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2010年2月

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2010/02/28

成功と失敗が紙一重のアルペン〜男子回転 決勝

文:松原孝臣

2月27日、降りしきる雪の中、ウィスラー・クリークサイドで、アルペンの最終種目、男子回転が行われた。日本からは皆川賢太郎と佐々木明が出場。皆川にとっては4度目、佐々木は3度目のオリンピックである。

皆川の1回目のスタート順は39番。

スタートして10秒ほど。細かなターンの続くセクションを抜けたあと、コントロールを失ったのか、コースアウトする。

「中途半端に終わるつもりはありませんでした。そういう意味では、悔いなく出られたと思います」

安全策をとるより、存分に攻めようとしたことがうかがえた。

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1回目で途中棄権となった皆川選手(写真提供:共同通信)

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2010/02/28

オリンピック体験が子どもたちにもたらすもの

文:高樹ミナ

「お母さん、テレビで見てないで競技場へ行こうよ」。アイスホッケーの試合をテレビ観戦していた母親に、5歳の男の子がいった言葉です。実はこれ、私のホームステイ先であった出来事で、お母さんは「いままでテレビでも、ろくに見なかったのに」と、息子さんが急にアイスホッケーに興味を示したことに驚いていました。

こうした現象は紛れもない、オリンピックの影響といえるでしょう。オリンピックの大会期間中、開催地では一日中、競技の様子がテレビ放送され、大人たちの会話もオリンピックの話題が中心。したがって、子どもたちの日常にも自然とオリンピックが浸透しています。ちなみにこの息子さん、数日後にアイスホッケーのカナダ戦に連れて行ってもらい、途中で飽きてしまうのではないかというご両親の心配をよそに、最後まで初観戦を楽しんだそうです。

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カナダの国旗をフェイスペインティングした、地元の子どもたち

こうした例は、この男の子に限ったことではありません。バンクーバーオリンピックの競技会場には比較的子どもの姿が多く、どの子供も試合観戦に夢中。国旗を振ったり、顔に国旗をペイントしたりと、応援も大人顔負けです。聞くところによればオリンピック期間中、地域によっては春休みを繰り上げてお休みにする学校もあるそうで、子どもたちはまたとないオリンピックを体験しています。

オリンピックを契機とする子ども向けの取り組みは、競技以外の分野でも行われています。バンクーバー市の隣、スピードスケートの会場があるリッチモンド市のライブラリーでは、「Winter 2010 Bookmark Contest」と題し、オリンピックをテーマにした子どもたちの絵を募って、本のしおりを作成。オリンピック期間中に無料で配布しています。創造性あふれる子どもたちの絵はたいへん好評で、過去のオリンピックでも、子どもたちの絵が絵はがきになって配布されていました。

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オリンピックをテーマに、子どもたちが色とりどりの絵を書きました

ユニークなところでは、スポーツを通して人体の仕組みを学ぶ取り組みもあります。7歳以上を対象に、基本的な内臓の位置や機能、競技中のアスリートの体がどのように機能するかなどを学ぶもので、内蔵の位置を覚えるための立体型人体パズルは少々リアルで驚きますが、子どもたちは興味深そうに内臓のパーツをひとつひとつはめ込んでいました。

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人体パズルを使って、体の仕組みを勉強する女の子

オリンピックはもともと、健全な青少年の育成を目的に、ピエール・ド・クーベルタン男爵が近代に復活させたものです。その取り組みは競技から芸術、文化、環境、道徳、世界平和まで多岐にわたり、それらを総称してオリンピック・ムーブメントと呼んでいます。競技にスポットがあたりがちなオリンピックですが、子どもたちの教育にも大きく貢献しているのです。

2010/02/27

フィギュアスケート会見、浅田「銀メダルうれしい」、安藤「幸せな気持ち」、鈴木「目標達成!」(ムービーメッセージ付)

