OLYMPIAN2013
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35自分には無縁の場所——初めてのオリンピックを振り返っていかがですか。池江 自分の中では100mバタフライで決勝に残ることがリオデジャネイロオリンピックの最大の目標だったので、それが達成できたのはすごくうれしかったですし、日本人初の56秒台も出すことができてすごくよかったと思います。でも、他の日本人選手とか、海外の同世代選手たちを見ていると、自分はまだまだだなと感じました。——海外の同世代選手といえば、ペニー・オレクシアク選手(カナダ)が100m自由形で金メダル、100mバタフライで銀メダルを獲得しましたが、どのように感じましたか。池江 昨年の世界ジュニアの100mバタフライでは私が1位で、オレクシアク選手が2位だったんですが、この短期間で急成長していて、オリンピックにしっかり合わせられることがすごいと思いました。100m自由形でも世界トップのキャンベル姉妹に勝って1位だったので、本当に尊敬しています。——刺激になりましたか。池江 負けて悔しい気持ちもあるので、東京オリンピックまでの4年間で離されず、追い抜けるように頑張りたいです。——池江選手がオリンピックを意識したのはいつですか。池江 自分には全然関係のない場所だと思っていました。2年前のジュニアパンパシフィック選手権で初めてジュニアの遠征メンバーに選ばれたんですが、そのときも「出られてうれしい」というだけでしたし。オリンピックを意識し始めたのは去年の世界選手権です。東京オリンピック開催が決まり、東京を目標に見据えるとリオも可能性があるかな、くらいの気持ちで。決勝に行きたいという目標も全然なかったんですが、タイムも順調に伸びてここまで来ることができました。——オリンピックに出て感じたことは。池江 世界選手権では水泳選手だけの選手村でしたが、オリンピックは選手村の中にいろいろな競技の選手がいます。海外選手にも食堂で会いましたが、たくさんの量を食べていて、選手たちのいろいろな面が見られるのは勉強になる面がたくさんあっていいなと思いました。楽しめたオリンピック——競泳チームには経験豊富な先輩がたくさんいますが、どんなことを聞きましたか。池江 先輩や先生からもうたくさん聞きすぎて、ここでは全部言えないくらいです(笑)。例えば「オリンピックには魔物がいる」とよく聞いていたんですが、魔物というのは自分の中にいるものですしね。たしかに、オリンピックは最高峰の舞台ですけど、普通に考えたらいつもの50mプールでいつもの試合と変わらないもの。そう思って臨んだ試合だったので、自分が思っていた以上に緊張はしたんですが、体がガチガチになって動かないとかそういうことはなくて、すごく落ち着いて泳げたと思います。——オリンピックは楽しめましたか。池江 初めての割には落ち着いて泳げて、いいタイムも出たのでよかったと思います。楽しむことを第一に考えていたので、充実していました。——次はいよいよ一番の目標である東京オリンピックですね。池江 海外選手がすごく伸びてきているので不安も少しありますが、リオデジャネイロオリンピックが終わり、次が始まっているという意識をしっかり持っていきたいです。東京オリンピックでは、自分自身ずっと前から言っている「メダルをとる」ということを一番の目標にして頑張っていきます。池江 璃花子(いけえ・りかこ)2000年7月4日生まれ。東京都出身。3歳で水泳を始める。2014年日本選手権では中学生として唯一出場全種目で決勝進出を果たす。15年日本選手権女子50mバタフライで優勝し中学生での全日本チャンピオンに輝く。16年リオデジャネイロオリンピックでは計7種目に出場。女子100mバタフライで予選、準決勝、決勝と連続で日本記録を更新し5位入賞を果たす。淑徳巣鴨高校/スポーツクラブ&スパ ルネサンス亀戸所属。水泳・競泳池江 璃花子Rikako IkeeInterview & Text:編集部/Photo:PHOTO KISHIMOTO、編集部(Interview)4年後はメダルをとりたい

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