていきたいと思います。そしてオリンピックに出場できた時には、団体でも個人でもメダルをとれるようにしたいと思います。ありがとうございます。周囲の期待も大きいと思いますが、坂本選手らしく笑顔で楽しんでいただいて、最高のオリンピックにしてください。こういう言い方をするとプレッシャーになってしまうかもしれませんが、オリンピックでまたメダルを獲得していただき、こうしてインタビューできることを楽しみにしています。坂本 はい、今だったら大丈夫です(笑)。ありがとうございます!いざ、ミラノ・コルティナへ―――――――9― そして、このたび新たにTEAMJAPANシンボルアスリートとして選出されました。その点についてどのように受け止めていらっしゃいますか。坂本 これまで、フィギュアスケート界のTEAMJAPANシンボルアスリートといえば、やはり宇野昌磨選手というイメージでした。それが私に変わるということで、最初はすごく不思議な感じがしましたが、選んでいただきとてもうれしかったです。今後は、坂本選手を目標にしながらフィギュアスケートを頑張ろうという子どもたちも、さらに増えてくると思います。フィギュアスケートを、ぜひこんな風に楽しんでほしいといった気持ちはありますか。坂本 フィギュアスケートは難しいとか、とっつきにくいイメージがあると思います。私も最初は遊びで滑りに行ったのがきっかけでしたが、何がきっかけで花が開くか分かりません。まずはスケートに触れていただき、こんな感じのスポーツだとちょっとでも知ってもらえたらうれしいです。そして、そこからまた世界に羽ばたく選手が一人でも出てきてくれたら、それこそ最高です。ぜひ気軽に、いろいろなリンクに滑りに行ってほしいと思ってDave Carmichael/AFLO※本インタビューは2025年4 月21日に行われたものです。全文はこちら

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