3選手そろって8位入賞を果たした女子フィギュアスケート陣が、一夜明けた26日(日本時間27日)、ジャパンハウスで会見を開きました。

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笑顔で会見する3選手

浅田真央選手は「昨日は悔しい気持ちでしたけれど、一夜明けて気持ちの整理が付いて、今は銀メダルを日本に持って帰れることが嬉しいです」と語り、前夜の会見では涙を見せていましたが一転、笑顔を見せました。安藤美姫選手も「演技が終わったときに、心からスケートをやっていて良かったという幸せな気持ちになりました」、鈴木明子選手は「お客さんの歓声が嬉しくて目標としていた演技ができました」と、それぞれ満足そうな笑顔を見せました。



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銀メダルを胸に満足そうな浅田選手

オリンピック初参加への思いを聞かれると、浅田選手は「初めてのオリンピックを経験して、選手村はすごく新鮮で驚きがあって、リンクの舞台も大きくて普通の試合とは違うなと感じました。もう一回出たいなと思いました」、鈴木選手は「オリンピックは世界中がひとつになる一体感のある素晴らしいものだと感じました」と、それぞれ感銘を受けたようです。


■浅田真央選手ムービーメッセージ 00:27

一方、2度目のオリンピックとなる安藤選手は「トリノの時はまだ18歳で応援してもらうことに戸惑いがあって力に出来ませんでした。今回はサポートしてくれる方々の力を信じて声援を力に変えられて、感謝の気持ちでいっぱいです」と、4年間での成長を語ります。

試合後の気持ちを聞かれると、浅田選手は「早く日本に帰って、たくさんの人にメダルを見せて、触ってもらいたい!」といい納得の笑顔。安藤選手は「メダルを取れなかったのは悔しかったけど、モロゾフコーチに『誇りに思う』と言われて、次にまた頑張ろうと思えました」と、気持ちは次の試合へ! 鈴木選手は「長久保裕コーチや名古屋のコーチの方々から『ここに連れてきてくれてありがとう』と言われたときが一番嬉しかったです」と、満足いく試合だったことを話しました。

それぞれ、感動や成長を感じられたオリンピックとなった様子。笑顔の絶えない会見となりました。浅田真央選手は、男子銅メダルの橋大輔選手とともに、26日(日本時間27日)のエキシビションに出演します。(JOC広報チーム)

Sain_2感謝の気持ちをサインにこめた3選手

2010/02/27

ショートトラック復活へ必要なもの〜男子500m、女子1000m 準々決勝

文:折山淑美

2月26日のパシフィック・コロシアム。ショートトラックの最終日となるこの日は、男子500mと女子1000mの準々決勝から決勝までと、男子リレー5000mの決勝が行われた。

だが日本チームでこの日のレースに出場できたのは、男女1名ずつという寂しい状況だった。

最初の500mに登場したのは、2日前の予選第8組を2位通過で上がってきた吉澤純平。だが準々決勝は厳しかった。2009年世界選手権総合王者で、前回のトリノでは2個の銀メダルを獲得しているイ・ホソク(韓国)と、地元カナダで、昨季の世界選手権500m3位のジーンがいる第3組だった。

「前がゴチャゴチャするだろうから、後ろから行って終盤に勝負するつもりだった」

という吉澤は、1番外側の4コーススタートだったこともあり、スタートから4番手につけた。だが、「もう勝負どころだ」と準備を始めなければいけない、残り3周から2周に入る直前のカーブの出口でバランスを崩した。

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オリンピック初出場の吉澤選手。500mは準々決勝で敗退(写真提供:フォート・キシモト)

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2010/02/26

浅田選手は銀メダル、安藤選手5位、鈴木選手も8位入賞!

大注目の女子フィギュアスケート。25日夜(日本時間26日)、パシフィックコロシアムは何度も歓声の渦に包まれました。世界女子初のオリンピックでのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)2本を決めた浅田真央選手は銀メダル。安藤美姫選手は、大きなミスなく力を出し切り5位入賞、鈴木明子選手も気持ちのこもった情熱的な演技で感涙の8位入賞を果たしました! 日本フィギュアスケート男女は、6選手とも入賞する快挙です。
Hyousyouメダルを胸にした選手たち(提供:アフロスポーツ)

