OLYMPIAN2013
18/36

18最高の戦いを追求して——伊調選手が金メダルを獲得した日は、ご自身を含め日本人3選手が金メダルを獲得するという快挙でした。日本レスリング界にとって歴史的な1日を、伊調選手はどのように過ごしたのでしょうか。伊調 「3人で金メダルをとれたらいいね」とは話していましたが、決勝直前はひとりずつ動くため、シャワーを浴びたりマッサージをしたり、自分のコンディショニングに集中していました。——4連覇という偉業を達成して率直にどんな気持ちですか。伊調 周りの方から「おめでとう」とか「ありがとう」といったメッセージを数多くいただきました。多くの皆さんに支えていただいて、その気持ちでとれた金メダルだと思っているので、本当に感謝しています。ただ、情けない試合をしてしまって悔しいというのが率直な感想で、申し訳ない気持ちでいっぱいです。——伊調選手のお話からは、いつも、勝利以上に「最高のパフォーマンスを見せたい」という思いが強いように感じます。伊調 レスリングというスポーツを見て「面白いな」と感じていただけたら、レスリング選手としてうれしいですよね。勝つことはもちろん大事ですが、試合内容にこだわって競技と向き合い、突き詰めていくことで、もっといいレスリングが生まれると思っていま絶体絶命の試合終了間際、劇的な大逆転でオリンピック4連覇を果たした伊調馨選手。4連覇の重圧、自身のレスリング観、そして盟友・吉田沙保里選手に対する思い……。オリンピックレスリング史上初、日本代表選手初となる前人未到の偉業を達成した伊調選手の本音に迫る。伊調 馨レスリング道を極める旅Kaori Icho

元のページ 

page 18

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です