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トリノオリンピックへ向けて / vol.1 スピードスケート&ノルディック・コンバインド編
2005年は第20回オリンピック冬季競技大会(2006/トリノ)の1年前の年。多くの冬季競技は出場権獲得のための重要な時を迎えています。この特別企画では、冬季競技の指導的立場にある方に、トリノへ、また次の世代へ向けて取組むべき課題などについて語っていただきます。 第1回は(財)全日本スキー連盟コンバインドチームの河野孝典コーチと(財)日本スケート連盟の青柳徹強化副部長にお話いただきました。
(財)全日本スキー連盟コンバインドチームの河野孝典コーチ (財)日本スケート連盟の青柳徹強化副部長

聞き手 田草川嘉雄

○ アテネ大会の成績を冬季競技選手のモチベーション上昇材料に
○ 自分との戦い 極限の緊張感の中で力を出し切る
○ 深刻な少子化問題と 急がれる一貫指導体制の確立


アテネ大会の成績を
冬季競技選手のモチベーション上昇材料に

-- いよいよウインタースポーツのシーズンが始まりました。2005年はオリンピックイヤーの前のシーズン。トリノ大会に向けてどうアプローチするかという意味で、非常に重要な冬といえそうですね。

青柳:オリンピック強化というのは、基本的に4年サイクルで活動していくのですが、今シーズンは用具等の試験をレースで試せる最後のシーズンですし、オリンピック本番を見据えたシュミレーションを行わなければならない重要な年であると位置づけております。

河野:夏季競技のアテネ大会では、日本代表選手の選考基準が厳しくなりました。当然トリノ大会でも、今までより基準は厳しくなるでしょう。ですから今季は自分たちのレベルを少しでもあげて、まずは出場枠を充分に確保したい。特に今年は世界選手権があるので、そこで良い結果を出してオリンピックに向けて勢いをつけたいと思っています。

-- アテネ大会では日本が空前のメダルラッシュでした。そういう夏のスポーツの活躍を見ていて、冬季スポーツの関係者としては刺激を受けましたか。

青柳:夏季の競技成績は、かなりプレッシャーになりますね。我々も結果を残さなければいけないという、身の引き締まる思いがあります。スピードスケートでは6大会連続でメダルを獲得していますので、その流れを途切れさせないようにしたいです。

河野:アテネ大会のときには、ちょうどサマーグランプリのためにヨーロッパにいました。どの国もテレビ放送というのは、基本的に自国の選手が中心ですし、入ってくる情報量も日本ほど多いわけではないにもかかわらず、今回は画面に日本の選手が映る回数がとても多かったんです。ああ、頑張っているんだなと心強く思いました。青柳さんが言われたようにプレッシャーでもありますが、反面、選手たちはかなり刺激されていますからモチベーションも少しずつ上がってきています。プレッシャーに感じるのではなく、いい方向に気持ちを持っていってほしいですね。

-- 今回のアテネ大会での日本チームの活躍、その原因についてはメディアでもかなり話題になりましたが、そういうことに関して、何か感じたことはありますか。

青柳:大活躍の要因のひとつにJISS(国立スポーツ科学センター、2001年10月オープン)がうまく機能したということが挙げられます。最先端の施設を充分に使えて、恵まれた環境のなかでトレーニングができたということや、サポートスタッフの協力を得られた効果はとても大きかったように思います。

-- JISSという施設のハード、ソフト両面での充実というのは、日本のスポーツ界にとってものすごく大きな役割を果たしつつあるようですね。

河野:貧乏な競技団体ほど助かっていますよ(笑)。これまで練習場所を確保できなかったようなチームが、あそこならばそういう不安を感じることなく練習に集中できる。それだけでも計り知れないメリットがあります。

-- 河野さんはドイツにコーチ留学をされていますが、ヨーロッパのスポーツ先進国と比べて、日本もそういう面で進みつつあるということは感じますか。

河野:いわゆる箱物はお金がありさえすれば、いくらでも揃えることは可能です。しかし人材を含めたソフトの部分をきっちりと充実させなければ機能しません。その点JISSは、他のスポーツ先進国と比べても、見劣りしません。ただ、どうしてもキャパシティの問題で限界が出てくるので、より幅広いサポートをするという意味で、ナショナルトレーニングセンターのような施設も絶対に必要になっているのでしょう。

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