ショートプログラム11位発進の鈴木選手は、新調した赤い衣装で登場。「ウエストサイドストーリー」のプログラムに合わせ、マリアになりきります。「オリンピックに出られたことで私の夢が叶ったので、今度は見ている人に何かを伝える演技をしたい」と話していた鈴木選手。一歩一歩の滑りに力強さがあり、不安や緊張を感じさせません。体全体を激しく使ったストレートラインステップでは、滑ることの喜びと情熱が全開! 演技を終えた瞬間、顔をおおい嗚咽がこみ上げました。オリンピック初出場で、総合181.448位入賞の快挙を果たしました。
Akiko力強い演技が光った鈴木選手(提供:アフロスポーツ)

そして迎えた最終グループ。2番滑走の安藤選手から、キム・ヨナ選手、浅田選手、ジョアニー・ロシェット選手と続きます。

トリノオリンピック15位と悔し涙を流してから4年。その雪辱と周囲への感謝を胸に、安藤選手は氷に降り立ちます。3回転+2回転ジャンプなど確実にジャンプを積みあげ、音楽を感じながら滑っているのが伝わってくる大人らしい滑り。後半になるにつれスピードが増していく、強さと美しさの共存する演技で、4年間での大成長を示しました。総合188.865位。メダルには届きませんでしたが、22歳の女性らしい深みのある滑りで、安藤選手にしか出来ない世界を表現しました。

Miki 大人らしい演技をみせた安藤選手(提供:アフロスポーツ)

キム選手は、韓国の国民の期待を一身に背負っているとは思えないほど、優雅でやわらかい動きで、すべてのジャンプを成功。艶やかな女性らしい演技で観客を魅了すると、女子の歴代最高得点となる228.56をマーク。ダントツの首位に立ちました。

Kim 艶やかな演技のキム選手(提供:アフロスポーツ)

浅田選手は「ヨナの演技は見ていなかったけれど、観客の反応でいい演技をしたのだと分かりました」といい、まだ熱が覚めやらない会場に降り立ちます。ラフマニノフの「鐘」の荘厳な曲調に乗りゆっくりとスケーティングを始めると、冒頭でトリプルアクセルを2本成功。オリンピック女子初の快挙を達成したのです! しかし気を許すわけには行きません。このままノーミスで滑れば逆転の金メダルの可能性もあると、会場は固唾を呑んで見守ります。

ところが中盤のジャンプで連続のミス。ここで金メダルの可能性が低くなったことは、浅田選手自身も感じたでしょう。しかし力を抜くことなく、後半のストレートラインステップでは、今シーズンで一番激しく一歩一歩を深く踏み込み、攻めの姿勢を崩しませんでした。演技を負えると、笑顔なく肩を落とした浅田選手。目標だった200点を超える205.5をマークしましたが2位となりました。
Maoトリプルアプセル2本を成功した浅田選手(提供:アフロスポーツ)

続くロシェット選手の名前がコールされると、会場はこの日一番の大歓声。序盤にジャンプミスがありましたが、背中を押す大きな拍手が沸き起こると、集中力を取り戻します。すべての力を振り絞るような最後のスピンでは、まだ終わらないうちから観客が総立ちに。力強くフィニッシュすると、天に向けて両手で投げキスをしたロシェット選手。それは21日に天へ旅立った母へ、感謝を伝えたのでしょう。200点を超える202.64で銅メダルを獲得しました。
Ro最後まで踊りきったロシェット選手(提供:アフロスポーツ)

それぞれ、胸に秘めた思いを演技に託したオリンピック。悲喜こもごもの涙が流れました。目標に向けて努力し、この日出せる力は出しきったはずです。これからの4年間に、そして次の人生のために、自分自身を成長させる場であったことを願ってやみません。 (JOC広報チーム)

2010/02/26

思い思いのオリンピック。悔しさは4年後に〜ノルディック複合 ラージヒル個人 決勝

文:折山淑美

2月25日のノルディック複合ラージヒル個人。雨交じりの雪と強い追い風の影響でジャンプが途中で打ち切られ、時間を置いて1番からの再スタート。その幸運を日本勢で唯一活かしたのが、若手の渡部暁斗だった。

