/ 選手強化 / TEAM JAPAN DIARY
TEAM JAPAN DIARY

オリンピック

≪ < | 1 | 2 | >

2010/12/17

第7回スポーツと環境担当者会議を開催

JOC1029日、「第7回スポーツと環境担当者会議」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。JOCスポーツ環境専門委員、スポーツ環境アンバサダー、競技団体の担当者など約90名が参加、スポーツと環境に関する啓発・実践活動の理解と相互連携を図りました。

Pkk101029015 あいさつする水野副会長

 

■開会の挨拶

今回のテーマは『スポーツと環境・新たな取り組みについて』。はじめに、国際オリンピック委員会(IOC)スポーツと環境委員の水野正人JOC副会長があいさつ。「IOC1990年代に、『環境』をオリンピックムーブメントに加えることを決定し、環境活動に取組んできました。各競技団体で、これなら取組んでみようかということを考えながら今日のセミナーに参加いただきたいと思います」と話しました。

 

■環境省との連携 チャレンジ25の推進と協力

 

第一部では、「環境省との連携について〜チャレンジ25とスポーツ間の連携について〜」と題し、対談が行われました。環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室の植田明浩室長と、JOCスポーツ環境アンバサダーの中村淳子さんを招き、JOCスポーツ環境専門委員会の板橋一太委員長がコーディネーターを務めました。

 

植田室長は「JOCと環境省は長い間連携し活動をしてきました。スポーツ界を通じた広報普及活動は、今や切っても切れない関係になっております」と話し、環境省が現在進めている「チャレンジ25」と、2009年度まで行っていた「チームマイナス6%」について紹介しました。1990年比での温室効果ガス6%削減を目標にした「チームマイナス6%」は2005年度から始まり、同25%削減を目指す「チャレンジ25」は2009年度から推進されています。植田室長は「どちらもストップ温暖化に向けて国民一丸となって取組むという点では同じ。ただし、6%の削減は身近な取り組みで達成出来る目標だったことから、こまめに電気を消すなどの個人が取組めるものが中心でした。しかし25%削減という目標となると、社会全体や地域全体で取組む必要が出てきます。エコ住宅、カーボンオフセット、地産地消などの取り組みが加わったことが新しい点です」と紹介しました。企業・団体と個人それぞれでチャレンジャーの登録を募集しており、個人チャレンジャーはすでに40万人を超えているそうです。

 

最後に植田室長は、「スポーツと連携して地道に広報啓発活動をしなければならないと感じています。ストップ温暖化の活動は、自転車に乗るなど健康じゃないと出来ない取り組みも多いです。健康=エコというイメージがあるので、スポーツ活動をされる方々に活動をぜひ広めていただきたいと思っています」と呼びかけました。

 

続いてアンバサダーの中村さんが身近な取り組みについて話しました。中村さんは柔道女子48s級の元選手で、昨年に第一子を出産、子育てと柔道指導者の生活を両立されています。「家庭で生活していると毎日のゴミの量に驚かされています。アンバサダーという立場になり、環境省のウェブサイトを見て勉強するうちに、小さな意識の差で取組めることがたくさんあると分かりました。まずは新しく購入する電化製品を省エネタイプにするなど意識しています」と中村さん。

 

また住んでいる自治体の取組みについて紹介しました。「私の自治体での取り組みは、これまでの3R(Reduce,Reuse, Recycle)から5R(3RRepair, Refuse)になり、それを参考にしています。Repairは壊れたものも修理して使うこと、Refuseは不要なものは買わない、もらわないということです。買い物をした時に過剰な包装紙を断ったりする心がけを始めました。また児童館では、牛乳パックの空き箱で椅子を作ったり、空のペットボトルでおもちゃを作ったりしているのを見て、新しいものを買わなくても工夫次第で出来ることがあるのだと気付かされています」と話し、小さな心がけの積み重ねが大切だと訴えました。最後に、「私たちは、世界を目指すスポーツ選手・指導者なので、世界全体の環境を意識した啓発活動を考えていきたいと思います」と気持ちを引き締めていました。

 

板橋委員長は、「IOCでは『サスティナブル(持続可能)なスポーツ活動』という観点から環境活動を展開していますが、言葉は違っても中身は同じ。JOCと環境省で連携しながら環境対策を進めていくことが、IOCの目指すサスティナビリティにつながっていきます」とIOCとの関わりについて触れ、対談を締めくくりました。

Pkk101029045 植田室長

Pkk101029059 中村さん

 

■バンクーバー冬季オリンピックの環境対策

 

続いて「オリンピックと環境について〜バンクーバー冬季オリンピックを終えて〜」と題し水野副会長と、JOCのホームページ担当としてバンクーバー大会の取材をした博報堂DYメディアパートナーズの野口美恵さんが対談しました。

 

水野副会長は「バンクーバー大会は、私たちはスプリングオリンピックと呼んだほど暖かく、雪不足に悩まされた大会でした。組織委員会では、SSET(持続可能性・スポーツ・イベント・道具箱)という手法を立ち上げて環境対策に取り組んでいました」と、バンクーバー大会の概要を説明。大会組織委員会の取り組みについて、野口さんは「大会誘致が決定した7年前から、組織委員会は環境の専門部会を作り、計画を実行してきました。環境専門のコンサルタント会社と契約するなど、地域や社会を取り込み組織的に環境対策に取組んだ大会として、ロゲIOC会長や各メディアでも高い評価を受ける大会となりました」と全体像を紹介しました。

 

そして具体的な取組みとして(1)シンボルとなる建物の建設、(2)グリーンビルディングガイドラインの設定により一定の指標作り、(3)氷関連施設の廃熱を電気に再利用、(4)政府や企業を巻きこんだ活動――という4つの柱が紹介されました。

 

野口さんは「まず(1)のシンボルについては、松くい虫の被害にあったパイン材を天井に利用したスピードスケート会場『オリンピックオーバル』の取り組みが特徴のある活動で人々の心に印象付けることが出来ました。さらに(2)のグリーンビディングガイドラインは、建物の環境配慮を評価するものですが、これまでバンクーバーには環境基準がなかったので新しい取り組みでした。(3)の廃熱の再利用は、日本のスケートリンクでもプールを併設するなど昔から行われている取り組みですが、すべての施設で行ったという所に意味があります。(4)はスター制度という表彰で、環境貢献・社会貢献・経済貢献などにつながる活動をしたスポンサーや納品業者、政府など62の団体が、選手のメダルセレモニーと同じ会場で表彰を受けました」と具体的な取り組みを取り上げ説明しました。

