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2017.09.27 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
プレゼンを行った7選手。前列左から西村選手、上田選手、福部選手、後列左から油井選手、松本選手、大田選手、本間選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
星野一朗JOC理事(写真:フォート・キシモト)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は9月19日、東京国際フォーラムで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに108社/団体159名(2017年9月19日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会には、54社70名が参加しました。

 最初に主催者を代表し、JOCの星野一朗理事が挨拶に立ち、「きょう現在までで延べ108社に159名のトップアスリートが採用され、企業の皆さま方のサポートを受けて競技生活を行っておりますが、取り巻く環境に苦しみ、現役生活にピリオドを打たざるを得ない選手は、残念ながら我が国に多数存在しております」と、アスリートが直面する厳しい経済状況を報告。そのことを踏まえたうえで「私たちは、世界を相手に戦うトップアスリートは日本が誇るべき宝であると考えております。その宝を育て、支えていただくためにぜひとも皆さま方のご協力をいただきたい。この場を契機として未来のメダリストたちをご一緒にサポートしていただければと思います」と、アスリートへの支援を訴えました。

 次に中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業アシスタントディレクターが、資料をもとにアスナビの概要を説明。夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技、アスリート採用後の雇用形態や給与水準、勤務スケジュールなどを報告しました。

 最後に、就職希望アスリート8名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介などで、自身をアピールしました。

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
本間政丞選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
福部真子選手(写真:フォート・キシモト)

■本間政丞選手(テコンドー)
「私は5歳からフルコンタクト空手を習っており、高校1年生のころにオリンピックで金メダルを取りたいというただ1つの思いでテコンドーに転向しました。私には空手で培ったパンチ、圧力、そしてどんな状況においても前に出ることができる精神力があります。私の最大の目標は東京オリンピックで金メダルを取ることです。私には誰にも負けないものがあります。それは元気です。そして、どこでもムードメーカーになることができます。私を採用していただけましたら、持ち前の明るさと元気と、どこでも上昇志向を持ち続けることができる精神力で必ず貢献いたします。私は2020年東京オリンピックに向けて、本気で金メダルを取りに行きます。しかし、一人では戦うことはできません。どうかテコンドーに専念できる環境を、そしてどうか私を雇ってください」

■福部真子選手(陸上競技)
「私の強みは色んな立場の人の気持ちを汲み取ることができることです。小学4年から陸上競技を始め、得意としていた100メートルハードルにおいてジュニアオリンピックで優勝することができました。順風満帆な競技生活でしたが、大学入学後は思うように記録が伸びず、結果を残すことができなくなり、どん底を味わいました。しかし陸上部の主将に選んでいただき、苦しかったけど人間として成長できたこと、チームを変えるきっかけとなれたことは私の人生の財産となりました。私自身、関東インカレ優勝など成績が伸び、2020年に向け12秒台を狙える確かな手応えと自信を持つことができ、心から陸上競技を楽しめています。陸上競技を通して苦しいときこそ投げ出さず、そこから学ぶことの大切さを学びました。どんなことが起きても学ぶ姿勢を忘れず、常に謙虚でいることを生かしながら、企業に貢献できるよう努力していきます」

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
大田和宏選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
上田ゆい選手(写真:フォート・キシモト)

■大田和宏選手(陸上競技)
「私は小学校3年生から陸上を始め、中学、高校、大学とこれまで14年間、陸上競技を続けてきました。走高跳は技術が要求される競技で、現状と目標を十分に理解し、そこに対してどのようなアプローチを行えばいいのかを分析し、実行するという練習が必要不可欠です。その練習の甲斐あって私の競技力は着実に向上し、日本選手権では銀メダルを獲得することができました。陸上競技で培った能力は決して陸上競技の現場のみのものではないと思っています。先ほども述べましたように、大学の練習で培った目標を達成するための分析力、行動力、そして監督やコーチ、チームメートと培ったコミュニケーション能力は、社会に出るにあたって大きな武器になると思います。もし私を採用いただけましたら、陸上競技で培った能力を最大限に発揮し、企業に貢献したいと考えております」

■上田ゆい選手(射撃/ライフル射撃)
「私は5歳から14歳までフィギュアスケートをしており、3回転ジャンプも跳んでいましたが、度重なるけがに悩まされていました。そんなときにテレビで射撃を知り、魅力にひかれて、射撃に挑戦すると決めました。射撃を始めて約1年後、地元福岡を離れJOCエリートアカデミーに入校しました。寮生活を送り、自分自身で物事をこなすことで自立心がつき、また競技は違えども同じ目標を持った仲間やライバルと生活することで常に高い意識を持ち、切磋琢磨する大切さを学びました。現在、平成29年度のJOCエリートアカデミーのキャプテンを務めさせていただいています。私がなぜ就職を希望するのか。それはプロ意識を持ち、覚悟を決めて競技に専念したいからです。これからの競技人生を考えたときに、社会人として自分自身が責任をもってやることで、大きな一歩を踏み出したいと思いました。私は絶対に諦めません。東京オリンピック、その先々のオリンピックでメダルを獲得し、ご支援くださる企業をはじめ、応援してくださるたくさん方々に恩を返したいと思っています。ぜひ私をオリンピックに行かせてください」