中止になった回で81.5mだった彼は、やり直しのジャンプでは125.0mまで飛距離を伸ばした。ジャンプ自体も、ここしばらくの中では上半身をあまり使わない、前に飛び出すジャンプになっていた。

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125.0mのジャンプで9位につけた渡部選手(写真提供:AP/アフロ)

「ラッキーでした。1本目があんなジャンプだったから、やり直しでは普通に飛んで、あれより距離を出せばいいだろうと考えただけでした。無欲でいけたから、いい動きができたんでしょうね」

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2010/02/25

女子フィギュアスケート最後の調整、隠れた火花を散らす

女子フィギュアスケートのショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)のなか日となる24日、公開練習が、試合会場のパシフィックコロシアムで行われました。1枚30ドル、約1万枚のチケットは、当日券を含め完売。練習だというのに国旗や垂れ幕が会場の360度を埋め尽くし、注目度の高さが伝わってきます。

Mao コーチと話し合う浅田選手(提供:アフロスポーツ)

 公式練習は、試合と同じ6人ずつにグループ分けされ、40分間練習。本番どおり11回、曲がかかります。練習中のルールは、まず曲がかかっている選手が優先で、ほかの選手は気を使って避けます。次にスピン中の人が優先。スピン中の人はすぐに止まって避けることができないからです。そしてジャンプの助走が重なってしまった場合は先に助走に入った人が優先で、ステップやスパイラルは人の合間を見つけて行うのがマナー。そんな暗黙の了解のなかで、メダルを争う選手たちが、最後の調整を行うのです。お互いの場所を譲り合いながらも、静かにライバル心を燃やす――。公式練習には、そんな隠れた火花が散っています。

やはり一番の注目となったのは、上位6人のグループ。浅田真央、安藤美姫、キム・ヨナ、ジョアニー・ロシェット、レイチェル・フラット、長洲未来の6選手が同時に氷に降り立つと、会場に緊張感がピンと張り詰めます。翌日の試合に向けてチェックに来ているジャッジもいますから、練習でのアピールも大切です。

Yuna調整するキム選手(提供:アフロスポーツ)

6人同時に滑っていると、それぞれのスケーティングの違いが良く分かります。スピード感抜群のキム選手と、ジャンプの軸の細さで群を抜く浅田選手に、観客の視線は集中。キム選手が3回転+3回転ジャンプを決めて拍手を受けると、浅田選手もトリプルアクセル(3回転半)を披露。どちらも引けをとらない集中力で、練習をこなします。

Mao2ジャンプをこなす浅田選手(提供:アフロスポーツ)

安藤選手は、3回転+2回転や、ダブルアクセル+2回転+2回転など様々なジャンプを練習し、全体的な出来上がりを重視している様子。ロシェット選手も、すべての種類のジャンプを練習し、やはりノーミスの演技を目指していることが伺えます。このショートプログラムのトップ4人は、自分の曲かけでは、ジャンプを抜かしてスピンとスパイラル、ステップを確認。演技の流れや氷の感触を確かめた様子でした。

Miki 氷上でストレッチする安藤選手(提供:アフロスポーツ)

逆に、「調整」ではなく「挑戦」であるフラット選手と長洲選手は、練習といえども手を抜きません。曲かけでも、すべてのジャンプを実際に入れて本番どおりの演技を披露。特に長洲選手は本番用の衣装で練習し、その気合をジャッジにアピールしました。

およそ40分間におよぶ練習を終えると、氷から上がる前には、演技終了後と同じように、会場の4方向にバレエのようにひざを曲げてお辞儀をします。野球ではグラウンドに、柔道では道場に一礼をして去りますが、フィギュアスケートはあくまでも観客に“お見せする”競技。練習後も、観客にお辞儀をするのです! 美しさの中に戦いの炎が揺れるフィギュアスケート。決戦は25日(日本時間26日)です。 (JOC広報チーム)

Ro氷の感触を確かめるロシェット選手(提供:アフロスポーツ)

2010/02/25

ブルガリアNOC、オーストラリアNOCとパートナーシップ協定を締結

JOC(日本オリンピック委員会)は、バンクーバーオリンピックの期間中に、ブルガリアオリンピック委員会(NOC)とオーストラリアNOCと、それぞれパートナーシップ協定を締結しました。