 

そして最後に、「この組織委員会が目指したゴールは、デモンストレーションです。さまざまな取り組みを可能な限り行い、1つでも多く人々の目に触れ、次の行動へのお手本やきっかけになることが目標です。会場の売店で使う食器を再生紙や廃材を使うなど目に見える小さな取り組みをする一方で、選手村の建物の全体で非常にエネルギー効率の高いシステムを導入するなど目に見えない部分で大量の温暖化ガス削減も実行している。ソフト面とハード面から上手に環境対策を実行し、これ以上思いつかないくらい全力で取り組んだことが、バンクーバーの組織委員会が目指したサスティナビリティの形でした」と結論しました。

 

また大会組織委員会の取り組みという観点から、水野副会長は日本水泳連盟の取り組みについても紹介。「大会時のリザルト等紙で配布していたものを、ネット上に掲載するようにし、消費する紙を削減しました。また選手・役員に配布していたペットボトルの水も、大きなタンクを用意し、マイボトルを使うか紙コップを11個まで配布する方式にして、ペットボトル削減につなげました。各競技団体でも参考にしていただければと思います」と話しました。

Pkk101029119 野口さん

Pkk101029142_2 水野副会長 (左)

 

 

FISフリースタイルスキー世界選手権猪苗代大会でのカーボンオフセット

 

第二部は、「競技会場の施設と環境について〜スポーツ大会の運営とその施設での実践活動〜」として、猪苗代で行われた2009FISフリースタイルスキー世界選手権猪苗代大会(20093月2日〜8日、猪苗代町・磐梯町)での取り組みについて、福島県会津地方振興局の畠利行局長が報告しました。

 

この大会は、大会開催に伴い排出された二酸化炭素をグリーン電力証書によってオフセットするという、非常に画期的な取り組みで注目を集めました。畠局長は「まず大会全体での二酸化炭素の削減努力をしました。エコカーやハイブリッドカーの利用、ゴミの分別持ち帰り、公共機関利用の呼びかけと、鉄道での輸送。さらに自然エネルギー導入の検討として、太陽光発電や温泉廃湯利用ヒートポンプの導入などを検討しました」と、二酸化炭素の削減努力について紹介。「4つの競技会場、宿泊施設、式典会場、交通機関やシャトルバスなどの消費電力量や使用量から算出した排出量は272t。これを、郡山布引高原風力発電所や太陽光発電設備で生み出された自然エネルギーの環境価値分によるグリーン電力証書で、カーボンオフセットしました」と説明しました。この事業は、平成20年度(2008年)環境省カーボン・オフセットモデル事業にも認定され、補助金を受けて実施したそうです。

 

さらに事業の成功だけでなく、普及啓発活動にも発展させました。「福島県スキー連盟の協力をいただき、未来の環境共生スキーヤー育成事業を行いました。まず小中学生を無料送迎バスでのべ361700人招待し、競技観戦を通してスキーに関心を持ってもらいました。同時に、地球温暖化に関する学習の時間を設け環境教育を行いました。スキーは温暖化が進むと出来なくなってしまう競技です。温暖化防止に一丸となって取り組んでいます」と、非常に先進的かつ組織的な取り組みをした事例を紹介いただきました。

Pkk101029150 畠局長

 

■競技施設での取り組みを紹介、水野IOCスポーツと環境委員

 

続いて、「環境活動の今後の展開について」として、水野IOCスポーツと環境委員が登壇。地球温暖化の原因や、IOCにおけるこれまでの環境活動や決議を説明。その上で、各競技施設ではどんな取り組みが行われているかを、各競技施設の写真を交えながら紹介しました。「大阪市中央体育館は、天井全体が緑で覆われており、雨水も再利用しています。北神戸田園スポーツ公園は、緑をたくさん残した施設で、太陽光発電なども行っている。東京都はすべての小学校の校庭で、芝生化を進めています。今後のオリンピック招致においても環境活動への取り組みが重要になってきますので、日本国内での事例をこれからも多く集めていきたいです」と話しました。そして最後に「スポーツ競技には、その施設が欠かせません。私たちは、施設の環境に配慮していくことを考えていきましょう」と呼びかけました。

 

■競技団体環境活動についての報告

 

(財)日本陸上競技連盟 石上敬久総務部長から、連盟主催の大会において、環境ブースのテントを必ず出して、環境啓発、チャレンジ25への会員の呼び掛け等を行っていること。紙削減の取り組みとしてパソコンやiPadを取り入れる計画などを検討していること。また、キッズアスリートプロジェクトの中で花の種を参加者に配布し、花一杯運動を実施していることを報告。

 

(財)日本サッカー協会 玉利聡一総務部係長(環境プロジェクトメンバー)から、サッカー協会として取り組んでいる『クリーンサポーター活動』と題した、試合後観客と一緒に清掃活動を行う取り組みについて説明。また、今後の展望として、指導者を対象に、環境啓発について理解してもらえるプログラムを作成し、競技指導と併せて環境啓発への理解を持ってもらえるようコミュニケーションを図るシステムを検討中と報告。

 

()日本テニス協会 生沼明人JTAスポーツ環境委員から、協会作成の環境啓発ポスターを紹介。ジュニア選手の大会を中心にポスターを掲載し、指導者でもある松岡修造氏を中心に環境啓発活動を行っていることを報告。

 

(社)日本アマチュアボクシング連盟 寺崎誠常務理事より、大会では紙削減、ゴミの分別などを呼びかけると共に、懇親会等の場で寺崎常務理事から地球温暖化をテーマにした話しを行い、環境問題についてより多くの方に理解してもらうよう取り組んでいることを報告。

 

■閉会の挨拶

 

最後に、板橋委員長から「バンクーバーの環境活動はIOCの環境活動のスタンダードになっていくと思われます。猪苗代の取り組みは、カーボンオフセットの考え方や二酸化炭素排出量を測定するという姿勢が重要だったことから紹介いただきました。今回得た情報をもとに、それぞれの立場から環境対策に取り組んでいただきたいと思います」とあいさつし、有意義な会議を締めくくりました。

