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TEAM JAPAN DIARY

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2010年10月

2010/10/21

子供たちにオリンピックの感動を伝えよう! 「JOCオリンピック教室」研修会を開催

JOCゴールドプラン委員会は10月15日、「JOCオリンピック教室」の開催に向け、講師となるオリンピアンたちの研修会を行いました。「JOCオリンピック教室」は、オリンピムズの理念やオリンピックの価値を子供たちに伝えていく新しい事業で、来年度からの本格的な運営を計画しています。今年度は都内の小学校でパイロットケースとなる教室を開催予定で、今回はそのモデル授業を作るための最初の研修会となりました。

研修会に参加したのは、アスリート専門委員会の委員とパラリンピアンを中心としたトップアスリート26名。福田富昭JOC副会長は「本日はみなさんとコミュニケーションを図ってスポーツ界がひとつの姿勢を持ち、オリンピック・ムーブメントについて考えていきたい。またオリンピックの日本誘致に向け、オピニオンリーダーになっていただくための勉強会としての効果も期待しています」とあいさつ。瀬古利彦オリンピック・ムーブメント戦略ワーキンググループチーフは「我々はオリンピックに感謝しなければならない。年に数回はボランティア精神で、感動を勇気を与える活動をしていきたいと思います」と意欲を見せました。

Aflo1090_101015__0302アスリートたちが積極的にディスカッションし、モデル授業を作った

Aflo1090_101015__0004 Aflo1090_101015__0013 あいさつした福田副会長(左)、瀬古チーフ 

 

■「夢先生」「ユースオリンピック」から学ぶ

最初の講義では、日本サッカー協会が2007年から手掛けているプロジェクト「夢先生」について学びました。「夢先生」は、小学校5年生のクラスをサッカー選手らが訪問し、夢を持つことの大切さを伝えるプロジェクト。3年間で2000校以上を訪問した実績がありカリキュラムが体系化されているため、参考として紹介されました。JFAこころのプロジェクト推進室の手嶋秀人室長は「先生となった選手は、苦しかった時期をどう乗り越えたかを伝えます。綿密な準備と事後分析を繰り返し、現在の形が出来ました。国際サッカー連盟からも高い評価を受けています」と報告しました。

続いて、嵯峨寿JOA(日本オリンピック・アカデミー)理事の司会のもと、オリンピック教室ならではのセールスポイントを考える時間となりました。まずオリンピックならではの体験として、各選手が「国としての意識が強い試合」「選手村がある」「緊張感が違う」「試合だけでなく世界が集まる大きなお祭り」などの意見を列挙。また今年行われた第1回ユースオリンピックで、国際親善や文化交流などを目的に行われた文化教育プログラムについても紹介され、福井烈・ユースオリンピック総監督は「スポーツの持つ教育的価値を再認識し、オリンピック精神の原点回帰を図った大会でした」と報告しました。結果として、「自分のオリンピック経験を、オリンピズムに関連させるにはどうすればいいのか」という課題が浮き彫りになり、次の授業へとつなぎました。

Aflo1090_101015__0021 Aflo1090_101015__0047講義する手嶋室長と嵯峨理事

 

■オリンピック・ムーブメントとは何かを考える

続いて、オリンピズムとは何か、オリンピック・ムーブメントとは何かといった概念について、來田享子JOA理事が講義。オリンピック憲章を紹介したのち、「なぜ勝ちたいのか、自分の中で突き詰めることがオリンピズムになる。何を大切に生きるのか、オリンピアンの口から出てくる言葉が大きな力になり、社会のモデルになっていきます」と來田理事。アスリートの体験をオリンピズムに繋げるためのヒントを提供しました。

続いて、それぞれの経験をオリンピズムに繋げる具体的な作業に取り組みました。まずノートに体験を書きとめた後、グループディスカッションを通して、その言葉をオリンピズムへと落としていきます。約30分間のディスカッション後、パラリンピアンの佐藤真海さんの班は、早くも体験談をキーワードに整理して発表。「フェアプレー」「世界的視野への広がり(環境対策や難民支援)」「国境を越えた友情」「限界への挑戦」「メンタルの強化」といったキーワードと体験談を紹介し、佐藤さんは「みんなのエピソードはすべてがオリンピズム。その体験談を誰もが使いやすいように整理したものが、オリンピック教室で語るための素材になると思います」とまとめました。

Aflo1090_101015__0137 佐藤さんはモデル授業の概念図を作成し発表

 

■実際に授業を作ってみる

続いて、学習指導要領にもとづいた授業作りについて、東京都教育庁指導部の鯨岡廣隆さんが指導。45分の授業でメッセージを伝えるためには、初対面の子供の緊張をほぐすためのアイスブレーキングに10分、体験談を語るのに30分、まとめに5分といった時間配分を提案。「難しい話をしなくても、みなさんが発する一言一言がオリンピック・ムーブメントを体言しています。ニコニコしながら子供たちの前に立ってほしいです」と話しました。