Aflo0006kd_20100222_1238ブルガリアNOCと協定を締結(提供:アフロスポーツ)

ブルガリアNOCとの協定調印式は2月22日、バンクーバー市内のジャパンハウスで行われ、JOCの竹田恆和会長とブルガリアNOCのステフカ・コスタディノワ会長が署名しました。コスタディノワ会長はアトランタオリンピック陸上競技女子走高跳の金メダリスト。また2m9cmの世界記録はいまだに破られていません。

協定では選手強化で協力することや、スポーツ医・科学などの情報交換を行う事、またトレーニングや指導の相互の受け入れることなどを定めています。具体的には、東京の「味の素ナショナルトレーニングセンター」にブルガリアの選手を受け入れることや、ブルガリアが得意とする新体操などの競技で日本選手の指導を行うことなどが話し合われました。

Aflo0006kd_20100222_1235コスタディノワ会長と竹田会長(提供:アフロスポーツ)

一方、オーストラリアNOCとの協定調印式も24日、ジャパンハウスで行われました。オーストラリア側からはジョン・コーツ会長の他、クレイグ・フィリップ専務理事、それに競泳1500mの世界記録保持者のグラント・ハケット氏などが出席。日本側は竹田会長、水野正人副会長、上村春樹選手強化本部長、橋本聖子日本選手団団長らが出席しました。

Aflo0006kd_20100221_0072 オーストラリアNOCと協定を締結(提供:アフロスポーツ)

協定の内容はブルガリアNOCとの協定と同様ですが、両国の競技団体の交流や、NOC職員の交換などについても視野に入れています。また、オーストラリアは同じ時差帯にありながら冬季競技の練習に適した場所が少ないため、日本にある施設を使っての練習などで協力が進む事も期待されています。

Aflo0006kd_20100221_0047コーツ会長と竹田会長(提供:アフロスポーツ)

2012年ロンドンオリンピック、2014年ソチ冬季オリンピックへ向け、日本に力強い協力国が2国も増えました。選手強化、そしてサポートする職員やコーチ陣の体制強化へ、いい契機となりそうです。 (JOC広報チーム)

2010/02/25

女子フィギュアスケート、3選手ともメダル圏内で発進

待ちに待った女子フィギュアスケート、決戦の火蓋が23日夜(日本時間24日)、切られました。浅田真央選手はトリプルアクセルを成功させ2位、安藤美姫選手は4位、鈴木明子選手は11位と、それぞれ上位での発進。多くの選手がノーミスの素晴らしい演技で、会場に詰め掛けた多くのファンが、何度もスタンディングオベーションを送る夜となりました。

Aflo_uhwb000438 トリプルアクセルを成功させ笑顔の浅田選手(提供:アフロスポーツ)

出場したなかで、3枠の出場枠を獲得しているのは日本のみ。その3選手も、07年世界女王の安藤選手、08年世界女王の浅田選手、09年グランプリファイナル3位の鈴木選手と、世界の表彰台経験者ばかりです。誰もがメダルに絡む選手とあって、会場のどこを見回しても、日の丸が揺れています。

日本人一番手となったのは、浅田選手。今季前半戦は、決め技のトリプルアクセルが決まらず、長いトンネルを抜け出てのオリンピック。特にショートプログラムでのトリプルアクセル(3回転半)は、今季からの挑戦ですがまだ成功がありません。決まれば、オリンピックでは女子初の快挙です。

Aflo_uhwb000434 笑顔の浅田選手(提供:アフロスポーツ)

世界が注目するなか、緊張の一瞬がスタート。なめらかな滑り出しで、冒頭のトリプルアクセル+2回転ジャンプを流れるように決めます。回転は十分。続くジャンプが決まると、最後までこぼれるような笑顔を振りまきながら、丁寧にプログラムをこなしました。終わった瞬間、右手を胸にあてて、ホッとした様子。73.78の高得点には、一瞬驚いた表情をしたあと満面の笑みを浮かべました。