Pkk101029190 板橋委員長

(写真提供:フォート・キシモト)

2010/11/14

トライアスロン女子、金・銀メダル! ロンドンオリンピックへの大きな弾みに

文・折山淑美

 

大会初日の11月13日の午前9時(現地時間)にスタートしたトライアスロン女子、足立真梨子選手はランに入って1.25qの最初の折り返しで、自分の勝利を確信した。バイクのラストとランへのトランジットで5秒だけ先行していた張充貞選手(韓国)を最初の上りであっさりと捕えて抜き去る。呼吸はきつかったが相手が離れていくのは分かった。

「このまま自分のペースでいけば勝てる」そう思ったのだ。大会前から足立選手は、優勝候補と注目されていた。世界ランキングは昨季の31位から大きく上げた9位。出場11選手中でそれに続くのは30位の土橋茜子選手で外国勢は韓国の張選手が101位という状況だった。

「正直、広州へ入ってからは期待されていることも感じて不安にもなりました。でも自分がやるべきことはここでメダルを取ることだと考えていたので…。最後に飯島監督から『大丈夫だ。いける!』と背中を叩いてもらった時に、普段通りのレースをすればいいと覚悟を決めました」

スイムでは最初からトップに立ったが、1周目のトランジットで2位に付けた土橋選手との差が開いていると見て2周目からはペースを押さえ目にしたという。バイクをひとりで走るより、ふたりで協力しながらローテーションをしていった方がランには楽に入れると考えたからだ。バイクの3周目で後ろのふたりが追いつき、6周目には7人のトップ集団になったのも想定通りだった。

飯島監督も「4通りくらいのパターンも考え、最初からふたりで飛び出していくという選択肢もあった。だがスイムで余裕を持って上がり、バイクでも集団でパックを作っていってランに持ち込んだ方が一番硬い勝負に持っていけると思った。狙いどおりにいけたのが勝因だった」と話す。

日本チームの目標は金、銀の独占だった。それを確実にするために、ふたりがスイムをそのあとのトランジットで少しミスをしてもいいくらいの余裕を持ったタイム差で上がり、他の国の選手にバイクで追わせて自信のあるランでの勝負をもくろんだのだ。それはピタリとあたり、ランにはトップと4秒差で入った土橋選手も、2周目に入ったところで帳選手を抜いて2位に上がった。「バイクからランのトランジットで少しもたついたけど、状態は良かったしランでは勝負できると思っていたので不安はありませんでした。勝利を確信してからのラスト2周は本当に気持ちよくて。今まで支えてくれた人たちの顔を思い浮かべながら走っていました」

こう話す足立選手はかつては競泳の選手だった。だが飯島監督に誘われて大学2年からトライアスロンに転向。04年には大会中にバイクで転倒して左手首を骨折し、恐怖心を抑えられなくなったこともある。大学を卒業した06年から上京してトーシンパートナーズ・チームケンズに所属して競技に打ち込み始めた。08年北京オリンピックでチームメイトの井出樹里選手が5位入賞を果たしたのを見て、「このままでは終わりたくない。そのためにも自分が変わらなくてはいけない」と思うようになった。それが今季の成長にもつながっているのだ。

「競泳ではなかなか勝てなかったけど、自分は遠回りをする人間だと思うから。その中でいろんな勉強をさせてもらって、ようやくつかんだ日本代表で金を取れたのは大きな一歩だと思います。海外の選手と比べるとまだバイクが弱いから強化していかなくてはいけないが、プレッシャーの懸かる大会でしっかりと狙って結果を出せたことは。ロンドンへもつながる大きな金メダルだったと思います」

2年後のロンドン大会の出場枠は最大3。世界ランキング50位以内に6人の選手がいる日本の女子選手たちはは、代表になるために厳しい戦いを強いられることになる。

2位になった土橋選手も「金メダルを狙っていたから正直悔しい。途中でどんな展開になっても最後のランでは足立さんとの対決になると思っていたので。1周目で離されてしまったのは悔しいが、最後まで諦めずに走れたのは良かったと思います」

こう言いながらも「今回は世界一のチームということを証明したかったので、この結果をきっかけにこれからは、アジアではなく世界を目指したいと思います」と、強いプライドを覗かせた。

これから始まるオリンピック代表の座をかけた激しい競り合いこそが、日本女子を世界で戦えるアスリートに育てていくのだろう。今回の金、銀独占は、そこへ向けての大きな弾みになる結果だった。
Aflo_lkga985897 金・銀のメダルを獲得した足立選手(左)と土橋選手(AP/アフロ)
Aflo_lkga985908 ゴール後笑顔を見せた土橋選手(左)と足立選手(AP/アフロ)

2010/11/12

広州アジア大会開会式、日本は13番目の入場

文・松原孝臣

 

11月12日、アジア地域で4年に一度行なわれるアジア最大のスポーツの祭典、アジア競技大会の開会式が行なわれ、開幕しました。今月27日まで続く、熱戦の始まりです。

 Aflo_jyfa063986 入場行進する日本代表選手団(アフロスポーツ)


Aflo_jyfa063982 盛大な演出がされた開会式(アフロスポーツ)
 

今大会の開催地は中国の広州。大会のテーマは、「激情盛会 和諧亜洲」(アジアの調和)です。大会には、IOC(国際オリンピック委員会のロゲ会長も出席しました。

 

開会式は、広州の中心を流れる川、珠江の島「海心沙」に設けられた特設会場で開かれました。広州は、交易の拠点として発展してきた都市だそうです。その歴史にふさわしく、会場は帆船をモチーフにしたもの。夜になっても春のように暖かく感じられる穏やかな気候のもと、午後8時(日本時間午後9時)が過ぎ、約4万発の花火が盛大に打ち上げられ、開会式はスタートしました。

Aflo_plra030397 盛大な花火が上がり開会式がスタート(アフロスポーツ)

 

開会式のテーマは、やはり広州の歴史を象徴する「水」。各国の選手団の一部も、船で川をパレードしての会場への到着です。

 