最後は、モデル授業を作るためのグループワークです。それぞれの体験談を素材に、1時間以上の熱い議論が交わされました。5つの班の発表は、以下のとおり。

(1)夢を持つためのきっかけを与える授業。
そもそもなぜオリンピックを目指したのか、夢を持つまでの過程を話す。20歳を超えてからオリンピックを目指した人、自分では分からなくても友達から指摘されて夢に気付いた人など、色々な「夢を持つまでの過程」を披露することで、夢を持てずにいる子供たちが夢を持つためのきっかけを提供する。

(2)オリンピックならではの一体感をクラス全員で共有する授業。
「オリンピックって何」という結論をアスリートが話すのではなくクラス全員で考え、そのフォローとして友好親善、平和などのオリンピズムを紹介する。全員参加型でテーマも理解しやすくするために、Q&A方式や、キーワードが書かれたカードを選んで話すなど工夫。最後に、「このクラスにとってのオリンピズム」を作り一体感を醸成する。

(3)オリンピックに関わるチャンスを伝え、日本開催への夢を持たせる授業。
自分達の体験談を、子供の頃から振り返り、夢までの苦しい過程、出会い、協力、夢の実現といったストーリーを語る。そしてオリンピックでの一番の感動や印象は、開催国の人々の笑顔だったことを話し、オリンピックにぜひ関わって欲しいという想いを伝える。アスリートとして、観戦客として、ボランティアとしてなどの関わり方を紹介し、オリンピックの日本開催への意欲を芽生えさせる。

(4)協力することの大切さ、一体感を実感する授業。
ボールを共同作業で運ぶゲームを通して、戦略を立てて実行することや、協力しあうことの大切さ、チームの一体感を実感する。

(5)努力の大切さを伝える授業。
トップを目指していくプロセスでの努力の大切さや、国を代表する責任など、トップアスリートとしての貴重な精神論を披露。最後は集合写真を撮りハイタッチをするなどの触れ合いを通して、選手を印象付ける。

Ogiogiimg_2710 モデル授業の発表をする荻原次晴さん

Img_2719 現役の古賀淳也選手らも参加し熱い議論を交わした

これらの発表を受けて來田理事は「授業をするためには、自分のプロセスがオリンピズムとどう繋がっているかを、自分の中で突き詰めておく必要があります。今日ここで作ったものを、授業でやってみながら、お互いの情報を共有し合っていってほしいです」と話しました。

最後に、福井スポーツ将来構想プロジェクトチーフが「オリンピアンやパラリンピアンが直接語りかけることで、一生忘れない言葉になる効果があります。日本中にオリンピック・ムーブメントの輪が広がり、また日本でオリンピックを開けるよう、みなさんの活躍を期待したいと思います」と激励し、充実した研修会を締めくくりました。

ひとりでも多くの子供たちにオリンピックの夢と希望が伝わるように、研修を受けたアスリートは今年度から活動をスタートします!
Aflo1090_101015__0314今年度オリンピック教室のスタートを誓い合ったアスリートら

(写真提供:アフロスポーツ)

2010/10/19

経済同友会、トップ・アスリートのための支援を求め企業説明会を開催

経済同友会は10月14日、JOCの協力依頼のもと、トップ・アスリートの支援・雇用に向けた企業説明会を開催しました。JOCが進めている支援プロジェクト「One Company, One Athlete」の本格的始動となる説明会で、43社の企業から人事担当者らが参加。水泳の古賀淳也選手、柔道の谷本歩実さん、スキーの皆川賢太郎選手の3人がアスリートの現状を説明したほか、実際に就職活動中の31選手(11競技団体)のエントリーシートも配布されました。

Aflo_1035_101014_02123人のアスリートが現状を説明した(アフロスポーツ)

JOCが進めるプロジェクト「One Company, One Athlete」は、ひとつの企業がひとりのアスリートを支援または雇用することで、選手にとっては練習環境の安定、企業にとっては社内の連帯感強化や社会貢献といった双方に利益のある関係を構築しようと、JOCがその架け橋の役割を目指すプロジェクト。今回の説明会を皮切りに、全国の経済団体の協力を得て活動を広げていく方針です。

説明会では、市原則之JOC専務理事が「スポーツが、企業の社会貢献になるよう考えなければならない時。今日は3人のアスリートの生の声をぜひ聞いていただければと思います」とあいさつ。経済同友会の前原金一副代表幹事が「厳しい経営環境下のもと、日本の企業スポーツは休・廃部に追い込まれるケースが多く、何か貢献しなければならないと思っています。また文部科学省では、企業のスポーツ支援に対する税制優遇などの環境整備についてより一層の取り組みをよろしくお願いいたします」と挨拶しました。また文部科学省スポーツ・青少年局の布村幸彦局長も「来月から文部科学省では、アスリートを社会貢献として支援している企業を表彰する制度を始めます」と話しました。

