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シンボルアスリート・ネクストシンボルアスリート インタビュー

オリンピックコラム

演技で人の心を動かせる選手に。

宇野 昌磨(スケート・フィギュアスケート)

追いかける立場の強みを生かす

昨季は羽生結弦選手以来5年ぶり、日本人5人目のジュニアチャンピオンとなった(写真:Dave Carmichael/アフロ)
——今シーズンは待望のシニアデビューですが、具体的な目標を教えてください。

 自分はずっと追いかける立場でやってきて、ジュニアの最後だけ少し一番上でやらせていただきましたが、今季はシニア1年目。また追いかける立場になりましたが、追いかける方が緊張もしないですし、目一杯やれるんだなと思いました。今は本当に全力で夢中になって試合をひとつひとつやることが目標だと思います。
 グランプリファイナルにも出たいですし(※)、世界選手権にも出たいという気持ちもありますが、出るには練習も頑張らないといけないですし、一つ一つの試合で自分のベストさえ出せれば結果はついてくると思います。(※アメリカ大会2位、フランス大会1位でファイナルに進出。3位に入り、シニア1年目の選手として初めて表彰台に上がった)

——昨シーズンはジュニアでずっとトップを走って、初めて追われる立場を経験したということですね。

 はい。ノービスのときはありましたけど、久々にその立場になって、すごい緊張感と責任感があって、試合もガチガチで……考えすぎて思わぬミスをしてしまったり。でも、すごく練習をしたおかげか、それほど崩れることなくなんとか世界ジュニア選手権で優勝することができました。結果に救われたという感じで、内容はあんまりでしたが(笑)。

——以前は緊張しないタイプだと伺ったことがあるのですが、それはずっと追う立場だったからでしょうか?

 そうですね、本当に全然緊張しなかったんですよ。以前は「緊張ってなんだろう?」って思うくらいしていなくて。それは失うものがないからだったんだなと気付きました。
 昨シーズンは久々に緊張して、「これが緊張なんだ」と自覚して、何をしたらいいか分からない状況だったんですが、練習量というか“積み重ね”がなんとか(トップに)留まらせてくれた感じでした。狙ったり、結果を求めているときは本当に緊張しましたね。

——今シーズンはプログラムのレベルが上がっていますが、技術的な面でさらにプログラムのレベルを上げたり、精度を上げたいと思うところは?

 ジャンプで言うとほかの種類の4回転も入れたいですし、それ以外だと表現力だったり、つなぎの滑らかさというか、綺麗さをもっともっと磨いて、シニアの選手に見劣りしないような滑りができるようにしたいです。

——シニア1年目のプログラムとして、振り付けの樋口美穂子コーチから新たに与えられている課題はありますか?

 特にショートは最近使っていなかったアップテンポな曲で、最初はすごく手こずったんですが、だいぶ慣れてきました。一つにとらわれずにいろいろなジャンルができるようにしようということで、ああいう曲になったんですが、(樋口コーチには)いつもうまくいくように考えてもらっています。

——フリーは有名な「トゥーランドット」。「恐れ多い」とコメントされていましたが、実際にこの曲を提案されたときはどう思いましたか?

 僕は、定番とされている曲はあまり使ってきませんでした。しかもトリノオリンピックで荒川静香さんが金メダルを獲った曲だと聞いたときは「いいのかな?」と思いました。比べられるかもしれないですけど、僕は僕なりの表現で演技ができたら、また違う「トゥーランドット」ができるんじゃないかなと思っています。

演技で人の心を動かせる選手になりたい

2006-07シーズンの髙橋選手のフリー「オペラ座の怪人」。全日本選手権では圧巻の演技で優勝した(写真:アフロスポーツ)
——宇野選手が目指すスケーター像とは? 「こういう選手になりたい」というイメージはありますか?

 髙橋大輔さんのように、自分の演技で人の心を動かせるというか、心に残るような演技ができる選手になりたいです。

——髙橋さんに憧れるようになったきっかけは?

 2006年の全日本選手権(名古屋)で、僕は花束スケーターをしていたのですが、そこで滑ったフリーの「オペラ座の怪人」が本当にすごい演技で、そこから憧れるようになりました。

——2013年の全日本選手権は、初めてフリーで髙橋さんと同じ最終グループに。結果的にこれが最初で最後の機会になりました。

 まさかあそこで同じグループになるとは思っていませんでした。ただ、(自分のプログラムには)跳べるジャンプしか入っていなかったので、確実に、気楽にやりました。他の選手はソチオリンピックの選考がかかっていたので、5人の中にお客さんが1人滑っているみたいな感じでしたね。

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