会場は、競技に使用せず、開会式専用に作られたものです。その特徴をいかし、モチーフの水を演出に絡ませ、青をはじめとするきらびやかな光が飛び交う、華やかなショーが展開されました。帆をイメージした8つの巨大なスクリーンに流れる映像、ステージ前のプールで行なわれたシンクロナイズドスイミング、ワイヤーで吊るされた大勢によるパフォーマンス。「アジアのオリンピック」にふさわしい、壮大な演出です。中国を代表する女優、チャン・ツィイーさんの歌の披露もありました。

 

ショーのあと、いよいよ選手団の入場行進です。最初に登場したアフガニスタンから、アルファベット順での登場です。日本は「さくらさくら」の演奏が流れる中、13番目の入場となりました。13日に始まる柔道や、競泳、さらに体操の選手たちは競技に備えるため、出席を控えましたが、それでも旗手を務めるバドミントンの潮田玲子選手を先頭に、約300人の選手団が続きました。潮田選手をはじめ、選手や役員の表情には、笑顔がこぼれています。日本選手団が手にした帽子を振りながら進んでいくと、観客席からは拍手が聞こえてきました。

Aflo_lkga985872 入場行進する日本代表選手団(アフロスポーツ)

 

そして最後に登場したのは開催国の中国。ひときわ大きな歓声が沸き起こりました。

 

選手団の入場後、温家宝首相が開幕を宣言し、中国国内をひと月ほどかけて運んできたアジア大会の火が会場に到着しました。日本からは、日本代表選手団の市原則之団長とバスケットボールのアトランタオリンピック日本代表で、今大会の本部役員を務める原田裕花さんランナーを務めました。

 

到着した火はさらに場内をリレーされ、最後に受け取ったのは、北京オリンピック男子3飛板飛込み金メダリストで、広州の属する広東省出身の何衝選手。中央に据えられた高さ26mの点火台の下に向かうと、子ども2人とともに、据えられていた花火に点火。花火は、はじめは小さく、やがて大きくなっていき、導火線をたどり、点火台に火が灯りました。

 Aflo_jyfa063988 台に大会の火がともった(アフロスポーツ)

 

旗手の大役を終えた潮田選手のコメントです。「日本代表選手団の旗手として参加させていただいて、本当に感謝しています。大歓声の中、旗手という大役をいただいたので身を引き締めて歩きました。さらに気を引き締め、試合に臨んでいきます」


Aflo_owda499823 旗手を務めた潮田選手(ロイター/アフロ)

 

日本は、2006年のドーハ大会の50個を超える、金メダル60個以上を目標に掲げています。潮田選手をはじめ、結団式で熱い抱負を語った日本代表選手たちの活躍に期待したいと思います。


2010/10/21

子供たちにオリンピックの感動を伝えよう! 「JOCオリンピック教室」研修会を開催

JOCゴールドプラン委員会は10月15日、「JOCオリンピック教室」の開催に向け、講師となるオリンピアンたちの研修会を行いました。「JOCオリンピック教室」は、オリンピムズの理念やオリンピックの価値を子供たちに伝えていく新しい事業で、来年度からの本格的な運営を計画しています。今年度は都内の小学校でパイロットケースとなる教室を開催予定で、今回はそのモデル授業を作るための最初の研修会となりました。

研修会に参加したのは、アスリート専門委員会の委員とパラリンピアンを中心としたトップアスリート26名。福田富昭JOC副会長は「本日はみなさんとコミュニケーションを図ってスポーツ界がひとつの姿勢を持ち、オリンピック・ムーブメントについて考えていきたい。またオリンピックの日本誘致に向け、オピニオンリーダーになっていただくための勉強会としての効果も期待しています」とあいさつ。瀬古利彦オリンピック・ムーブメント戦略ワーキンググループチーフは「我々はオリンピックに感謝しなければならない。年に数回はボランティア精神で、感動を勇気を与える活動をしていきたいと思います」と意欲を見せました。

Aflo1090_101015__0302アスリートたちが積極的にディスカッションし、モデル授業を作った

Aflo1090_101015__0004 Aflo1090_101015__0013 あいさつした福田副会長(左)、瀬古チーフ 

 

■「夢先生」「ユースオリンピック」から学ぶ

最初の講義では、日本サッカー協会が2007年から手掛けているプロジェクト「夢先生」について学びました。「夢先生」は、小学校5年生のクラスをサッカー選手らが訪問し、夢を持つことの大切さを伝えるプロジェクト。3年間で2000校以上を訪問した実績がありカリキュラムが体系化されているため、参考として紹介されました。JFAこころのプロジェクト推進室の手嶋秀人室長は「先生となった選手は、苦しかった時期をどう乗り越えたかを伝えます。綿密な準備と事後分析を繰り返し、現在の形が出来ました。国際サッカー連盟からも高い評価を受けています」と報告しました。

続いて、嵯峨寿JOA(日本オリンピック・アカデミー)理事の司会のもと、オリンピック教室ならではのセールスポイントを考える時間となりました。まずオリンピックならではの体験として、各選手が「国としての意識が強い試合」「選手村がある」「緊張感が違う」「試合だけでなく世界が集まる大きなお祭り」などの意見を列挙。また今年行われた第1回ユースオリンピックで、国際親善や文化交流などを目的に行われた文化教育プログラムについても紹介され、福井烈・ユースオリンピック総監督は「スポーツの持つ教育的価値を再認識し、オリンピック精神の原点回帰を図った大会でした」と報告しました。結果として、「自分のオリンピック経験を、オリンピズムに関連させるにはどうすればいいのか」という課題が浮き彫りになり、次の授業へとつなぎました。

Aflo1090_101015__0021 Aflo1090_101015__0047講義する手嶋室長と嵯峨理事

 

■オリンピック・ムーブメントとは何かを考える

続いて、オリンピズムとは何か、オリンピック・ムーブメントとは何かといった概念について、來田享子JOA理事が講義。オリンピック憲章を紹介したのち、「なぜ勝ちたいのか、自分の中で突き詰めることがオリンピズムになる。何を大切に生きるのか、オリンピアンの口から出てくる言葉が大きな力になり、社会のモデルになっていきます」と來田理事。アスリートの体験をオリンピズムに繋げるためのヒントを提供しました。