■アスリートの声と企業情報をマッチング「アスナビ」

続いて荒木田裕子JOC理事、JOCゴールドプラン委員会の原田尚幸委員、JOCキャリアアカデミー事業の八田茂ディレクターが事業の概要を説明しました。まず日本では、夏のオリンピック選手の5割、冬では6割が企業所属で、企業に支えられてきた日本スポーツ界の現状を紹介。具体的な活動として、支援スキーム「アスナビ」を構築し、支援を求めるアスリートの声と支援に興味のある企業の情報を提供することで、就職に結びつけていくことを示しました。また実際に、出社可能日数、必要経費の金額、自己アピール、選手経歴などが詳細に書き込まれたエントリーシート31人分を企業に配布し、具体的な支援の検討を求めました。

「スポーツのサポートには何千万円もの資金が必要だと誤解されている傾向がある」と荒木田理事。原田委員も「正社員や契約社員など契約形態はさまざまで、支援内容も給与だけのケースから、遠征費、用具費、練習施設使用料、スタッフ経費など、段階がある」と、多様な支援が可能なことを説明しました。

Aflo_1035_101014_0123 荒木田理事(右)らから説明が行われた(アフロスポーツ)

■「社会貢献活動、団結力、夢の共有」支援のメリットを訴え

さらに、古賀選手、谷本さん、皆川選手がアスリートの現状を説明しました。世界水泳選手権の背泳ぎで金メダルを獲得しながらも就職活動中の古賀選手は、大会が大学3年生の就職活動ピーク期に重なってしまった現状を説明。「目上の人への態度、目標を立てて達成に必要なことを強化していく経験、目標を達成する喜びを実感していることなど、アスリートは社会でも通用する人間が多い」と強調。「引退したときに、何もすることがないのが一番不安。ロンドンオリンピックで金メダルをとるために地盤を固めたい」と支援を訴えました。

またコマツに所属し、指導者の道を選んだ谷本選手は、「今は社会貢献活動の人件費として所属して、事業所訪問や柔道教室を開くなどの活動をしています。メディアに出ること以外に、会社の仕事として自分を生かせる場があることが嬉しいです」と話し、現役時代に週3回午前中に出社して仕事を教わり、仕事後にはご飯に行くなど、良好な関係を築いたことで引退後も新たな活動の場を開拓できた実体験を語りました。

さらに皆川選手は、年の半分は海外遠征が必要なため会社に通勤できる日数が少なく、多額の遠征費がかかるスキー競技の特性を説明しました。「スキー以外の時間は会社の現場や会議に出ることで、自分の経費がどこから捻出されているかも理解できました。自分から歩み寄っていったことで、社員の方々にも応援する気持ちが生まれて団結力が生まれました」と皆川選手。実際にケガをしたときも支援企業は1社も離れず、「夢をかなえる瞬間を共有したい」と言われたほどの一体感を構築してきたことを紹介しました。

アスリートを支援することは、社内の一体感醸成、夢の共有、社会貢献活動のほか、アスリートの精勤さそのものも含め、金額には置き換えられないメリットがあります。企業の方々とアスリートがそれぞれの目標を共有し、チームジャパンとして一体となり夢に向かっていく――。新しい好循環を生み出す取り組みが、今まさにスタートしました!

Aflo_1035_101014_0274 企業に支援されてきた実体験を語る(アフロスポーツ)

2010/10/18

スポーツ祭り2010(2)味の素ナショナルトレーニングセンター探検ツアー

スポーツ祭り2010の見所のひとつが、普段は一般開放されていない「味の素ナショナルトレーニングセンター」の施設見学「親子で『味の素トレセン』探検ツアー」です。100名の参加者は、日頃は触れる機会のないトップアスリートの練習風景を、興味深そうに見学しました。

Annai ガイドさんから案内され、センター内を見学

探検ツアーの冒頭、まずガイドさんから説明がありました。「最上階は3階ですが、高さは42mあります。マンションだったら15階に相当します。練習施設としての必要上、それだけ各階ごとに高さが必要なんです」。また最初に向かった体操の練習場では、ガイドさんが「来年、東京で世界選手権があるので、女子はここで22カ月合宿を行なっています」と説明。子供たちからは「すごい!」と驚きの声が上がりました。

階段を降りて2階のハンドボールのコートへ。「俯瞰(ふかん)映像を撮るシステムがあり、5秒後にはテクニカルルームで観ることができます」とガイドさん。最新の科学設備が紹介されました。1階では柔道場を見学。「ここは約1000畳あり、世界でもっとも広い柔道場です。畳は今はミズノ製ですが、オリンピックや世界選手権で違うメーカーの畳が使用される場合は、大会の畳に合わせて入れ替えます」。充実した練習環境に、感心する参加者の姿が見られました。

地下1階ではウエイトリフティングの練習場で、三宅義行さんと宏実選手親子の指導風景を見学。レスリング場では、吉田沙保里選手らが子供たちの指導にあたっており、間近に見るオリンピアンの姿に、歓声が上がりました。

Aflo1045_101011_0961 ウエイトリフティングの指導をする三宅選手(左)

 

