OLYMPIAN2019
6/40
06——競泳以外のアスリート仲間との交流はありますか。瀬戸 オリンピックの選手村では、日本チームの選手と会えば挨拶はするという程度で、競技に集中していて意外と交流する機会は少なかったです。ただ、バドミントンの奥原希望選手は同級生ということもあって、「自分は銅メダルだったから、のんちゃん(奥原選手)金メダルお願い」というやりとりをしたことを覚えています。彼女も僕と同じ銅メダルでしたから、「次こそは金メダルをとろうね」とお互い東京オリンピックでの金メダルを目指して頑張っているところです。 特に、1994年生まれの同級生たちの戦いぶりからは刺激を受けますね。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の活躍は、自分たち同世代のアスリートにとってもすごく大きな刺激になっています。オリンピックの金メダリストになることは、世界最高峰の舞台に立つことになるので、翔平と肩を並べられる感じになると思います。みんなに負けないように、そ瀬戸 ライバルがいなかったらここまで来られていません。レースでは競い合うライバルですが、終わればノーサイド、友達です。競泳という競技は、1対1の対戦ではなく、完全に区切られたレーンの中で自分と勝負するという特性があります。レースが終わった時に選手たちが互いにたたえ合っている姿は、外から見ていても気持ちがいいです。——ライバルとしてしのぎを削ってきた萩野公介選手の存在についてはどうでしょうか。瀬戸 永遠のライバルですし、東京オリンピックでも競い合う相手だと思っています。彼は今休んでいますが、一友人としてまた切磋琢磨(せっさたくま)したいので、「心から泳ぎたい」と思ってまた帰ってきてほしい。でも、絶対に負けるつもりはないですし、自分自身を磨き続け、彼が絶対に勝てないと感じるような存在になりたいです。リオデジャネイロオリンピックで彼に負けているので、次こそは自分が輝く番だと考えています。リンピックに出場し、銅メダルをとることができて良かったと思っています。ただ、夢はあと2つ上の順位ですので、東京オリンピックでは必ずかなえたいですね。——注目されるつらさは感じないですか。瀬戸 目指すアスリート像は、「親しみやすく、たくさんの方から応援してもらえるような選手」です。JOC(日本オリンピック委員会)のシンボルアスリートに選んでいただいていることも本当に名誉あることだと感じています。メディアへの露出も増えて、たくさんの人に注目されることで、競技者として恵まれている喜びを実感します。自分の思い描く人物像に近づいていると思うのですごく感謝しています。——理想のアスリート像に近づくために心がけていることはありますか。瀬戸 笑顔は忘れないようにしています。リオデジャネイロオリンピックでは悔しい思いをしましたが、同時に幸せな気持ちも感じました。東京オリンピックでは、最高の笑顔を一番高い場所で皆さんに届けられるようにしたいと思っています。刺激し合う仲間たち——瀬戸選手にとってライバルはどんな存在ですか。
元のページ
../index.html#6