続いて、それぞれの経験をオリンピズムに繋げる具体的な作業に取り組みました。まずノートに体験を書きとめた後、グループディスカッションを通して、その言葉をオリンピズムへと落としていきます。約30分間のディスカッション後、パラリンピアンの佐藤真海さんの班は、早くも体験談をキーワードに整理して発表。「フェアプレー」「世界的視野への広がり(環境対策や難民支援)」「国境を越えた友情」「限界への挑戦」「メンタルの強化」といったキーワードと体験談を紹介し、佐藤さんは「みんなのエピソードはすべてがオリンピズム。その体験談を誰もが使いやすいように整理したものが、オリンピック教室で語るための素材になると思います」とまとめました。

Aflo1090_101015__0137 佐藤さんはモデル授業の概念図を作成し発表

 

■実際に授業を作ってみる

続いて、学習指導要領にもとづいた授業作りについて、東京都教育庁指導部の鯨岡廣隆さんが指導。45分の授業でメッセージを伝えるためには、初対面の子供の緊張をほぐすためのアイスブレーキングに10分、体験談を語るのに30分、まとめに5分といった時間配分を提案。「難しい話をしなくても、みなさんが発する一言一言がオリンピック・ムーブメントを体言しています。ニコニコしながら子供たちの前に立ってほしいです」と話しました。

最後は、モデル授業を作るためのグループワークです。それぞれの体験談を素材に、1時間以上の熱い議論が交わされました。5つの班の発表は、以下のとおり。

(1)夢を持つためのきっかけを与える授業。
そもそもなぜオリンピックを目指したのか、夢を持つまでの過程を話す。20歳を超えてからオリンピックを目指した人、自分では分からなくても友達から指摘されて夢に気付いた人など、色々な「夢を持つまでの過程」を披露することで、夢を持てずにいる子供たちが夢を持つためのきっかけを提供する。

(2)オリンピックならではの一体感をクラス全員で共有する授業。
「オリンピックって何」という結論をアスリートが話すのではなくクラス全員で考え、そのフォローとして友好親善、平和などのオリンピズムを紹介する。全員参加型でテーマも理解しやすくするために、Q&A方式や、キーワードが書かれたカードを選んで話すなど工夫。最後に、「このクラスにとってのオリンピズム」を作り一体感を醸成する。

(3)オリンピックに関わるチャンスを伝え、日本開催への夢を持たせる授業。
自分達の体験談を、子供の頃から振り返り、夢までの苦しい過程、出会い、協力、夢の実現といったストーリーを語る。そしてオリンピックでの一番の感動や印象は、開催国の人々の笑顔だったことを話し、オリンピックにぜひ関わって欲しいという想いを伝える。アスリートとして、観戦客として、ボランティアとしてなどの関わり方を紹介し、オリンピックの日本開催への意欲を芽生えさせる。

(4)協力することの大切さ、一体感を実感する授業。
ボールを共同作業で運ぶゲームを通して、戦略を立てて実行することや、協力しあうことの大切さ、チームの一体感を実感する。

(5)努力の大切さを伝える授業。
トップを目指していくプロセスでの努力の大切さや、国を代表する責任など、トップアスリートとしての貴重な精神論を披露。最後は集合写真を撮りハイタッチをするなどの触れ合いを通して、選手を印象付ける。

Ogiogiimg_2710 モデル授業の発表をする荻原次晴さん

Img_2719 現役の古賀淳也選手らも参加し熱い議論を交わした

これらの発表を受けて來田理事は「授業をするためには、自分のプロセスがオリンピズムとどう繋がっているかを、自分の中で突き詰めておく必要があります。今日ここで作ったものを、授業でやってみながら、お互いの情報を共有し合っていってほしいです」と話しました。

最後に、福井スポーツ将来構想プロジェクトチーフが「オリンピアンやパラリンピアンが直接語りかけることで、一生忘れない言葉になる効果があります。日本中にオリンピック・ムーブメントの輪が広がり、また日本でオリンピックを開けるよう、みなさんの活躍を期待したいと思います」と激励し、充実した研修会を締めくくりました。

ひとりでも多くの子供たちにオリンピックの夢と希望が伝わるように、研修を受けたアスリートは今年度から活動をスタートします!
Aflo1090_101015__0314今年度オリンピック教室のスタートを誓い合ったアスリートら

(写真提供:アフロスポーツ)

2010/10/19

経済同友会、トップ・アスリートのための支援を求め企業説明会を開催

経済同友会は10月14日、JOCの協力依頼のもと、トップ・アスリートの支援・雇用に向けた企業説明会を開催しました。JOCが進めている支援プロジェクト「One Company, One Athlete」の本格的始動となる説明会で、43社の企業から人事担当者らが参加。水泳の古賀淳也選手、柔道の谷本歩実さん、スキーの皆川賢太郎選手の3人がアスリートの現状を説明したほか、実際に就職活動中の31選手(11競技団体)のエントリーシートも配布されました。

Aflo_1035_101014_02123人のアスリートが現状を説明した(アフロスポーツ)

JOCが進めるプロジェクト「One Company, One Athlete」は、ひとつの企業がひとりのアスリートを支援または雇用することで、選手にとっては練習環境の安定、企業にとっては社内の連帯感強化や社会貢献といった双方に利益のある関係を構築しようと、JOCがその架け橋の役割を目指すプロジェクト。今回の説明会を皮切りに、全国の経済団体の協力を得て活動を広げていく方針です。

説明会では、市原則之JOC専務理事が「スポーツが、企業の社会貢献になるよう考えなければならない時。今日は3人のアスリートの生の声をぜひ聞いていただければと思います」とあいさつ。経済同友会の前原金一副代表幹事が「厳しい経営環境下のもと、日本の企業スポーツは休・廃部に追い込まれるケースが多く、何か貢献しなければならないと思っています。また文部科学省では、企業のスポーツ支援に対する税制優遇などの環境整備についてより一層の取り組みをよろしくお願いいたします」と挨拶しました。また文部科学省スポーツ・青少年局の布村幸彦局長も「来月から文部科学省では、アスリートを社会貢献として支援している企業を表彰する制度を始めます」と話しました。