エレベーターで2階に戻ると、公道上の渡り廊下から、宿泊施設の「アスリートヴィレッジ」へ。ここは一般の人はもちろん、報道関係者も入れないエリアです。「宿泊施設は東館と西館があり、全部で258ベッドあります。来春に向けて南館を建設していて、完成すると、エキストラベッドも使用すれば500人規模が泊まれるようになります」と、ガイドさんから説明がありました。

ヴィレッジに入ると、1階の食堂「さくらダイニング」へ。ここでは、ノルディック複合元日本代表の荻原次晴さんの司会で、「勝ち飯セミナー&トークショー」と題したスポーツと食にまつわる催しが行なわれました。

最初に登場したのは、今年6月のFIFAワールドカップに出場したサッカー日本代表チームの調理を担当したJヴィレッジの西芳照・総料理長、高地対策を担った三重大学の杉田正明准教授、さくらダイニングの高橋文子・管理栄養士です。

Katimeshi1 サッカーワールドカップの経験を語った杉田准教授(右から2番目)と西総料理長(右)、さくらダイニングの高橋さん(中央)

 

杉田准教授が編集したワールドカップ回顧のビデオを鑑賞後、体力のサポートとしてどのような工夫をしたのか話がありました。「尿検査を毎日行ない、結果を監督に伝え、翌日の練習の質や量の調整にいかしていただきました」と杉田准教授。西総料理長も「高度が上がると、300mで沸点が1度下がるのでご飯がぼそぼそになってしまう。おいしく食べてもらうために圧力釜を日本から持参しました。また杉田先生から鉄分が不足しがちだと指摘されていたので、ひじきのほか、現地でレバーを調達してレバニラにして出したり、味噌汁に鉄の粉を入れたりしました」と工夫を紹介しました。

二人からは食に関してこんなアドバイスもありました。「小さいうちから正しい食事を習慣づけることが大切です。大人になってからでは直らないものです」(西総料理長)。「サッカーの選手たちは、いつ何を、どれだけ食べればいいか、自身で把握していました。そういう部分を心がけていただきたい」(杉田准教授)。

続いて、管理栄養士の高橋さんが日頃アスリートと接している体験を交えて食にまつわる話をしました。「ジュニアの選手には好き嫌いが多く見られます。そういう選手には、『練習のとき、好きな練習だけして、嫌いな練習はしないの』と聞くんですね。選手は、練習はきちんとやると答えます。そうしたら、『食事も一緒だよ、トライしてみよう』と言ってあげるんです。ときには無理やりお皿に嫌いなものを入れたりもします。食べたときは、頑張ったね、とほめてあげる。すると、自然に摂るようになります」。ちなみにアスリートに一番人気があるのは、「鶏の唐揚げ」だそうです。ここで、用意されたおにぎり、味噌汁、小鉢料理を食べながら、第2部へ移りました。

登場したのは、競歩の山ア勇喜選手、スノーボード・アルペンの野藤優貴選手、ショートトラック・スピードスケートの勅使川原郁恵さんです。勅使川原さんはショートトラックならではの食事の工夫を振り返り、「私の場合、500mから、1000m、1500m、3000mと、短距離も長距離も行なわなければいけませんでした。バランスが必要になるので、様々なものを摂るようにしていました。分かりやすく言えば定食ということです。また、ショートトラックは小さなリンクで遠心力がかかるため、体重が大切です。ベストの48kgをキープするように心がけていました」と話しました。

Katimeshi4左から山ア選手、野藤選手、勅使川原さん 

また山ア選手、野藤選手は、試合を直前に控えると、炭水化物を多く摂るとのことで、山ア選手は「カーボローディングといって、試合の1週間くらい前から、はじめの3日間はたんぱく質を多めに、残りの期間は炭水化物を中心の食事に切り替えます」と説明。カーボローディングによって、持久力を高めるグリコーゲンが蓄積される仕組みについて説明がありました。

最後に、自身の競技生活の経験から、3人は食の重要性を語りました。「旬の食材は栄養があります。旬のものをおいしく食べてほしいです」(勅使川原さん)。「以前はきちんとした食事をしていませんでしたが、それでは強くなれないと実感しました。今では、野菜も農薬を使っていない有機野菜にしています。子供には、良いものをたくさん与えてください。子供たちも、いっぱい食べてください」(野藤選手)。「小さい頃に食べたものの影響はのちのち出ます。僕は不規則な食生活だったために、怪我もしやすくなったと思うし、とても後悔しています。今、(お子さんが)どのような食事を食べるかが大事です」(山ア選手)。

施設見学、食のセミナーの2本立てで、約2時間の充実した探検ツアー。参加した子供たちは「選手たちがどんな環境でトレーニングに励んでいるのか、食事の大切さも分かりました」と語り、何か得たものがあった様子。有意義なツアーとなりました。

2010/10/17

スポーツ祭り(1) スポーツ祭り2010を開催! のべ1万4300人が参加

10月11日、「スポーツ祭り2010」が味の素ナショナルトレーニングセンター、国立スポーツ科学センター、西が丘サッカー場、赤羽スポーツの森公園競技場などで行なわれました。雲ひとつない快晴のもと、のべ1万4300人の子供たちや大人が集まり、オリンピアンとともに汗を流しました。

