のライバルたちに対する思いを教えてください。渡部 応援される選手について一緒に考えていけたらいいですね。TEAMJAPANとして考えた時に、ただ努力をして、結果を出して、メダルをとりました、バンザイ、というだけではなく、その先に、何か社会的に還元できるものとか貢献できるものがあるはず。競技結果が素晴らしいからその人の人間性が素晴らしいっていうわけではないと思います。競技結果も大事ですが、キャラクターも大切。TEAMJAPANのみんなが、多くの人から応援されて注目が集まるような選手になれば、TEAMJAPAN全体がもっと応援されるようにサーという大事なその広告枠を活用して社会に還元するという形が、単なる一人の競技者としてだけではなくて、これから必要になってくる新しいアスリートの一つのモデルとしてのアクションになるといいですね。ですから、単純に気候変動に対していいことをしているというだけではなくて、これからの時代に必要になる新しいアスリート像がどういうものかを考えるきっかけの一つにできればと思っています。なるでしょうし、ではそういう選手になるためにはどうすればいいのかということを、いろいろな目線から一緒に考えることが大事なのかなと思います。十数年前、数十年前であれば、「自分はメダルをとるために全力を注ぐだけです」といった選手で良かったかもしれませんが、時代も変わって世の中が多様化してきた今、すべてのアスリートに求められる役割も変わってきていますから、そういう視点で物事を考えていかなければならないタイミングだと思っています。お話を伺っていると、改めて、オリンピズムやスポーツマンシップといった部分の大切さを感じます。渡部選手は気候変動や環境に対する危機感をもってさまざまな社会貢献的な取り組みをされていますよね。そういう行動からも、ただ競技力さえあればいいというわけではないというメッセージが伝わってきます。ソーシャルアクションとしてはもちろん、周囲の巻き込み方、アスリートの発信の仕方などを示していらっしゃいますよね。渡部 実際にスキーヤーとして競技やトレーニングをする中で、雪の環境の変化を自分の目で見て感じてきました。何かアクションを起こさなくてはいけないというのは、つねに思っていたことでした。自分のヘッドスポンYUTAKA/AFLO SPORTYUTAKA/AFLO SPORT12―※本インタビューは2025年4 月21日に行われたものです。全文はこちら
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