■アスリートの声と企業情報をマッチング「アスナビ」

続いて荒木田裕子JOC理事、JOCゴールドプラン委員会の原田尚幸委員、JOCキャリアアカデミー事業の八田茂ディレクターが事業の概要を説明しました。まず日本では、夏のオリンピック選手の5割、冬では6割が企業所属で、企業に支えられてきた日本スポーツ界の現状を紹介。具体的な活動として、支援スキーム「アスナビ」を構築し、支援を求めるアスリートの声と支援に興味のある企業の情報を提供することで、就職に結びつけていくことを示しました。また実際に、出社可能日数、必要経費の金額、自己アピール、選手経歴などが詳細に書き込まれたエントリーシート31人分を企業に配布し、具体的な支援の検討を求めました。

「スポーツのサポートには何千万円もの資金が必要だと誤解されている傾向がある」と荒木田理事。原田委員も「正社員や契約社員など契約形態はさまざまで、支援内容も給与だけのケースから、遠征費、用具費、練習施設使用料、スタッフ経費など、段階がある」と、多様な支援が可能なことを説明しました。

Aflo_1035_101014_0123 荒木田理事(右)らから説明が行われた(アフロスポーツ)

■「社会貢献活動、団結力、夢の共有」支援のメリットを訴え

さらに、古賀選手、谷本さん、皆川選手がアスリートの現状を説明しました。世界水泳選手権の背泳ぎで金メダルを獲得しながらも就職活動中の古賀選手は、大会が大学3年生の就職活動ピーク期に重なってしまった現状を説明。「目上の人への態度、目標を立てて達成に必要なことを強化していく経験、目標を達成する喜びを実感していることなど、アスリートは社会でも通用する人間が多い」と強調。「引退したときに、何もすることがないのが一番不安。ロンドンオリンピックで金メダルをとるために地盤を固めたい」と支援を訴えました。

またコマツに所属し、指導者の道を選んだ谷本選手は、「今は社会貢献活動の人件費として所属して、事業所訪問や柔道教室を開くなどの活動をしています。メディアに出ること以外に、会社の仕事として自分を生かせる場があることが嬉しいです」と話し、現役時代に週3回午前中に出社して仕事を教わり、仕事後にはご飯に行くなど、良好な関係を築いたことで引退後も新たな活動の場を開拓できた実体験を語りました。

さらに皆川選手は、年の半分は海外遠征が必要なため会社に通勤できる日数が少なく、多額の遠征費がかかるスキー競技の特性を説明しました。「スキー以外の時間は会社の現場や会議に出ることで、自分の経費がどこから捻出されているかも理解できました。自分から歩み寄っていったことで、社員の方々にも応援する気持ちが生まれて団結力が生まれました」と皆川選手。実際にケガをしたときも支援企業は1社も離れず、「夢をかなえる瞬間を共有したい」と言われたほどの一体感を構築してきたことを紹介しました。

アスリートを支援することは、社内の一体感醸成、夢の共有、社会貢献活動のほか、アスリートの精勤さそのものも含め、金額には置き換えられないメリットがあります。企業の方々とアスリートがそれぞれの目標を共有し、チームジャパンとして一体となり夢に向かっていく――。新しい好循環を生み出す取り組みが、今まさにスタートしました!

Aflo_1035_101014_0274 企業に支援されてきた実体験を語る(アフロスポーツ)

2010/10/13

情報・医学・科学3部会合同カンファレンスを初開催、より効果的なサポート体制へ

JOC101日、「情報・医学・科学3部会合同カンファレンス」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。2012年ロンドンオリンピック、2014年ソチ冬季オリンピックで、Team JAPANとして戦うために、情報・医学・科学それぞれのサポートの実情を把握し、より効果的なサポート体制を目指すことが目的です。JOC情報・医・科学専門委員会の3部会(情報戦略、医学サポート、科学サポート)が一堂に会するのは初の試みで、参加したJOC強化スタッフ、JISS研究員、チーム「ニッポン」マルチ・サポート事業スタッフらと情報と目標の共有を図りました。

 

4dsc01877パネルディスカッションでは2012ロンドンに向けたシミュレーション」と題し意見交換が行われた

 

開会にあたり、情報・医・科学専門委員会の澤木啓祐委員長は、「選手、コーチ、そこに専門家が加わることで客観的にものが見えてくるという関係がある。情報・医学・科学の3部門が連携することでより有益な情報を発信していきたい」とあいさつしました。

今回のカンファレンスのテーマは「広州アジア大会を通じたオリンピックシミュレーション サポートハウスの活用について」。11月に開催される広州アジア競技大会で、Team JAPANとして初の取り組みとして設置する村外サポート拠点「マルチサポートハウス」の情報を交換しあいました。総合競技大会の場合、選手村にはADカードのあるスタッフしか入れず、使えるスペースに制限もあるため、村外にサポート拠点を置くことで、充実した施設とスタッフによる支援が可能になります。

JISSマルチ・サポート事業の四谷高広さんは、今回のアジア大会で設置されるマルチサポートハウスの場所や機能、収容人数、機材などを説明。「医学・科学・情報戦略のサポートの拠点となる施設。できるだけ多くの方に使っていただき、ロンドンオリンピックでのサポートハウスを有効活用するためのシュミレーションとなるよう務めたい」と話しました。

情報戦略部会の山下修平さんは、諸外国における総合競技大会時の村外サポート体制について説明。オリンピックなどの総合競技大会では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール等が村外サポート拠点を設けており、自国のナショナルトレーニングセンターと変わらないサポートを現地で受けることができる環境を整えていることを紹介。「アジア大会で行うマルチサポートハウスの取り組みから、いい面悪い面を集約し、2012年ロンドンオリンピックへとつなげていくことが重要」と話しました。

医学サポート部会の土肥美智子さんは、アジア大会での医学サポート体制を紹介。科学サポート部会の杉田正明部会長は、サッカーワールドカップに帯同しサポートした「高地(低酸素)環境でのサポート」について、石井好二郎さんからは、「暑熱環境でのサポート」についてお話いただきました。

第二部は、「2012ロンドンに向けたシミュレーション」と題したパネルディスカッション。マルチ・サポートの支援を受けている柔道、トライアスロン、トランポリンの強化スタッフとバンクーバー冬季オリンピック時に日本スケート連盟が設置した村外拠点「スケートハウス」を活用した結城匡啓さん(科学サポート部会副部会長)をパネリストに迎え、現地拠点の理想的なあり方や利用方法について、活発な意見交換が行われました。