Seikaimg_2197スポーツ祭りの火が入場

この行事は、1964年に開催された東京オリンピックを記念し、国民がスポーツに親しみ健康な心身を培う趣旨で祝日に制定された「体育の日」に昨年より開催されているものです。文部科学省、(財)日本体育協会、(財)日本オリンピック委員会、(財)日本レクリエーション協会、(独)日本スポーツ振興センター、NPO法人日本オリンピアンズ協会、読売新聞社の主催のもと、オリンピアンと触れ合いながら、大運動会、スポーツ体験教室など、スポーツの楽しさや喜びを体験できるプログラムが実施されるイベントとなっています。

午前9時半過ぎ、参加したオリンピアンや多数の子供たち、父兄を前に、鈴木寛文部科学副大臣が「国民の祝日である体育の日は、1964年の東京オリンピックの開会式が行われたのを記念した日です。スポーツの喜びを味わって、みなさん頑張りましょう」と開会の宣言をしました。

続いて、荻原健司さん(スキー)を旗手にオリンピアンが入場。続けてトーチランナーとしてウエイトリフティングの三宅義行さん、三宅宏実選手の親子が入場して「スポーツ祭りの火」が点火されました。引き続き、「子どもの体力向上啓発『ポスター』『標語』」表彰式が行なわれ、文部科学大臣賞には、ポスター部門が加古川市立鳩里小学校5年、大路眞央さんの作品、標語部門は大洗町立夏海小学校4年生の米川梨瑚さんの「あせきらり がんばるきみは、かっこいい」が選ばれました。また日本オリンピック委員会会長賞には、前橋市立芳賀小学校5年の宮下峻さんのポスターと、伊勢原市立伊勢原小学校6年の永山響さんの「スポーツで 未来のゆめが わいてくる」が選ばれました。

一方、味の素ナショナルトレーニングセンター前に設けられた「憩いの広場」でも、次々にイベントが行なわれました。午前11時40分すぎから始まったオープニングイベントでは、花川與惣太・北区長、安井賢光・板橋副区長が挨拶のため登壇しました。

「皆さん、今日はようこそ北区の西が丘へお越しいただきました。午前中には、オリンピアンとの触れ合いジョギング、大運動会でスターターをさせていただきました。午後からはさまざまな種目のスポーツ教室が行なわれるなど、大変盛りだくさんな内容があると伺っております。私も時間の許す限り、皆さんとスポーツを楽しみたいと思っております。本日のスポーツ祭りをきっかけに、スポーツの持つ、多様な、意義が広く地域の皆様に共有されることを祈念いたします」(花川・北区長)

「ナショナルトレーニングセンターは北区にございますが、板橋区に隣接し、都営三田線の本蓮沼駅から会場への区道を、蓮沼アスリート通りとして整備し、板橋区も協力させていただいております。今日は体育の日にふさわしい、大変いい天気に恵まれました。皆さん楽しくお過ごしいただければと思います」(安井・板橋副区長)

スポーツ祭りでは、「オリンピアンふれあいジョギング」、「オリンピアンふれあい大運動会」、各種スポーツ教室、「親子で『味の素トレセン』探検ツアー」などさまざまなイベントが行われ、大人も子供も、スポーツの楽しさを感じあうひとときとなりました。それぞれのイベントの報告も、TEAM JAPAN DIARY内で紹介しますのでお楽しみに!

Taisouimg_2230 参加者全員で準備運動

Hyousyouimg_2215_2受賞者らが表彰された

2010/10/13

情報・医学・科学3部会合同カンファレンスを初開催、より効果的なサポート体制へ

JOC101日、「情報・医学・科学3部会合同カンファレンス」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。2012年ロンドンオリンピック、2014年ソチ冬季オリンピックで、Team JAPANとして戦うために、情報・医学・科学それぞれのサポートの実情を把握し、より効果的なサポート体制を目指すことが目的です。JOC情報・医・科学専門委員会の3部会(情報戦略、医学サポート、科学サポート)が一堂に会するのは初の試みで、参加したJOC強化スタッフ、JISS研究員、チーム「ニッポン」マルチ・サポート事業スタッフらと情報と目標の共有を図りました。

 

4dsc01877パネルディスカッションでは2012ロンドンに向けたシミュレーション」と題し意見交換が行われた

 

開会にあたり、情報・医・科学専門委員会の澤木啓祐委員長は、「選手、コーチ、そこに専門家が加わることで客観的にものが見えてくるという関係がある。情報・医学・科学の3部門が連携することでより有益な情報を発信していきたい」とあいさつしました。

今回のカンファレンスのテーマは「広州アジア大会を通じたオリンピックシミュレーション サポートハウスの活用について」。11月に開催される広州アジア競技大会で、Team JAPANとして初の取り組みとして設置する村外サポート拠点「マルチサポートハウス」の情報を交換しあいました。総合競技大会の場合、選手村にはADカードのあるスタッフしか入れず、使えるスペースに制限もあるため、村外にサポート拠点を置くことで、充実した施設とスタッフによる支援が可能になります。

