北京オリンピック スペシャルコラム 第4回

日本を熱くさせた女子選手の活躍

文:折山淑美

歴史に記録を刻み込んだ、
日本ソフトボールチーム

開会式の頃には「まだ長いな」と思っていた大会も、連日の競技に追われているとあっという間に日にちが過ぎて・・・・・。今度は「後これだけしかないのか」と、何か寂しい気持ちになる。それはオリンピック取材では毎度のことだ。

この北京大会、女子マラソンが不振に終わってガックリし、競泳も17日に競技が終了すると、なんだか心寂しくなってきてしまった。だが、そんな心の隙間を十分すぎるほどの結果で埋めてくれたのが、女子選手たちの活躍だ。

特に21日、ソフトボール念願の金メダル獲得は、日本勢にも大きな力を与えた。

正直、決勝戦が始まる前は不安だった。朝から雨が降る空を見上げながら「出来れば明日に延期になってくれれば」と期待していた日本人は多い。なぜならその前日の20日には、エースの上野由岐子が昼には準決勝のアメリカ戦で9回、夜はオーストラリアとの3位決定戦12回を投げ抜いていたからだ。その球数は318球。いかに鉄腕・上野といえど、決勝で再びアメリカと対戦するにはハンディがある。他の選手が先発し、上野が途中から登板という起用が順当だと思えた。それが一日伸びれば、上野の先発が可能になると。

だが、予定通りに開始された試合で、斎藤春香監督は勝負に出た。上野を再び先発させたのだ。

「3連勝はきつかったというよりも、準決勝のアメリカ戦と3位決定戦のオーストラリア戦で投げさせてもらえたから、決勝でもこれだけ投げられたんです。アメリカに負けて、そしてオーストラリアと延長でやったことが、(結果的には)逆によかったんだと思います」
と話す上野は4回、前日の準決勝でホームランを浴びているバストスに、再度ホームランを打たれて1点を取られたが、それだけでアメリカを抑えきった。

対して日本は、上野の気力に応えようと発奮。3回に1点を先制すると、4回にも1点を加え、さらには最終7回にもダメ押しの1点を加える3対1で勝利したのだ。


写真提供:アフロスポーツ

「オリンピックっていう大会は最後かもしれないんですけど、ソフトボールという競技は続くので。その第一歩として金メダルが獲れたということは、本当によかったと思います」 と、2打席目にホームランを打って上野を援護した、主将の山田恵理は言う。

次回の2016年ロンドン大会から、正式競技を外れるソフトボール。だからこそ、その歴史に優勝という記録を刻み込みたいという選手たちの、熱い執念が実った瞬間だった。


写真提供:アフロスポーツ
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