柔道の木村昌彦・NTC専任コーチングディレクターは、1988年ソウルオリンピックの時以来、全日本柔道連盟が独自で現地サポート拠点を設置してきた事例を紹介。情報、医学、科学サポートが充実し、現場がそれらのサポートを上手く活用できたのはアテネオリンピックの時で、実際に8個の金メダルを獲得するなど結果に結びついたと話しました。トライアスロンの飯島健二郎・日本代表監督は、「サポートスタッフが常に合宿から帯同し、仲間という位置づけになったことで、信頼が生まれた。サポートを取り入れる勇気も必要だと感じられるようになった」といい、試合だけでなく合宿から帯同してもらったことが有効だったと説明しました。

またトランポリンの福井直哉・専任コーチングディレクターは、大会で調子を落とした選手にどう接して良いか迷った時に、帯同していたマルチ・サポートの心理スタッフによる専門的なサポートを受けられたことを話し、総合的なサポートが今では欠かせなくなっていると話しました。また結城さんは、「科学の分野から予測したものを、実際に現場がやってみて結果に結びつくというサイクルが出来ると、信頼につながっていきます。その地道な繰り返しが大切です」とサポートスタッフと現場のあり方について紹介しました。

4パネリストとも、ロンドンオリンピックに向けて現場と医・科学・情報スタッフが『TEAM Japan』として結束するためには、信頼関係を築くことが大切だと、結論。最後にコーディネーターを務めた情報戦略部会の久木留毅部会長が、「2012年ロンドンオリンピックで『TEAM Japan』として成果をあげるためには、JOCJISS、各競技団体、そして文部科学省がそれぞれの役割を認識した上で協力・連携していくことが重要」と総括し、有意義な会を締めくくりました。

Dsc01873JOC情報・医・科学専門委員会の3部会(情報戦略、医学サポート、科学サポート)が一堂に会する初のカンファレンス

2010/09/11

ローマオリンピック金メダルから50年、日本体操協会が記念式典

1960年ローマオリンピックの体操男子団体総合金メダルからちょうど50年となる2010年9月7日、日本体操協会は、国立競技場で記念式典を行いました。当時の選手のほか、審判員、チームリーダーなど日本代表選手団22名のうち13名が出席。50年前を振り返るとともに、今後の体操ニッポンの飛躍を誓い合いました。

Danshi4 男子団体総合の元日本代表選手たち

ローマオリンピックで日本は、ソ連が優勢と見られた情勢のなか、男子が団体総合で初の金メダルを獲得。そこからオリンピック5大会連続、世界選手権5大会連続の団体総合金メダルを獲得し、“体操ニッポン”の黄金時代を築きました。1976年のモントリオール大会を最後に金メダルには恵まれなかったものの、2004年アテネオリンピックで28年ぶりとなる金メダルを獲得。北京大会でも銀メダルを獲得し、体操ニッポンの潮流は復活しつつあります。

式典では、男子団体総合チームの小野喬さん、相原信行さん、鶴見修治さん、三栗崇さんの4名が壇上にあがりあいさつ。1960年当時の映像がスクリーンに写しだされ、すでにご逝去された遠藤幸雄さん、竹本正男さんの演技も紹介されると、集まった方々から「懐かしい!」「さすが上手!」などと拍手喝采が起きました。

小野さんは「ちょうど50年目となるこの日に、みなで祝うことができて幸せです。内助の功だった女子選手団や先生もお元気でいらしてくださって嬉しいです。ローマの活躍を次のロンドンへつなげる気持ちで、今日の日を祝いましょう」と、あいさつしました。

Syuugou 当時の体操日本代表選手団

Medal 男子団体総合の金メダル

またローマオリンピックの水泳・競泳男子400m自由形で銀メダルの山中毅さん、ウエイトリフティング・バンタム級で銀メダルの三宅義信さんも参加し、記念すべき50年の節目を祝福。国際体操連盟のグランディ・ブルーノ会長からも祝電が届き、「1960年のローマで、日本の体操選手から受けた感動を鮮明に覚えています。真のサムライたちがパーフェクトを求め、集中して練習していた姿に多くのものを学びました」と、お祝いのあいさつをいただきました。

Miyakeyamanaka あいさつする山中さん(右)と三宅さん

さらにアテネ大会の男子団体総合で金メダルの米田功さんと鹿島丈博さんも駆けつけました。2人は体操のコーチとして、ロンドンオリンピックのチームジャパンを支えています。米田さんは「体操界で伝説のオリンピック5連覇のことを聞き、何度も皆さんの映像を見て、自分も金メダルを目指して頑張りました。これからはコーチの立場で、日本体操協会に恩返ししていきたいと思っています」とあいさつ。鹿島さんも「28年ぶりの金メダルを獲った時に、体操ニッポン復活と言われましたが、日本体操協会の多くの方々が積み重ねてきたものが僕たちにつながったのだと感じています。これからは指導者として、この栄光をつなげていきたいです」と話し、気持ちを引き締めていました。

50年目の節目を祝った日本体操協会の関係者たち。体操ニッポンの継承に向けて、新たな歴史がスタートしました。

Yoneda Kashima コーチとしての活躍を誓う米田さん(左)と鹿島さん

2010/08/30

【ユースオリンピック】JOCエリートアカデミーの2人がダブル金メダル

JOCエリートアカデミーから第1回ユースオリンピック競技大会(2010/シンガポール)に参加した、レスリングの宮原優選手と卓球の谷岡あゆか選手が、ともに金メダルを獲得する大活躍を見せました!