JISSマルチ・サポート事業の四谷高広さんは、今回のアジア大会で設置されるマルチサポートハウスの場所や機能、収容人数、機材などを説明。「医学・科学・情報戦略のサポートの拠点となる施設。できるだけ多くの方に使っていただき、ロンドンオリンピックでのサポートハウスを有効活用するためのシュミレーションとなるよう務めたい」と話しました。

情報戦略部会の山下修平さんは、諸外国における総合競技大会時の村外サポート体制について説明。オリンピックなどの総合競技大会では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール等が村外サポート拠点を設けており、自国のナショナルトレーニングセンターと変わらないサポートを現地で受けることができる環境を整えていることを紹介。「アジア大会で行うマルチサポートハウスの取り組みから、いい面悪い面を集約し、2012年ロンドンオリンピックへとつなげていくことが重要」と話しました。

医学サポート部会の土肥美智子さんは、アジア大会での医学サポート体制を紹介。科学サポート部会の杉田正明部会長は、サッカーワールドカップに帯同しサポートした「高地(低酸素)環境でのサポート」について、石井好二郎さんからは、「暑熱環境でのサポート」についてお話いただきました。

第二部は、「2012ロンドンに向けたシミュレーション」と題したパネルディスカッション。マルチ・サポートの支援を受けている柔道、トライアスロン、トランポリンの強化スタッフとバンクーバー冬季オリンピック時に日本スケート連盟が設置した村外拠点「スケートハウス」を活用した結城匡啓さん(科学サポート部会副部会長)をパネリストに迎え、現地拠点の理想的なあり方や利用方法について、活発な意見交換が行われました。

柔道の木村昌彦・NTC専任コーチングディレクターは、1988年ソウルオリンピックの時以来、全日本柔道連盟が独自で現地サポート拠点を設置してきた事例を紹介。情報、医学、科学サポートが充実し、現場がそれらのサポートを上手く活用できたのはアテネオリンピックの時で、実際に8個の金メダルを獲得するなど結果に結びついたと話しました。トライアスロンの飯島健二郎・日本代表監督は、「サポートスタッフが常に合宿から帯同し、仲間という位置づけになったことで、信頼が生まれた。サポートを取り入れる勇気も必要だと感じられるようになった」といい、試合だけでなく合宿から帯同してもらったことが有効だったと説明しました。

またトランポリンの福井直哉・専任コーチングディレクターは、大会で調子を落とした選手にどう接して良いか迷った時に、帯同していたマルチ・サポートの心理スタッフによる専門的なサポートを受けられたことを話し、総合的なサポートが今では欠かせなくなっていると話しました。また結城さんは、「科学の分野から予測したものを、実際に現場がやってみて結果に結びつくというサイクルが出来ると、信頼につながっていきます。その地道な繰り返しが大切です」とサポートスタッフと現場のあり方について紹介しました。

4パネリストとも、ロンドンオリンピックに向けて現場と医・科学・情報スタッフが『TEAM Japan』として結束するためには、信頼関係を築くことが大切だと、結論。最後にコーディネーターを務めた情報戦略部会の久木留毅部会長が、「2012年ロンドンオリンピックで『TEAM Japan』として成果をあげるためには、JOCJISS、各競技団体、そして文部科学省がそれぞれの役割を認識した上で協力・連携していくことが重要」と総括し、有意義な会を締めくくりました。

Dsc01873JOC情報・医・科学専門委員会の3部会(情報戦略、医学サポート、科学サポート)が一堂に会する初のカンファレンス

2010/10/08

アジア大会に向け大きな躍進、バドミントン・ヨネックスオープン

文・折山淑美 

 

バドミントンのチームジャパンにとって、9月21日〜26日に東京体育館で行われたスーパーシリーズの「ヨネックスオープンジャパン2010」は、11月の広州アジア大会へ向けて弾みをつける大会となった。8月下旬に開催された世界選手権では、男子シングルス山田和司選手と女子シングルス廣瀬栄理子選手、女子ダブルス末綱聡子選手・前田美順選手組のベスト8進出が最高順位だったチームジャパンは、それぞれ広州アジア大会への手ごたえを感じる結果を残したのだ。

 

最強・中国を始めとする世界の壁は極めて厳しい状況。その中でも着実に実力を発揮したのが、世界ランキング4位につける女子ダブルスの末綱選手・前田選手組、通称“スエマエ”だった。初登場の2回戦では香港ペアを相手に、第1ゲームを21対9で先取。第2ゲームは途中11対16とリードされたが、そこから怒濤の追い上げをみせて21対17で勝利。翌日の準々決勝はミスが出て苦しんだが、マカオのペアを21対18、21対16で下して、3年連続のベスト4進出と底力を見せつけた。

