― AkitoWATABE渡部暁斗(スキー/ノルディック複合)6大会連続出場へ向けて渡部選手はこれまでオリンピックに5大会連続出場していて、来年のミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは6大会連続出場を目指すということになります。17歳での初出場以来、TEAMJAPANシンボルアスリートに選ばれたり、前回大会ではTEAMJAPANの旗手を務めたりといろいろなご経験を積み重ねていらっしゃいました。ご自身の成長や変化を感じている実感はありますか。渡部 競技に対する好奇心や探求心みたいなものは、17歳の時から変わっていないと思います。一方で、自分が置かれている状況は変化していますよね。10代、20代、30代と年を重ね、結婚したり、子どもが生まれたり。環境が変化していく中で、ある意味諦めに近い感覚もあるのですが、自分の心の中に余裕ができてきたという部分はありますね。私ももちろん聖人君子ではないという前提でこのような仕事を引き受けています。すべてのアスリートがいろいろな面を持っていますし、アスリートとして発信していくにあたっては、むしろ、そういう人間らしさを世の中に伝えていったほうがいいと思っています。TEAMJAPANシンボルアスYUTAKA/AFLO SPORTTakao FUJITA/PHOTO KISHIMOTO10Road to MILANO CORTINA 2026Athletes’ Voices応援される選手を目指して思い出の地・イタリアで描くストーリー渡部 暁斗(わたべ・あきと)1988年 5 月26日生まれ。長野県出身。98年長野1998冬季オリンピックのスキー・ジャンプ団体で金メダルを獲得した TEAM JAPAN を見て、9 歳でスキーを始める。中学から複合競技を始め、白馬高校在学中の2006年、トリノ2006冬季オリンピックでオリンピック初出場を果たす。10年バンクーバーに出場後、14年ソチ、18年平昌とノーマルヒル個人で 2 大会連続の銀メダルに輝く。世界選手権では09年ラージヒル団体で金メダルを獲得、ワールドカップでは17-18シーズンに初の総合優勝を飾った。22年、 5 大会連続出場となった北京2022冬季オリンピックではラージヒル個人、ラージヒル団体でともに銅メダル獲得を果たした。17年より TEAM JAPAN シンボルアスリートを務める。北野建設 SC 所属。17歳で初出場を果たしたトリノ2006冬季オリンピックから約20年。渡部暁斗選手は、経験と実績を積み重ねながら進化を遂げてきた。ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで 6 大会連続のオリンピック出場を目指すレジェンドが、過去、現在、そして未来へ、自らの思いを語る。中村聡宏=インタビュー・文 Interview & Text = NAKAMURA Akihiro
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