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
油井快晴選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
西村莉子選手(写真:フォート・キシモト)

■油井快晴選手(陸上競技)
「私の強みは物事を客観的に、冷静的に見つめられることです。トレーニングをしているうちに視野が狭くなってしまい、成績が頭打ちになることを恐れ、私はスポーツマネジメント学を専攻しました。その中でスポーツに関する心理学や経営学について学び、幅広い視野から競技を見つめることができました。大学1、2年時にはシニアの世界大会に2度出場、世界ジュニア選手権で400メートル個人7位、4×400メートルリレーではジャマイカに先着し2位という結果を収めることができましたが、大学3年、4年時前半は度重なるけがに悩まされ、満足いく結果が残せませんでした。しかし、先日の全日本インカレでは個人4位入賞という形でこの種目において返り咲くことができました。このままトレーニングを続けていけば、また世界の強豪相手に戦えると思っています。2020年に向けて突き進むのみです。ご支援のほどをよろしくお願いいたします」

■西村莉子選手(陸上競技)
「私は陸上競技の七種競技を16歳からずっとやってきました。体力はもちろん、7種目を戦い抜くための集中力と、普段のトレーニングから得意をどう伸ばし、苦手をどう克服していくかを考え、やるべきことの優劣や時間配分を工夫する思考スキルを磨いてきました。その結果、関西学生新記録を樹立することができました。また、七種競技におけるやり投で日本最高記録をマークし、この記録でやり投単独でも日本選手権出場を果たしました。今後はこのやり投にも力を入れ、東京オリンピックファイナリストを目標に取り組んでいきます。採用していただけましたら、夢をかなえるまで決して諦めず、常に陸上競技に向き合い、支えて下さる皆さまに感謝の気持ちを持ち、結果で恩返しすることを決して忘れません。陸上競技だけでなく大学院生として培ってきたプレゼンテーション能力や、徹底して高めてきた情報処理能力を生かし、企業に貢献できるよう努力していきます」

JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
松本達希選手(写真:フォート・キシモト)
JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施
説明会修了後にはアスリートと企業関係者が交流を深めた(写真:フォート・キシモト)

■松本達希選手(スキー/アルペン)
「私は冬には多くの雪が積もる群馬県の嬬恋(つまごい)村で育ち、父がアルペンスキーのコーチをしていたため、幼いころから自然とスキー場に通うようになっていました。大学1年のときからナショナルチームに所属するようになり、この頃から目標が世界へと変わりました。アルペンスキーは身体能力より技術が重要視されるスポーツだと私は思っております。身体能力に関しては、私は海外の選手にも負けていない自信があります。ですので、あとは高いテクニックを身につけることができれば、今後世界のトップで戦える自信があります。そのために、まず今シーズンは海外のレースで経験を積み、しっかりとスキルを上げていきたいと思います。もちろん平昌オリンピックにも出場し、その次の北京オリンピックに向けて経験を積んでいきたいと思っています。私を採用いただけるのであれば、これまでの競技生活で培ってきた海外経験、そして目標に向かって改善を繰り返す探究心、改善力を十分に発揮し貢献していきたいと思っています」

■毛利衛選手(水泳/競泳)※ビデオメッセージ
「私は中学3年でジュニアのナショナルチームに入り、高校2年生のときにシドニーユースオリンピックフェスティバル日本代表として、200メートル平泳ぎに出場しました。東洋大学では萩野公介先輩を始めとする日本代表選手たちと日々厳しい練習を積み、自分に足りないものを明確にすることができました。その成果としてオリンピック強化選手に認定され、先月台北で行われたユニバーシアードの日本代表として400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得することができました。私は来年大学を卒業するにあたり、企業に所属し、競技と仕事の両方に打ち込む道を選びました。それは企業とコミュニケーションを取ることによって私自身が人としてさらに成長し、また、応援をいただくことで競技者としてより高みを目指すことができ、企業に対しての貢献にもつながると考えたからです。リオデジャネイロで途絶えてしまった平泳ぎでのオリンピックメダル獲得に向けて、競技者として、社会人として企業の皆さまとともに一歩ずつ前進してまいりたいと思います」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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