だが準決勝は強敵だった。相手は急造ペアながら、前週のスーパーシリーズ・中国マスターズで優勝したワン・シャオリー選手とユ・ヤン選手(中国)のペア。王選手は世界ランキング1位ペアのひとりで、干選手は北京オリンピック金メダリストで今年の世界選手権も優勝。ともにパートナーを変えて出てきたのだ。「レシーブをしっかりしてラリーに持ち込みたい」と臨んだ“スエマエ”だったが、相手の壁は厚かった。男子顔負けの力強いスマッシュと速い動き。ネットプレーの正確さに歯が立たず、5対21、10対21で完敗。結局昨年の準優勝にも届くことができず、3位で試合を終えたのだ。

ただこの中国ペアの強さは格別で、決勝でも世界選手権3位の中国ペアを21対17、21対6で簡単に下して圧勝したほどだった。「練習では男子選手を相手にして、速いスマッシュもしっかりレシーブできるようになってきたが、試合になると女子選手独特の球の動きもあってポイントをずらされたりしている」という“スエマエ”のふたり。北京オリンピック以来新たな脅威となっている中国のパワーとスピードを兼ね備えたペアを相手に、どうやってレシーブを返して得意のラリーに持っていけるようにするかが、もうワンランクアップするために必要な課題だ。

Aflo_mjxa100141_2ワン・シャオリー、ユ・ヤン選手組は決勝でも圧倒的な強さをみせた

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前田選手(左)と末綱選手

女子ダブルスでは他にも、世界ランキング7位の藤井端希選手と垣岩令佳選手ペアと、15位の松尾静香選手、内藤真美選手のペア、25位の高橋礼華選手、松友美佐紀ペアも揃って2回戦に進出。ともに敗れてはしまったが、全日本チームの中島慶コーチは「勝つチャンスはあった。勝負どころで引いてしまうのではなく、前に出れば良かった。ほんのちょっとした差だ」と悔しがる内容だった。

また女子シングルスでは、世界ランキング7位の廣瀬選手と、予選から勝ち上がってきた打田しづか選手がベスト8進出を果たした。その中でも健闘したのは廣瀬選手だった。準々決勝の対戦相手は世界選手権2位、前週の中国マスターズ優勝者で世界ランキング1位のワン・シン選手だった。スピード豊富で、どんな体勢からでも強いスマッシュを打ち、きっちりとコーナーを狙ってくる高い技術の持ち主。前回マレーシアで戦った時はストレート負けだったというが、今回は第2ゲームを21対18で取ってファイナルゲームまでもつれ込む大健闘をみせた。

Hirose1aflo_sswa032666ベスト8進出で好戦した廣瀬選手

廣瀬選手は今年、世界選手権ではその時点で世界ランキング1位だったワン・イーハン選手を破ってベスト8へ進出した。さらに世界選手権優勝のワン・リン選手を2回破るなどの金星を挙げ、「メダルが見えてきた」という手応えを持っている。それに加えた今回の健闘で、その手応えはさらに大きくなったはずだ。「中国選手をひとり破るだけではなくふたり破らなければメダルには届かない」という彼女は、準々決勝で敗退したとはいえ、この大会を良いステップにすることができたといえる。

06年アジアジュニア優勝で07年世界ジュニア2位。さらに今年は3月の伝統のある全英オープンで日本男子シングルス44年ぶりの決勝の舞台に上がるという快挙を果たした期待の田児賢一選手は、2回戦で世界ランキング1位のリー・チョンウェイ選手(マレーシア)と当たるという不運な組み合わせになり、10対21、10対21で敗退した。

「試合後『お疲れさん。グッドゲーム』といわれたけど、へこみますね。今度は本当にいいゲームをしてそう言われるようにしたい」。こう言って苦笑する田児選手によれば、全英オープンの時は相手が自分を研究していなかったから勝てたが、それ以後は相手も研究してきて自分のプレーを出せていない状態になっていると分析する。だが優勝を狙っていた地元の大会での完敗で、「これも乗り越えていかなければいけない壁だ」と改めて感じられたことは大きいだろう。もっと「世界で戦いたい」という気持を強くもって練習に臨めば、すべての面で成長できるはず、と力強い言葉も口にした。

Tago1aflo_mrva064021男子期待の田児選手

また同じ男子シングルスでは、佐々木翔選手が04年アテネオリンピック王者で今年の世界選手権でも2位になっているタウフィック・ヒダヤット選手(インドネシア)を破る金星を挙げた。2回戦で敗退したものの、これからに向けては大きな手応えをつかんだといえる。

日本のバドミントンが今年最大の目標とする広州アジア大会。そこでいかにして中国勢や他の強豪達に立ち向かっていくか。アジアで勝ち抜くことこそが、バドミントンでは世界の頂点に肉薄する道なのだ。(写真提供:アフロスポーツ)

Semaeaflo_plra029669ベスト4進出と健闘した“スエマエ”

