OLYMPIAN2018
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11ジをもらったのですが、それを見てやっと「ああ、金メダルをとったんだ」と実感できました。リスペクトし合うライバル——今季は世界記録を3度更新して、大きな期待の中で迎えたオリンピックでした。プレッシャーとどう向き合ってきたのですか。佐藤 予選では大きなミスをしてしまいましたが、わりと落ち着いて臨むことができました。でも、2日後の準決勝、決勝に向けては、その前日にものすごい大きなプレッシャーがあって。その時にここにいる先輩方3人や他の先輩方、コーチ、スタッフ、トレーナーの皆さんが「力はちゃんとついている。大丈夫だから自分を信じて。俺たちも信じているから」と言ってくださった。そういうものも全部、力や自分の自信に変えて決勝に臨むことができたので、プレッシャーを力に変えることができたと思います。——チームパシュートは年間300日以上の合宿を通してチームワークを築いてきましたが、個人種目ではライバル同士です。チーム種目と個人種目でどのように気持ちに折り合いをつけていましたか。Text/編集部 Photo/AFLO SPORT菊池 普段の練習ではチームパシュートに特化したものが多かったので、パシュートの時はチームで、その他の時は自分で、と自然に分けていました。 気持ちの折り合いのつけ方は意識していなくて、まず個人の争いに勝たなければチームパシュートでも走ることができないので、氷上練習が始まる前までは本当に切磋琢磨でした。自転車練習でのパワー値などのリザルトやタイムトライアルなど、勝ち負けを常に意識していました。 押切美沙紀選手、松岡芙蓉選手を含めてナショナルオールラウンド強化選手の女子6人の中でそんなに大差があるわけではなく、みんな同じくらいでレベルアップしてきていたので、そこで競い合えたのが結果につながったと思います。まずは自分自身を磨くこと。そうすれば、チーム全体の力も上がると考えていました。髙木菜 練習はみんな一緒にやるので、その中でどうやって自分自身の気持ちを高めていくかは考えていましたね。また、練習以外の部分で、食事、体のメンテナンス、メンタルなど、自分が他の人に負けないように何ができるかについては、自分自身で常に考えていました。髙木美 ライバルという気持ちはあるのですが、その相手を蹴落としてまで

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