OLYMPIAN2025
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具体的にどのようにコミュニケー私は元々〝いじられキャラ〟な手も加わり、翌年の世界選手権は、チーム一丸となって戦えなかったと感じた大会でもありました。当時は、アイスホッケーのシステムに対する理解が浅い選手も多く、課題が多かったと思います。しかし今では、全員が日本のホッケーを理解し、選手一人ひとりが自分の役割を把握しながら、それぞれが成長をしようと考えています。世代の差もあって、当初はチーム内でのコミュニケーションがうまくとれないことがありましたが、2年半が経ち、最終予選の直前には、年代に関係なく自然とコミュニケーションがとれるようになっていたと思います。だからこそ、最終予選ではチーム一丸となって戦うことができました。チームワークの面でも成長しましたし、アイスホッケーのスキルや技術面でも本当に成長してきたと感じています。ションを図ってきたのでしょうか。小池 のですが、世代交代をしてからは、いじられることがなくなって、少し寂しさを感じることもありました。だからこそ、自分から「いじってよ」と後輩たちに声をかけたり、選手一人ひとりとコミュニケーションをとったりすることを意識してきました。私が積極的に声がけすることで、チーム全体のコミュニケーションの輪も広がっていったのかなと感じています。日本語は敬語文化の分、年功序列を崩すのは難しいですよね。小池選手ご自身から、目線を下げて輪に飛び込んでいく姿勢が素晴らしいですね。小池 本当にそうですね。話を聞いてみると、私は自分では〝いじられキャラ〟のつもりでも、気づけばいつの間にかベテランの立場になっていて、若い選手からすると話しかけづらい存在になっていたみたいです。「私は〝いじられキャラ〟なんだから、そんなこと気にしなくていいよ」と伝えながら、ここまでやってきました。アイスホッケーの魅力小池選手が感じるこの競技の魅力とは。小池 やはりスピード感ですかね。両チーム合わせて12人の選手が小さいリンクの中に立ちます。体と体の当たり合い、迫力のある臨場感といったところがアイスホッケーの魅力だと感じま―す――――ますよね。こういうところに注目して。―オリンピックはアイスホッケーをテレビで観戦するチャンスだともいえ観ると面白いよといったアドバイスはありますか。小池 アイスホッケーは、キーパー以外のスケーター5人1組がセットと呼ばれるシフトを組んで行うスポーツです。各チーム、そのセットが4つ組まれていて、30秒から40秒程度、全力疾走しては、次のセットが交代して入る。このように次々とセットが交代しながら試合を進んでいきます。セットごとに役割や特徴が違って、攻撃メインのセットもあれば、守りメインのセットもある。そういうところにも注目しながら観ていただくと面白いかなと思います。自分たちのセットと相手のセットの相性のようなものも勝負を左右しそうですね。小池 相手の研究については、スタッフの方がすごくよくやってくれています。「このセットはこの選手がキーポイントで、こういうプレーをしてくるよ」といった情報が試合前のミーティングで共有されます。ただ、どのチームも最初に出してくるセットは、強い選手を中心に組んでくることが多いので、そうした〝強いセット同士のぶつかり合い〟も試合の見どころの一つになってくると思います。最初のセットが強くても、やはり5人×4セットの20人全員のレベルをある程度底上げしていかないと、1試合全体は乗り切れないですよね。小池 はい。しっかり次のセットにつNaoki Nishimura/AFLO SPORT14

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