渡航前夜の811日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、2人はそれぞれの金メダルを誓いました。

Ayukayuu_2 勝利を誓い合う谷岡選手(左)と宮原選手

宮原選手は「今年はケガをして練習ができない時期があったので、以前のレスリングが出来るよう基本を徹底的にやり直してきました。日本人第1号の金メダルを目指します」と宣言。大会初日に行われたトライアスロン女子で佐藤優香選手が大会第一号となる金メダルを獲得したため、宣言どおりとはいきませんでしたが、見事に日本人2人目の金メダリストとなりました。

Aflo_ioca002184_2攻めの展開をする宮原選手

日本代表選手団の旗手でもある谷岡選手は、「旗手として公式の場に出ると、緊張していつもより姿勢もピンと伸びます。このユースオリンピックの試合で、自分でしっかり考えて、いい状態に持っていけるようにしたいです。優勝を目指します」と、緊張の面持ちでシンガポールへ出発。女子シングルスは、準々決勝で敗退し、5位。しかしそこから気持ちを入れ替えると、丹羽孝希選手と組んだ混合チームでは、初戦から決勝まで息の合った試合展開をみせて、決勝は韓国チームに2-1で競り勝ち、見事に金メダルを獲得しました。

Aflo_owda443083_3息の合った試合展開をする谷岡選手(右)と丹羽選手(ロイター/アフロ)

記念すべき第1回ユースオリンピック競技大会で、栄えある金メダルを手にしたJOCエリートアカデミーの2人。これをステップに、未来のオリンピックの栄冠へ向けて飛躍して欲しいですね。

Aflo_owda435326_2金メダルを獲得した宮原選手(ロイター/アフロ)

Aflo_owda443079_3 金メダルを手にする谷岡選手(右)と丹羽選手(ロイター/アフロ)

2010/08/19

ユースオリンピックに向けJOC文化・教育プログラムを実施

ユースオリンピックでは、競技の結果のみならず、「文化・教育プログラム」に参加することで選手の真のチャンピオンとしての人間性を磨き、オリンピックの意義を学び、再認識し、これらの意義を日常生活に反映できるかを考えさせることも大きな目的となっています。このIOC「文化・教育プログラム」をイメージさせるとともに、日本代表選手団の一員としての自覚と一体感をつくるために、JOCは日本代表選手団員に対し、「JOC文化・教育プログラム」を選手団の出発前夜に行いました。

Shiotaimg_0122座談会で、潮田選手と話をする選手

ず冒頭で福井烈・日本代表選手団総監督が、日本代表選手団の心構えについて説明。さらにユースオリンピックの「文化・教育プログラム」について映像を交えて紹介し、現地でのイメージ作りを行いました。「『チャンピオンとの会話』のプログラムは英語ですが、日本からは杉山愛さんも招待されています。英語に不安がある選手は、まずは杉山さんのプログラムに参加するのも良いでしょう」などと、積極的な参加を呼びかけました。

続いて行われたのは、「オリンピアンとの座談会」。内村航平選手(体操)、太田雄貴選手(フェンシング)、潮田玲子選手(バドミントン)、柴田亜衣さん(水泳)、田辺陽子さん(柔道)の5人を講師に招き、選手が直接オリンピアンと触れ合える機会を作りました。選手は、試合の臨み方や練習方法などを積極的に質問。太田選手は「試合で緊張をするのは、準備が不足している証拠である。誰よりも厳しい練習をこなしていれば、これが自信となり、試合での緊張も和らぎ、自分の実力を発揮できるようになる」「ストレスやプレッシャーのない試合など無い。日頃からどうストレスを受け止めるかの練習をすることが大事」、内村選手は「普段の練習を試合だと思い、試合は練習のようにパフォーマンスすることを心がけている」などとアドバイスしていました。

Uchimuraimg_0131Ootaimg_0114Shibataimg_0102 Tamuraimg_0110座談会で選手と話す、(上から)、内村選手、太田選手、柴田さん、田辺さん

続いて1時間半をかけて行われたのが「交流・結束プログラム」。JOCキャリアアカデミーディレクターの八田茂氏を講師に、選手や監督が身体を動かしながらプログラムに取り組みました。グループに分かれていくつかの課題をクリアするタイムを競いあうことで団結力を高めるもの、自己紹介やパートナーの紹介を通して互いのコミュニケーションを促進するもの、など様々なプログラムをこなすうち、選手や監督に一体感が生まれた様子でした。

Syoukaiimg_0296自己紹介しあう選手

Time2img_0205タイムを競いあうプログラムで団結力を高めた

最後に、3つのテーマで講義が行われました。田辺陽子JOCアンチ・ドーピング委員会副委員長は「アンチ・ドーピング」について、IOCスポーツと環境委員会委員の水野正人JOC副会長は「環境」について、竹田恆和JOC会長は「オリンピズムとJOCの歴史」について講義。竹田会長は「オリンピックムーブメントは、スポーツを通じた世界平和運動になります」と締めくくりました。

Anchidopongimg_0341 Mizunoimg_0358

Takedaimg_0375講義する(左上から)田辺副委員長、水野副会長、竹田会長

選手たちは、初めての体験に興味津々といった様子で、あっという間に3時間以上にわたるプログラムは終了。「チームジャパン」として一致団結し、シンガポールへと飛び立ちました。現地での「文化・教育プログラム」にも積極的に参加し、多くの体験をしてきて欲しいですね。

 

2010/08/17

ユースオリンピックのメダル、日本人がデザイン

14歳〜18歳のユース世代のオリンピックとして新しく始まった第1回ユースオリンピック競技大会(2010/シンガポール)が814日、開幕しました。大会第1号のメダルとなる種目、トライアスロン女子では日本の佐藤優香選手が優勝し、歴史的な金メダルを獲得。なんとその名誉あるメダルのデザインは、日本人のデザイナー福沢節子さんが手がけています。

Trois_medailles福沢さんのデザインが採用されたメダル

メダルのデザインは、IOCが公募し、インターネット上での一般投票とIOCの最終審査によって決定されました。見事に選ばれたのは、カナダ在住の日本人デザイナー福沢節子さんの図案、「Yes Youth Can」。大会の頭文字である「Y」の文字をメインにしたデザインで、ギリシャ神話に登場する勝利の女神「ニケ」の姿と、勝利のガッツポーズを、「Y」の文字と重ね合わせたロゴがあしらわれています。また背景の波の絵柄は、選手が感じる風、声援、また聖火の炎などをイメージしているそうです。

201902_a_2201902_b 

1回大会のメダルを日本人がデザインし、またその第1号を獲得したのが日本人とは嬉しいニュースですね。大会は826日まで続きます。この波に乗ってチームジャパンが活躍するよう、応援よろしくお願いいたします。

≪ < | 1 | 2 | >

CALENDAR

2011 / 03
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31