2010/10/05

日本セーリング連盟が国体でチャイルドルームを設置、女性選手や役員の参加を後押し

日本セーリング連盟は、9月26日から行われている「ゆめ半島千葉国体」セーリング競技の会場にチャイルドルームを設置、小さなお子さんを抱える女性選手や役員の試合参加を支援しました。同連盟によるチャイルドルーム設置の取り組みは、2002年の国体から始まり9回目。同連盟レディース委員会の倭千鶴子さん(JOC女性スポーツ専門委員会委員)は「お子さんがいることで現役を引退する女子選手や、指導の現場から離れる女性のためにも、チャイルドルームの取り組みを他の大会や、他の競技にも広げていきたいです」と話しています。

Photo_2 多くの子供たちがチャイルドルームを利用した(写真:濱谷幸江)

 

日本セーリング連盟が、チャイルドルーム設置に向けた活動を始めたのは、1998年の「かながわ・ゆめ国体」のとき。当時、選手として脂の乗った時期ながらお子さんのいた上原洋子さん(1990年アジア大会・金メダル)をはじめとする選手たちから、「レースに子連れで参加したいのでチャイルドルームを設置してほしい」という声が沸き起こりました。しかし急に国体本部としてチャイルドルームを設置することはできず、倭さんは「私たちの自己責任でやります」として、ハーバー内のプレハブにスペースを借り、託児をしてくれるボランティアを集め試合期間中にお子さんを預かったのです。「閉会式では、女子選手が赤ちゃんを抱っこして表彰台に上がったんです。とても印象的な光景でした」と振り返る。

2001年に、女性の参加を促そうと同連盟内にレディース委員会が設置され、倭さんが委員長に任命されると、活動は本格化。2002年「よさこい高知国体」では、事前から大会本部に設置の要望書を出し、入念な準備を進めました。以来、国体のたびにチャイルドルームを設置し、今年で9回目となりました。

倭さんは、大会本部との交渉は簡単ではないといいます。「子供にもし怪我があったらどうするのか、ボランティアの保育士などの人材集めをどうするか、経費の負担はどうするか、など多くのハードルがあります。どこの都市も、最初は簡単に設置を受け入れてはくれません。しかし女性の参加のためには必要なものですし、多くの開催市が最後には納得し、理解を示し、全面協力してくれます」。最近は、子供の万一の怪我にそなえた傷害保険などもレディース委員会にて負担し、万全を計っています。

今回の千葉国体では、受付を同連盟レディース委員会が担当し、保育係として地元の保育士で幼稚園の教諭が参加。受付2人、保育係4人の計6人のボランティアが常駐する態勢で競技期間中の全4日間、チャイルドルームを運営しました。地元のお母さん方がボランティアで手伝いに入ってくれることもあり、地元参画にもつながったそうです。大会初日の9月25日には、のべ44人の子どもが利用し大盛況となりました。

Img_2005お絵かきセットや、バドミントン、すべり台など様々な遊具が用紙された

利用者は、選手関係者のお子さんだけでなく、観戦客のお子さんも対象となります。セーリング競技は炎天下や風雨の中でも行われ、子連れで観戦にくると、競技の合間に子供を休ませる場所の確保に苦労するためです。女子選手は、お子さんを祖父母などに預けても観戦に連れてきてもらうことが出来ませんでしたが、チャイルドルームが設置されたことで、自分の子供に試合姿を見せてあげられるようになりました。もちろん一般客も、お子さんを預けられる安心感から気軽に試合観戦に訪れることができ、観戦客のすそ野を広げるのにも一役買っています。

夫婦で神奈川県のコーチを務める内田みち子さん・伸一さん夫妻は、1歳9ヶ月のお子さんをチャイルドルームに預けて試合に参加。みち子さんは、昨年の国体では産後9ヶ月ながら、チャイルドルームを利用すること現役復帰を果たせました。「チャイルドルームは本当に助かっています。これがなかったら女子選手や監督は競技を続けられないですよね。今後はもっと多くの試合でもチャイルドルームが設置されると助かります」とみち子さん。

一方、保育係として参加した地元の幼稚園講師の鎌田直子さんは、「日本セーリング連盟の取り組みは、女性のスポーツ参加のためにとても大切なことですね。今は会社にも保育所がある時代です。スタッフ集めは大変だと思いますが、今後も続けていってほしいですね」と話しました。

Img_1973_2子供たちをチャイルドルームに預けたことで、女性選手や女性役員の試合参加が可能になった

Img_2106「ゆめ半島千葉国体」はチャイルドルームの設置に全面的に協力してくれたという

現在は国体のみで設置していますが、今後は各地の大会でも設置できるよう、働きかけていきたいと倭委員長は考えています。「女性のスポーツ参加のためにチャイルドルームの設置を理解してもらうのは、大変な作業。でも誰かがやらないと。幸い、日本セーリング連盟は私たちの活動にとても理解があるので、これからも設置を働きかけていきたいです」。

このチャイルドルームの取り組みは、セーリング競技に限らず、すべてのスポーツで必要なことです。この取り組みを先駆者に、各競技団体でもチャイルドルームの設置にむけた動きをスタートさせ、女性のスポーツ参加につなげていくことを願ってやみません。

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