続いて登場したのは、キム・ヨナ選手(韓国)。キム選手は、フィギュアスケートの地盤がなかった韓国で、唯一のトップスケーター。07年からはカナダに拠点を移し、ブライアン・オーサーコーチと振付師のデイビット・ウィルソン氏のもと、演技力とスケーティングを磨いてきました。韓国全国民の期待を一身に背負うプレッシャーは、計り知れないものがあります。

しかしキム選手は、冒頭で、スピードと高さのある3回転+3回転の連続ジャンプをビシッと決めると、続く3回転ジャンプも成功。一瞬、演技の妖艶な顔が緩み、笑顔が見えます。ボンドガールになりきった艶やかさとキレのある演技で、会場の観客を虜にすると、自己最高得点の78.5点で首位に躍り出ました。終わった瞬間は満足げな表情で、右手で小さくガッツポーズ。昨季女王のプライドを感じさせました。

Aflo_uhwb000417 演技力が光ったキム選手(提供:アフロスポーツ)

鈴木選手は、この2人の白熱の戦いの直後と、少し難しい順番。いつもはミスをしない冒頭のジャンプで手を着いてしまいますが、そこから切り替えられるのが鈴木選手の強いところ。力強いストレートレインステップは、キム選手にも劣らないスピードと情感があふれていました。結果は61.0211位発進でしたが、4位から11位までは3.74点差の僅差の戦い。フリースケーティングへつながる演技となりました。

Aflo_uhwb000367 力強いステップをみせた鈴木選手(提供:アフロスポーツ)

この日一番のスタンディングオベーションを受けたのは、地元カナダのジョアニー・ロシェト選手でした。試合2日前に母親が急死する失意のなか、出場を決めたロシェット選手。力強いタンゴには、母親への思いが込められていたのでしょうか。ノーミスの素晴らしい演技を終えた瞬間、こらえていた涙が溢れ出ました。観客は総立ち。ロシェット選手の精神力への感動と、悲しみとで、多くの人が目に涙を浮かべ割れるような拍手を送りました。

Aflo_owda274058 演技を終えて涙があふれるロシェット選手(提供:アフロスポーツ)

安藤選手は全30人の選手の最終滑走。曲は、亡き父と祖母に捧げる「レクイエム」。4年前のオリンピックでは、記者会見で父親への思いを聞かれ泣いてしまった安藤選手ですが、今回は「天にささげる気持ちで」と、精神的な成長を見せます。3回転+3回転ジャンプに挑戦しますが、惜しくも3回転+2回転判定。最後のステップは情感があふれ、身体を大きく使った迫真の演技。演技面のプログラムコンポーネンツの評価が高く、ジャンプミスをカバーするかたちで4位発進となりました。

Aflo_waha013008 難度の高いジャンプに挑戦した安藤選手(提供:アフロスポーツ)

日本3選手とも、自分の力を発揮しフリースケーティングへつなげました。キム選手と5点差以内で、金メダルへの可能性を十分に残した浅田選手。フリースケーティングの「鐘」はジャッジの評価も高く、その差は十分に埋めることができます。メダル圏内につけた安藤選手も、大人の女性らしい演技力が光る「ROME」は逆転のカードになりえます。そして鈴木選手は得意の「ウエストサイドストーリー」。それぞれの思いを胸に、フリースケーティングに挑みます! (JOC広報チーム)

2010/02/24

6位入賞も、さらなる強化で世界レベルへ〜ノルディック複合 ラージヒル団体 決勝

文:松原孝臣

復活はならなかった。

23日に行なわれた、ノルディック複合ラージヒル団体。日本は、昨年2月18日〜3月1日にチェコ・リベレツで行われた世界選手権で14年ぶりの金メダルを獲得。今大会もその再現を目指したが6位に終わり、1994年リレハンメル大会以来、16年ぶりのメダル獲得はならなかった。

出場したのは、高橋大斗、渡部暁斗、小林範仁、加藤大平。

前半のジャンプは高橋の136.5mの大ジャンプなどで4位につけ、まずまず好位置につける。

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3回目のオリンピック出場を果たした高橋選手が、
チーム最長の136.5mをマーク(写真提供:共同通信)

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